築1980年以前と2010年代で5,010万円差——北区1,383件が映す価格の断層 | 東京都北区 中古マンション 中古相場分析【2026年10月版】— 1383件集計

最終更新: | 1,383件・13サイトのデータに基づく

同じ「北区の中古マンション」でも、築1980年以前は中央値3,790万円、2010年代は8,800万円。その差5,010万円は、同じ区内で家が2軒買えるほどの開きだ。当サービスが13サイトから自動収集した東京都北区の中古マンション1,383件(対象期間2026年9月7日〜10月7日)を集計したところ、全体の価格中央値は5,980万円、㎡単価中央値は102.7万円/㎡。数字を分解すると、北区という括りの内側にいくつもの別々の価格帯が同居していることが見えてくる。

市場サマリー

集計件数
1,383件
中央値価格
5,980万円
㎡単価中央値
102.7万/㎡
価格帯 (Q1–Q3)
4,100〜7,999万円

東京都北区 中古マンションの新着を見逃さない

今月の注目: 2000年以降築 駅徒歩5分以内, 予算4,500万円以下の新耐震, 東十条・赤羽西の60㎡超
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📝 本稿の読み方

TL;DR / 今月の要点

📊 今月の主要数値(当サービス集計)

🗞️ 今月のトピック

直近の外部トピックとして見逃せないのが、2026年9月に公表された都道府県地価調査(基準地価)だ。北区の平均は前年比+14.32%の上昇で全国14位、赤羽駅周辺も+10.23%の上昇と報じられている(出典: 土地代データ tochidai.info)。2026年3月の地価公示でも、北区赤羽1-32-14の住宅地が+18.50%上昇で全国7位にランクインした(出典: ダイヤモンド不動産研究所)。一方で、北区が公表する人口統計では2026年9月1日現在の総人口が369,864人・218,602世帯で、前月比で人口303人減・世帯336減と、これまでの増加基調がいったん足踏みしている(出典: 北区公式サイト)。地価は上がり、人口は横ばいから微減へ——この二つの力がどちらに効くかは、当サービスが毎月集計している売出価格の推移を追いかけて検証していくしかない。今回の1,383件は、その定点観測の一枚目にあたる。

東京都北区 中古マンションの中古市場の輪郭(当サービス集計)

まず全体の輪郭から。当サービスが13サイトから収集した東京都北区の中古マンション1,383件のうち、価格が取得できた1,365件を並べると、中央値は5,980万円、平均は6,381万円だった。平均が中央値を400万円ほど上回るのは、上に長い裾を引いた分布だから。最小値は653万円、最大値は2億9,500万円と、同じカテゴリの中に40倍以上の開きがある。

価格はどこに集中しているか

価格帯を500万円刻みで見ると、最も厚いのは4,000〜4,500万円の167件。次いで3,500〜4,000万円が115件、6,500〜7,000万円が103件、6,000〜6,500万円が94件と続く。つまり、4,000万円前後の実需ボリュームゾーンと、6,000〜7,000万円台のもう一つの山が並んで立っている二こぶの形だ。下位の目安(第1四分位)は4,100万円、上位の目安(第3四分位)は7,999万円。最安層にあたる下位5%ラインは2,000万円、最上層の上位5%ラインは1億1,900万円で、㎡単価中央値は102.7万円/㎡だった。

集計元サイトによる顔ぶれの違い

面白いのは、同じ北区でも集計元によって並ぶ物件の性格が違うこと。athomeは188件で中央値3,380万円(中央専有面積41.96㎡、中央築年1986年)、対して長谷工の仲介は63件で中央値7,198万円(64.99㎡、築2009年)。大京穴吹不動産は41件で6,980万円、三井のリハウスは98件で7,144万円。コンパクト住戸中心の品揃えか、ファミリー向け中心かで中央値は倍近く動く。「北区の相場」を一つの数字で語るのが危ういのは、この一点だけでも分かる。

掲載の動きについては、今回の観測期間は収集の立ち上がりと重なっており、週次の新規掲載数は参考扱いとしたい。掲載終了も0件で、滞留日数は算出できていない。この点は来月以降の積み上げで精度が上がる部分だ。

