中古マンションの値下げの実態|何%・何万円下がるのか、価格改定433件を実測
要点(物件ウォッチ実測/2026年3月〜7月):売り出し中の中古物件の価格改定を追跡すると、改定の91%は値下げで、値下げ幅の中央値は-4.4%(-190万円)でした。一気に3割下げる物件も、2段階に分けて下げる物件も実在します。
「売り出し価格は、待てば下がるのか」——中古物件を探していると誰もが一度は考える問いです。ところが値下げの実態を示す公開データはほとんどありません。ポータルサイトの表示はいつも「今の価格」だけで、昨日までいくらだったかは消えてしまうからです。
物件ウォッチは複数の不動産サイトを毎日自動巡回しているため、同じ物件の価格が変わった瞬間を記録できます。2026年3月末から7月にかけて捕捉した価格改定433件(同一物件・同一掲載URLでの価格変更)を集計しました。
実測1:改定の91%は「値下げ」
| 改定の方向 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 値下げ | 396件 | 91.4% |
| 値上げ | 37件 | 8.6% |
売り出し価格の改定は、ほぼ「下げ」の一方通行です。値上げ(中央値+5.0%)も1割弱ありますが、これは市況の強いエリアでの強気の再設定や、リフォーム後の再売り出しなどが混ざったものとみられます。
実測2:下げ幅は「中央値-4.4%・-190万円」と小刻み
| 下位25% | 中央値 | 上位25% | |
|---|---|---|---|
| 値下げ率 | -2.9% | -4.4% | -6.5% |
| 値下げ額 | -100万円 | -190万円 | -400万円 |
物件は数千万円の買い物ですが、1回の値下げは意外に小刻みです。半数の値下げは-2.9%〜-6.5%の範囲に収まります。「980万円→930万円」「7,480万円→6,980万円」のような、端数を切り下げて検索の価格帯フィルターの一段下に入れる動きが目立ちます。
種別で見ると:マンションも投資物件も同じくらい
| 種別 | n | 値下げ率の中央値 | 値下げ額の中央値 |
|---|---|---|---|
| マンション | 305件 | -4.4% | -120万円 |
| 投資用 | 75件 | -3.8% | -220万円 |
率で見ると種別による差は小さく、「下げるときは4%前後」という相場観は共通のようです(戸建て・土地はサンプルが少なく割愛)。
実例:実際にあった値下げ
- 湾岸タワーの一発2,620万円下げ:東京都中央区・完成後未入居のタワーマンションが3億2,500万円→2億9,880万円(-8.1%)。掲載から約80日後の改定でした。
- 築古区分の3割下げ:札幌市中央区・宮の森エリアの3LDKが1,380万円→980万円(-29.0%)。同時期の同エリアで-32.4%(590万→399万円)、-29.0%(690万→490万円)も観測。低価格帯の築古は下げ幅が大きく出やすい領域です。
- 2段階の様子見値下げ:渋谷区の投資用区分が9,980万→9,680万→8,980万円(計-10.0%)。まず小さく下げて反応を見て、動かなければもう一段——という売主側の教科書どおりの動きです。
面白いのは、売主自身が値下げを宣伝するケースです。実データの中には、掲載タイトルが「10階角部屋×2面バルコニー」から「☆値下げしました☆10階角部屋×2面バルコニー」に書き換わり、2,980万→2,780万円になった物件がありました。値下げは隠すものではなく、再注目を集めるためのイベントとして使われています。
何日で下がるのか
掲載を検知してから値下げを検知するまでの日数は、追跡が最初から取れている物件では中央値で約45日でした(n=24と少なめのため参考値)。改定間隔(前の価格を見てから次の価格に変わるまで)で見ると中央値7.6日ですが、これは既に売り出し中だった物件の途中経過も含む数字です。
体感的なまとめとしては——売り出しから1〜2ヶ月動かないと、値下げが検討され始める。これは掲載期間の実測(中古物件は掲載から何日で消えるか)とも整合します。
どれくらいの物件が値下げされるのか
検出の網羅性が最も高かった2026年4月では、掲載中21,191物件のうち283件=少なくとも月1.3%の物件で値下げを観測しました。これは検出できた下限であり、実際の値下げ頻度はこれより高いはずです(掲載を一度取り下げて新しい掲載として再登録する「見えない値下げ」は原理的に捕捉できないため)。
買う側はどう使うか
- 「4%引き」は交渉の相場観になる:売主自ら下げるときの相場が中央値4.4%なら、指値交渉の現実的なレンジもその近辺から始まると考えられます。
- 1〜2ヶ月売れ残っている物件は動く可能性がある:値下げの多くは掲載から1ヶ月超で起きています。気になる物件が売れ残っているなら、価格改定か指値の余地が出てくるタイミングです。
- ただし良い物件は値下げを待ってくれない:当サービスの実測では、早く動く物件は掲載から数時間〜数日で消えます。値下げ待ちが有効なのは「動きの遅い物件」だけです。
値下げも新着も、出た瞬間に知る
物件ウォッチは主要18サイトを自動巡回し、条件に合う新着物件をLINEでお知らせします。価格が改定された物件は「新着」として再浮上することが多く、リアルタイム通知なら見逃しません。
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- 検出方法:同一の掲載URLで価格の異なる掲載を検知した組を「価格改定」としました(2026年3月26日〜7月22日・433組)。サンプル検証では、タイトルに「値下げしました」「価格改定」と明記された組が含まれており、手法の妥当性を裏付けています。
- 売り出し価格です:本記事の価格はすべて売り出し(掲載)価格で、成約価格ではありません。
- 観測は下限です:巡回の設計上、全ての改定を捕捉できるわけではありません。「月1.3%」は確実に観測できた分だけの下限です。
- 日数は検知ベース:掲載日・改定日は当サービスの巡回が検知した日で、実際とは最大1日程度ずれることがあります。
- 建物単位の掲載URLを使うサイト(同一URLに複数の部屋がぶら下がるもの)は、部屋の入れ替わりと改定を区別できないため集計から除外しています。
集計の前提や定義の詳細はデータの集計方法と限界をご覧ください。
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公開: 2026年7月23日|物件ウォッチ編集部(データ集計: 当サービス実測)