中古マンションは築年数でいくら下がる?|「旧耐震の壁」をエリア別に実測
要点(物件ウォッチ実測/2026年7月):同じエリアの中古マンションでも、築年が古いほど価格は下がります。最大の段差は1981年の耐震基準=「旧耐震の壁」で、旧耐震(1981年以前)は新耐震のおよそ5〜6割の価格でした。
「築年数が古いと中古マンションはどれくらい安くなるのか」——予算とエリアを決めるうえで欠かせない問いです。ただし築年別の価格をそのまま眺めても実態はつかめません。新しいマンションと古いマンションでは建っているエリアが違うため、築年の効果と立地の効果が混ざってしまうからです。
そこで物件ウォッチは、同じエリアの中だけで築年帯ごとの中古マンション価格を集計しました(2026年7月・当サービス集計)。すると、築年による下落と、その中にある「壁」がはっきり見えました。
実測:同じエリアでも、築年でこれだけ下がる
供給がまとまっている東京23区の3エリアについて、築年帯ごとの売り出し価格の中央値(万円)を並べました。
| 築年帯 | 中央区 | 世田谷区 | 中野区 |
|---|---|---|---|
| 〜築5年 | 17,000万 | 11,298万 | 11,140万 |
| 築5〜10年 | 15,100万 | 10,280万 | 9,480万 |
| 築10〜20年 | 13,980万 | 11,590万 | 9,240万 |
| 築20〜30年 | 11,900万 | 9,780万 | 8,600万 |
| 築40年〜 | 6,198万 | 4,580万 | 4,389万 |
どのエリアでも、築年が進むほど価格は下がります。とくに築40年〜になると一段大きく落ちるのが共通しています。中央区は立地価値が高いため築40年でも6,000万円台を保っていますが、それでも新しい物件の3〜4割安。世田谷・中野では築40年〜が新築近くの半値以下になっています。
最大の段差は「旧耐震の壁」(1981年)
築40年前後で価格が大きく落ちる背景には、1981年(昭和56年)6月の耐震基準の切り替えがあります。これ以前の基準で建てられた「旧耐震」マンションと、以降の「新耐震」マンションを同じエリア内で比べると、価格差は歴然でした。
| エリア | 旧耐震(1981年以前) | 新耐震(1981年以降) | 旧÷新 |
|---|---|---|---|
| 中央区 | 5,790万 | 13,080万 | 約44% |
| 板橋区 | 2,700万 | 5,298万 | 約51% |
| 中野区 | 4,389万 | 7,998万 | 約55% |
| 世田谷区 | 4,780万 | 7,980万 | 約60% |
旧耐震マンションは、同じエリアの新耐震のおよそ5〜6割(中央区では約4割)の価格でした。「築年が古いほど安い」の正体の多くは、この旧耐震の壁です。
なぜ旧耐震はここまで安いのか
- 住宅ローン・税制で不利:旧耐震は住宅ローン控除や登録免許税の軽減を受けにくく、耐震基準適合証明が必要になるなど、買い手のハードルが上がります。
- 地震保険・耐震性能:耐震性への不安に加え、地震保険料の割引が効かないなど、保有コストでも差が出ます。
- 建て替え・老朽化リスク:築40年を超えると設備更新や大規模修繕、将来の建て替え論議がリアルになり、その不確実性が価格に織り込まれます。
逆に言えば、旧耐震の安さはこれらのリスクとコストの裏返しです。土地の持分価値が大きい都心一等地では、旧耐震でも立地で価格が支えられることがあります。
買う側のための3つの実利
1. 築年は「エリア込み」で見る
築年別の価格をサイト横断でそのまま比べると、立地の差が混ざって正しく読めません。同じエリアの中で築年を比べるのが、値ごろ感をつかむ正攻法です。エリア別の相場は中古マンションのエリア別マップもあわせてご覧ください。
2. 旧耐震の「安い」には理由がある
旧耐震は確かに割安ですが、ローン・保険・耐震・建て替えという実務的な負担がセットです。安さだけで飛びつかず、立地価値とのトレードオフで判断しましょう。判断の詳しい手順は旧耐震マンションの記事で解説しています。
3. 築20〜30年は「値ごろ」ゾーンになりやすい
新築プレミアムは薄れ、旧耐震の壁の手前——築20〜30年は、価格が落ち着きつつ新耐震の安心感も得られる「値ごろ」ゾーンになりやすい帯です。狙いのエリアで、この帯の新着を逃さないことが実利につながります。物件ウォッチなら「エリア名+マンション」をLINEで送るだけで新着を自動通知します。
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このデータについて(正直な注記)
築年は各掲載の物件情報から抽出しています(抽出できたのは全体の約9割)。価格は掲載中の売り出し価格の中央値で、専有面積あたりではありません。したがって広さの違いは価格に含まれています(古い物件が小さめ/大きめといった偏りは残ります)。「旧耐震/新耐震」は建築年が1981年より前か以降かで機械的に区分した目安で、実際の耐震基準適合とは一致しない場合があります。同じエリア内でも、建物・管理状態・階数によって価格は変わります。中央区はタワーマンションを多く含みます。集計は当サービスが監視するエリアの掲載中(未終了)物件で、供給の少ないエリアや薄い築年帯は除外しています。2026年7月時点のスナップショットです。
まとめ
- 同じエリアでも築年が古いほど中古マンション価格は下がる
- 最大の段差は1981年の「旧耐震の壁」。旧耐震は新耐震のおよそ5〜6割(中央区は約4割)
- 旧耐震の安さはローン・保険・耐震・建て替えリスクの裏返し。立地価値とのトレードオフで判断
- 築年はエリア込みで見る。サイト横断の単純比較は立地が混ざる
- 築20〜30年は価格が落ち着き、新耐震の安心も得られる値ごろゾーン
よくある質問
中古マンションは築年数でどれくらい安くなりますか?
当サービスの実測では、同じエリア内で築年が進むほど価格は下がり、とくに築40年前後で大きく落ちます。最大の要因は1981年の旧耐震/新耐震の境で、旧耐震は同エリアの新耐震のおよそ5〜6割(中央区では約4割)の価格でした。
旧耐震マンションはなぜ安いのですか?
住宅ローン控除や税の軽減を受けにくい、地震保険の割引が効かない、耐震性や将来の建て替えに不確実性がある——といった実務的な負担が価格に織り込まれているためです。ただし土地持分の価値が大きい都心では立地で価格が支えられることもあります。
築何年の中古マンションが「値ごろ」ですか?
新築プレミアムが薄れ、旧耐震の壁の手前にあたる築20〜30年は、価格が落ち着きつつ新耐震の安心感も得られる値ごろゾーンになりやすい帯です。ただしエリアや管理状態で個別差があります。
旧耐震と新耐震の境目はいつですか?
1981年(昭和56年)6月の耐震基準改正が境です。これ以前の基準を旧耐震、以降を新耐震と呼びます。建築確認の時期で決まるため、竣工年とずれることがあり、購入時は耐震基準適合証明の有無を確認しましょう。
エリア別の相場は中古マンションのエリア別マップ、掲載の動きは中古物件は掲載から何日で消えるかで解説しています。月次の詳細分析は月次相場レポートをご覧ください。