築年帯別の相場と価格の断層

東京都北区の中古マンションには、はっきりとした築年の断層がある。しかもそれは、なだらかな坂ではなく階段だ。

築年帯ごとの中央価格

築年帯ごとの中央価格
築年帯 件数 価格中央値 ㎡単価中央値 中央専有面積
1980年以前(旧耐震) 222件 3,790万円 75.27万円/㎡ 50.33㎡
1981〜1999年(新耐震) 493件 4,600万円 89.4万円/㎡ 54.49㎡
2000〜2009年(品確法) 273件 6,980万円 115.67万円/㎡ 65.43㎡
2010〜2019年 230件 8,800万円 145.79万円/㎡ 57.98㎡
2020年以降 144件 8,680万円 155.72万円/㎡ 57.79㎡

当サービスの集計で最も価格が跳ねるのは、1999年と2000年の間だ。新耐震世代(1981〜1999年)の4,600万円から品確法世代(2000〜2009年)の6,980万円へ、中央値で2,380万円のジャンプ。品確法(住宅の品質確保促進法、2000年施行)は10年間の瑕疵保証を義務化した制度で、建築品質の底上げが図られた節目にあたる。その前後で、面積中央値も54.49㎡から65.43㎡へと広がっており、価格差の一部は単純に広さの差でもある。ただし㎡単価で見ても89.4万円/㎡→115.67万円/㎡と上がっているので、広さだけでは説明しきれない。

境界線の前後で何が起きているか

1981年6月の新耐震基準を挟んだ差は、中央値で810万円(3,790万円→4,600万円)。意外に小さく見えるが、㎡単価では75.27万円/㎡と89.4万円/㎡で、差は+14.13万円/㎡と約2割近い開きがある。旧耐震側は面積が小さめなので、総額ベースでは差が圧縮されて見えているわけだ。

2010年代と2020年以降を比べると、中央値は8,800万円→8,680万円でむしろ微減。ところが㎡単価は145.79万円/㎡→155.72万円/㎡で、新しい世代が+9.93万円/㎡上回る。築浅ほど住戸が小さく設計され、総額を一定に抑えながら単価が上がっている構図が読める。

間取りを重ねるとさらに鮮明だ。本集計では新耐震世代(1981〜1999年)の3LDKが132件で中央値6,780万円、2010年代の3LDKが68件で9,980万円、2020年以降の3LDKは36件で10,180万円。同じ3LDKで築年だけが違うと、3,000万円以上の差が付く。逆に旧耐震の3LDKは36件・3,790万円、1LDKに至っては23件・2,670万円で、総額の敷居は一気に下がる。

旧耐震の比率とその含意

収集した1,383件のうち旧耐震に該当するのは222件、16.1%。6件に1件弱という水準だ。旧耐震は住宅ローンの審査や融資年数で不利になりやすく、金融機関によっては借入期間が短縮される。総額は安くても月々の返済負担が想定ほど軽くならないケースがある点は、資金計画の段階で織り込んでおきたい。価格の安さは、そのまま買いやすさを意味しない——これは当サービスの集計を何度見返しても変わらない構図だ。

間取り・構造別の相場

3LDKの中央値は7,480万円、1LDKは4,999万円。同じ区内で、間取りが違うだけで2,500万円近く景色が変わる。

主要間取りの顔ぶれ

主要間取りの顔ぶれ
間取り 件数 価格中央値 中央専有面積 中央築年
1K/1DK 38件 3,380万円 31.85㎡ 2003年
1LDK 149件 4,999万円 40.5㎡ 2005年
2DK/2LDK 361件 6,290万円 55.14㎡ 1996年
3LDK 362件 7,480万円 70.44㎡ 2001年
4LDK以上 24件 9,580万円 80.39㎡ 2007年

当サービスが収集した1,383件の中心は2DK/2LDKと3LDKで、この二つだけで723件。北区の掲載はファミリー向けが主役だと分かる。なお1Rは2件しかなく、集計対象から外している。4LDK以上の24件はサンプルが少なめなので、傾向として眺める程度にとどめたい。

㎡単価で見ると順位が入れ替わるのが面白い。1LDKが134.02万円/㎡と最も高く、3LDKは104.56万円/㎡。単身・DINKS向けのコンパクト住戸ほど面積あたりは高く付く、という定石どおりの並びだ。1K/1DKは105.055万円/㎡、2DK/2LDKは110.28万円/㎡。広い住戸を単価で買いたいなら3LDK、総額を抑えたいならコンパクト——ここはトレードオフになる。

構造別の相場

構造の記載がある物件に絞ると、RC造(鉄筋コンクリート)は117件で中央値7,380万円・中央築年2008年・124.05万円/㎡、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)は72件で4,780万円・築1987年・92.9万円/㎡だった。SRC造のほうが高層物件に使われる印象があるのに安く見えるのは、本集計のSRC造が築年の古い世代に偏っているためで、構造そのものの優劣ではない。築年帯を揃えると、旧耐震世代ではSRC造16件が4,335万円、RC造10件が2,599万円と逆転する。構造と築年は切り離して読む必要がある。

実務的には、RC造・SRC造ともに木造に比べ遮音性と耐火性で有利だが、同じRC造でも壁厚やスラブ厚、二重床かどうかで住み心地は大きく変わる。内見では図面の壁厚表記と、上下階の生活音を確認したい。鉄骨造は今回2件のみで、集計対象外とした。

ブランドマンションと管理コスト

北区にはプラウド(野村不動産)、パークホームズ(三井不動産レジデンシャル)、ブリリア(東京建物)、レ・ジェイド、リビオ、シティインデックス、デュオステージといった大手ブランドの供給がある(出典: ノムコム)。駒込・飛鳥山周辺のブランド物件では中央値が1億円を超える事例も確認されており(出典: ノムコム)、当サービス集計の上位5%ライン1億1,900万円は、こうした物件群が形成しているとみてよい。一方、王子・田端・滝野川の中堅クラスは3,000万円台〜6,000万円台のレンジが中心(出典: ieshil)で、本集計のボリュームゾーンと整合する。

なお、管理費・修繕積立金の区内平均水準については公開情報が確認できておらず、当サービスでも今回は集計していない。築古物件ほど積立金の値上げ余地が残っている可能性があるため、重要事項調査報告書での確認は必須だ。

立地軸でみる相場(駅徒歩・エリア内の偏り)

駅徒歩11〜15分の中央値は4,480万円。徒歩1〜5分の6,490万円と比べると、2,010万円の開きがある。北区では「10分の壁」がはっきり効いている。

当サービスが収集した1,383件を駅徒歩別に分けると、1〜5分が580件(全体の41.9%)で中央値6,490万円・115.43万円/㎡、6〜10分が668件(48.3%)で5,880万円・99.64万円/㎡、11〜15分が87件(6.3%)で4,480万円・85.5万円/㎡。徒歩5分以内と11〜15分の㎡単価差は約+29.9万円/㎡で、3割近い開きだ。16〜20分は14件、21分以上は17件とサンプルが少なめなので、傾向として見る程度にとどめたい。

エリアプロフィールによれば、公示地価でも駅距離の効き方は明確で、王子駅280mの商業地が2,440,000円/㎡、王子駅750mの住宅地が566,000円/㎡と、数百メートルで大きく開く(出典: ランドクリエイト、ステップオン)。土地の値付けと中古マンションの売出価格が、同じ方向を向いていることが確認できる。

町丁で割ると見える「別の北区」

本集計で件数が多いのは滝野川195件(中央値6,298万円・115.43万円/㎡)、王子124件(6,380万円・104.56万円/㎡)、浮間96件(6,830万円・92.8万円/㎡・中央69.4㎡)、豊島93件(5,180万円)、赤羽西86件(4,340万円・84.6万円/㎡・中央築年1987年)。

異彩を放つのが上十条の57件で、中央値9,970万円、中央築年2023年、157.7万円/㎡と区内で突出している。同じ十条でも東十条は64件・4,315万円・83.51万円/㎡で、差は+74.2万円/㎡。推測だが、上十条側に築浅物件の掲載が集中していることが中央値を押し上げている可能性が高い(中央築年2023年という数字がそれを示唆する)。田端新町も76件・中央築年2013年・129.7万円/㎡と築浅寄りだ。

エリアプロフィールでは、町名により㎡単価に差があり赤羽・王子本町が高く中十条が低いとされている(出典: スターマイカ)。本集計でも赤羽75件の中央値は4,680万円(102.62万円/㎡、中央49.06㎡)で、単価は高いが住戸が小さいぶん総額が抑えられている。「赤羽は高い」と「赤羽は買える」が両立しているのが、この区の面白さだ。

リスク要素と注意ポイント

リスク要素の比率を見ると、北区のデータはむしろ「きれい」だ。ただし、それは安心の裏返しでもない。

当サービスが収集した1,383件のうち、旧耐震(1981年6月の新耐震基準施行より前)に該当するのは222件で16.1%。一方、再建築不可・借地権・告知事項のフラグは、いずれも今回の収集データでは検出されていない(0件)。マンションという商品特性上、再建築不可や借地権の掲載頻度が低いのは自然だが、「掲載情報の文面から検出されなかった」ことと「存在しない」ことは別である点は押さえておきたい。借地権マンションは物件概要の権利欄を自分の目で確認するのが確実だ。

旧耐震222件の実務的な影響は三つある。第一に住宅ローン。金融機関によっては融資年数が短縮されたり、フラット35の適合証明が取得できなかったりする。第二に地震保険料。耐震等級による割引が受けられず、保険料が相対的に重くなる。第三に出口。買主側も同じローン制約を受けるため、売却時の買い手層が狭まる。本集計で旧耐震の中央値が3,790万円(75.27万円/㎡)と安いのは、この三重の制約を価格で調整した結果と読める。逆に言えば、現金比率を高められる買主にとっては価格交渉の余地が残る領域でもある。

地価と人口の二つのシグナル

外部環境では、地価が強い。2026年の地価公示で北区の住宅地平均は742,000円/㎡、商業地平均は1,505,826円/㎡(出典: ランドクリエイト)。2025年公示でも住宅地が前年比+11.2%、商業地が+13.8%の上昇だった(出典: chika.m47.jp)。赤羽駅前の商業地は5,700,000円/㎡で前年比+21.3%の上昇(出典: ランドクリエイト)と、過熱感すら漂う。地価上昇は売主側の値付けの根拠になりやすく、売出価格の上振れ要因になる。

一方、人口は2026年9月1日時点で369,864人・218,602世帯、前月比で人口303人減・世帯336減(出典: 北区公式サイト)。直近まで東京都の月次推計で人口増加数の上位にランクインしていた区だけに(出典: 東京都)、この足踏みは気になる。推測の域を出ないが、地価と需要のシグナルが逆を向きはじめている可能性はある(確証なし)。

ハザード面については、荒川・新河岸川沿いの浸水想定区域や地域危険度の具体的な指定内容を一次情報で確認できていない。浮間・赤羽エリアを検討する場合は、北区が公表するハザードマップを必ず自分で参照してほしい。用途地域についても、赤羽駅前・王子駅前が商業地域、東十条駅前が近隣商業地域、王子本町や滝野川の一部が第一種住居地域という構成が個別地点から読み取れる程度で、区全体の面積比率は未確認だ。

国交省取引事例で当サービス集計を裏付ける

当サービスの集計値は、実際の取引実感とどれくらいズレているのか。エリアプロフィールにある代表的な取引例(2025年春時点、6件)と突き合わせてみたい。

挙がっているのは、王子駅圏の3LDK・61.26㎡・築21年11ヶ月で5,400万円台、浮間舟渡の3LDK・72.48㎡・築39年11ヶ月で3,300万円台、西巣鴨の1LDK・45.0㎡・築20年2ヶ月で3,900万円台、田端の1LDK・41.05㎡・築50年10ヶ月で2,100万円台、赤羽の1DK・27.23㎡・築4年6ヶ月で3,400万円台、駒込の2LDK・56.05㎡・築51年5ヶ月で3,700万円台(出典: SUUMO)。価格帯は2,100万円台〜5,400万円台に分布している。

また同じ集計で、北区の中古マンション売却相場の中央値は4,680万円(専有面積中央値59㎡、築年数中央値27年、2025年4月時点)、前年比で約+4%の上昇とされている(出典: SUUMO)。

これに対し、当サービスが13サイトから収集した1,383件の中央値は5,980万円。1,300万円ほど高い。差の理由は三つ考えられる。第一に、本集計は売出時点の表示価格であって成約価格ではないこと。第二に、1年半の時間差があり、その間に地価が大きく上がっていること(2026年基準地価で北区は前年比+14.32%の上昇、出典: 土地代データ)。第三に、本集計の築年構成が新しめで、2000年以降築が647件と全体の47%を占めること。

つまり、この5,980万円は「いま売りに出ている物件の真ん中」であって、「いま成約している価格の真ん中」ではない。指値の出発点として使うなら、この性格の違いを頭に入れておきたい。

データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」

安い方の端と高い方の端、それぞれに顔がある。当サービスの集計で下位10%にあたる136件は、境界価格2,980万円以下。その中央像は中央築年1986年・中央専有面積26.64㎡・駅徒歩中央値9分だ。築40年前後のコンパクト住戸が、この価格帯の正体である。

このゾーンは、初めての1戸として、あるいは賃貸運用の種として検討する層に向く。ただし26.64㎡という広さは、住宅ローン控除の床面積要件(一般に50㎡以上、特例で40㎡以上)に届かないケースが多い。税制メリットを前提に資金計画を立てるなら、面積要件は必ず先に確認したい。築年的に旧耐震が混じる帯でもあり、本集計の旧耐震222件(16.1%)の多くがここに沈んでいるとみてよい。

反対に上位10%の136件は、境界価格9,990万円以上。中央築年2013年・中央専有面積72.39㎡・駅徒歩中央値5分と、「築浅・広い・駅近」の三拍子が揃う。上位5%ラインは1億1,900万円、最高値は2億9,500万円。町丁で言えば上十条(中央値9,970万円)や田端新町(129.7万円/㎡)の築浅層が主役だろう。資産性重視の実需、あるいは都心からの住み替え層が主な買い手と推測されるが、買主属性の一次データは確認できていない。

狙い目を探すなら、中間帯が面白い。新耐震世代(1981〜1999年)の2DK/2LDKは138件で中央値4,980万円、同世代の3LDKは132件で6,780万円。駅徒歩6〜10分帯は668件と最も厚く、中央値5,880万円。徒歩5分以内の6,490万円に対して610万円安い。この「5分を諦めて600万円」のトレードを納得できるかが、北区での予算設計の分かれ目になる。

最後に一つ、データの限界も正直に書いておく。今回の観測期間では掲載終了が0件で、物件がどれくらいの期間で掲載から消えるかの日数は算出できていない。つまり「何日で動くか」はまだ分からない。ただし、4,000〜4,500万円帯に167件、6,500〜7,000万円帯に103件が同時に並んでいる状態では、条件に合う1件を手作業で毎日チェックし続けるのは現実的ではない。13サイトを横断して、価格改定や新着を機械に拾わせる——当サービスの集計がそもそもその仕組みから生まれているのも、同じ理由からだ。

よくある質問(当サービス集計での回答)

Q1. 東京都北区の中古マンションの中古相場はいくら?

当サービスの集計では、13サイトから収集した1,383件(2026年9月7日〜10月7日)の価格中央値は5,980万円、平均は6,381万円、㎡単価中央値は102.7万円/㎡でした。下位の目安(第1四分位)は4,100万円、上位の目安(第3四分位)は7,999万円で、最安層の下位5%ラインは2,000万円、上位5%ラインは1億1,900万円です。なお外部データでは北区の売却相場中央値は4,680万円(2025年4月時点、出典: SUUMO)とされており、本集計は売出時点の表示価格である点に差があります。

Q2. いまは買い時?

当サービスの集計だけで買い時を断定することはできませんが、判断材料は二つあります。一つは地価で、2026年の基準地価は北区平均で前年比+14.32%の上昇、赤羽駅周辺も+10.23%の上昇(出典: 土地代データ)と強含みです。もう一つは人口で、2026年9月1日時点の総人口は369,864人、前月比で303人減と足踏みしています(出典: 北区公式サイト)。地価の上昇は売出価格の上振れ要因、人口の鈍化は中長期の需要面の注意点と読めます。本集計で価格帯ごとの厚みを追いながら、自分の予算帯の在庫がどう動くかを継続観測するのが現実的です。

Q3. 旧耐震物件の流通量はどれくらい?

当サービスが収集した1,383件のうち、旧耐震(1981年6月の新耐震基準施行より前)に該当するのは222件、16.1%でした。価格中央値は3,790万円、㎡単価は75.27万円/㎡、中央専有面積は50.33㎡、中央築年は1975年です。新耐震世代(1981〜1999年)の4,600万円と比べると810万円安い計算になります。ただし住宅ローンの融資年数が短縮されやすい、地震保険の耐震割引が使えないといった制約があるため、総額の安さがそのまま負担の軽さにはつながりません。

Q4. ㎡単価が高くなるのはどんな条件?

当サービスの集計では、築年が新しいほど㎡単価が上がり、1980年以前が75.27万円/㎡、2000〜2009年が115.67万円/㎡、2010〜2019年が145.79万円/㎡、2020年以降が155.72万円/㎡と階段状に上昇します。間取りではコンパクト住戸が高く、1LDKが134.02万円/㎡で3LDKの104.56万円/㎡を上回ります。町丁別では上十条が157.7万円/㎡と突出し、田端新町が129.7万円/㎡。逆に東十条は83.51万円/㎡、赤羽西は84.6万円/㎡と抑えめです。

Q5. 駅徒歩による価格差はどのくらい?

当サービスの集計では、駅徒歩1〜5分が580件で中央値6,490万円(115.43万円/㎡)、6〜10分が668件で5,880万円(99.64万円/㎡)、11〜15分が87件で4,480万円(85.5万円/㎡)でした。5分以内と11〜15分の総額差は2,010万円、㎡単価では約+29.9万円/㎡の差になります。16〜20分(14件)と21分以上(17件)はサンプルが少なめで、傾向として見る程度にとどめるのが妥当です。

Q6. 同じ「十条」でも上十条と東十条で価格が大きく違うのはなぜ?

当サービスの集計では、上十条57件の中央値が9,970万円(157.7万円/㎡、中央築年2023年)、東十条64件が4,315万円(83.51万円/㎡、中央築年1988年)で、㎡単価の差は+74.2万円/㎡です。最大の要因は築年構成で、上十条側に築浅物件の掲載が集中していることが中央値を押し上げていると推測されます(築年の中央値が35年開いていることがその根拠です)。町名だけで判断せず、築年・駅距離・面積を揃えて比較することが重要です。

Q7. 狙いの条件で東京都北区の中古マンションの新着を毎日追うには?

当サービスの集計はLINEベースの新着監視サービス「物件ウォッチ」の実稼働データから生成しています。LINEで友だち追加して「東京都北区 マンション」と送るだけで監視が始まり、本レポートと同じ13サイト(athome、センチュリー21、大京穴吹不動産、大和ハウス、長谷工の仲介、HOME4U、LIFULL HOMES、東急リバブル、ノムコム、ピタットハウス、三井のリハウス、住友ステップ、SUUMO)を15分間隔で自動巡回し、新着・価格変動・掲載終了を通知します。予算・築年・面積・駅徒歩などの複合条件で絞り込み可能。無料プラン(24時間遅延・1監視)があり、リアルタイム通知やAI分析を含む有料プランは月額980円からです。

2026年10月のハイライトと注意点

今月、当サービスが13サイトから収集した1,383件で最も印象的だったのは、築年帯の「階段」の鋭さだ。1980年以前3,790万円、1981〜1999年4,600万円、2000〜2009年6,980万円、2010〜2019年8,800万円——新耐震の境界では810万円の段差にとどまるのに、品確法の境界(2000年)では2,380万円も跳ねる。耐震性より、設備水準と専有面積の世代差が価格を決めている、と読めるデータだ。もう一つは2020年以降の逆転現象で、中央値は8,680万円と2010年代を下回るのに、㎡単価は155.72万円/㎡で+9.93万円/㎡上回る。住戸を小さくして総額を据え置く設計が広がっているとみられる。なお本集計の数字は売出時点の表示価格であって成約価格ではなく、同じ物件が複数サイトに掲載されている場合はそれぞれ1件として数えている点にご留意いただきたい。

本レポートは、物件ウォッチが 13サイト(athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)から自動収集した掲載データ 1383件(2026-09-07 〜 2026-10-07)を集計した分析です。日本の不動産市場全体の動向を示すものではなく、掲載データからは売買の成約は分かりません。物件の購入判断は必ずご自身の調査と専門家への相談のうえで行ってください。次回の更新は来月初旬を予定しています。

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※ この記事のデータは物件ウォッチがathome・センチュリー21・大京穴吹不動産・大和ハウス・長谷工の仲介・HOME4U・LIFULL HOMES・東急リバブルなど13サイトを横断して収集した2026年10月8日時点の情報です。実際の価格・在庫は各サイトにてご確認ください。現在掲載中の注目物件20件は 東京都北区 中古マンションの注目物件一覧 から確認できます。