2000年の壁で4,192万円差、神奈川区マンションの築年断層 | 神奈川県横浜市神奈川区 中古マンション 中古相場分析【2026年10月版】— 725件集計
同じ区内の中古マンションで、ある町丁の中央値が1億3,980万円、別の町丁が2,280万円。これは異なる都市の比較ではなく、どちらも横浜市神奈川区の数字だ。物件ウォッチが11サイトから収集した2026年9月9日〜10月9日の中古マンション725件を集計すると、価格中央値は5,199万円、㎡単価中央値は82.8万円/㎡。だが「中央値」の一語でこのエリアを語るのは、ほぼ不可能に近い。築年・駅距離・町丁という3本の軸が、価格を容赦なく引き裂いている。当サービス集計のデータから、その断面を見ていく。
市場サマリー
神奈川県横浜市神奈川区 中古マンションの新着を見逃さない
今月の注目: 新耐震以降のRC造, 駅徒歩10分以内, 4,000万円台まで
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📝 本稿の読み方
- 分析対象: 11サイト(センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 住友ステップ, SUUMO)の掲載データ 725件、期間 2026-09-09 〜 2026-10-09
- 集計方法: 期間中に各サイトに掲載されていた物件を集計しています。価格変更などで同じ物件が再掲載された場合は、URLでまとめて1件として扱っています。
- 観測期間が短いため、新着・掲載終了の件数比較は参考程度にご覧ください
- 表示価格は売出時点の価格で、実際に成約した価格ではありません
- 同じ物件が複数サイトに掲載されている場合は、それぞれを1件として数えています
- 週次レポートとは数字が一致しません: 本月次レポートは直近30日間に掲載が確認できた物件を期間全体で集計します(複数サイトに掲載された物件は各サイトで1件ずつ、同一サイト内の再掲載はURLでまとめて1件)。週次レポートは週末時点に掲載中だった物件だけを切り取る断面集計のため、重複の数え方・集計窓・時点の取り方が異なり、件数や中央値は月次と週次で一致しないのが正常です
TL;DR / 今月の要点
- 当サービスが11サイトから収集した725件の価格中央値は5,199万円、平均は6,351万円。高値の裾を引いた分布で、最小値440万円〜最大5億2,000万円まで開く
- 築年の断層が鮮明。1981〜1999年(新耐震)の中央値3,298万円に対し、2000〜2009年(品確法)は7,490万円で4,192万円上回る
- 2020年以降の83件は中央値1億280万円。面積中央値は55.48㎡と最も小ぶりなのに価格は最上位という逆転
- 町丁別では鶴屋町(57件)1億3,980万円、栄町(44件)1億2,480万円に対し、神大寺(41件)は2,280万円。同一区内で約6倍の開き
- 駅徒歩1〜5分(269件)6,180万円 → 6〜10分(297件)4,980万円 → 11〜15分(115件)3,680万円と、5分刻みで約1,200〜1,500万円ずつ下がる
- 旧耐震(1981年6月より前)は725件中78件で10.8%。再建築不可・借地権・告知事項の表示は本集計では0件
- 下位10%の境界は1,790万円(中央築1983年・26㎡・徒歩8分)、上位10%の境界は1億2,500万円(中央築2008年・69.89㎡・徒歩6分)
📊 今月の主要数値(当サービス集計)
- 価格中央値: 5,199万円
- ㎡単価中央値: 82.8万円/㎡
- 集計件数: 725件(11サイト)
神奈川県横浜市神奈川区 中古マンションの中古市場の輪郭(当サービス集計)
725件はどこから来たか
当サービスが11サイトを巡回して集めた今回の母数は725件。内訳はLIFULL HOMES174件、SUUMO168件、HOME4U122件、東急リバブル108件が四本柱で、ここまでで全体の約8割を占める。以下、ノムコム43件、ピタットハウス38件、センチュリー21が23件、長谷工の仲介17件、大京穴吹不動産15件、住友ステップ11件、大和ハウス6件と続く。
面白いのは、サイトごとに「見える景色」がまるで違うことだ。センチュリー21の中央値は2,280万円(中央築1986年・50.85㎡)、一方で大京穴吹不動産は6,798万円(中央築2004年)、ノムコムは6,998万円。同じ区を扱っていても、扱う築年と広さの帯が違えば中央値は3倍動く。1サイトだけを眺めて「このエリアの相場感」を掴んだ気になるのが危険だ、というのが本集計から読める実務的な教訓である。
価格はどこに溜まっているか
価格が判明した712件で、中央値は5,199万円、平均は6,351万円。平均が中央値を1,000万円以上上回るのは、高値の裾を長く引いた分布だからだ。最小値は440万円、最大値は5億2,000万円。下位5%ラインは1,250万円、上位5%ラインは1億4,500万円で、安めの4分の1が2,798万円以下、高めの4分の1が7,780万円以上という構図になる。㎡単価中央値は82.8万円/㎡。
500万円刻みの分布を見ると、最も厚いのは4,000〜4,500万円の68件。そこから6,000〜6,500万円54件、2,000〜2,500万円52件、2,500〜3,000万円51件、6,500〜7,000万円49件と、山が複数ある。ひとつの相場に収束せず、「2,000万円台の古めの実需帯」「4,000万円台の中核帯」「6,000万円台後半の築浅・駅近帯」が併存している、と読むのが素直だろう。
掲載の動き
観測期間中の掲載開始・掲載終了の件数は、当サービスの巡回サイクルの影響が入るため今回は参考扱いとする。掲載終了の記録が取れておらず、掲載がどれだけ続くかの日数は本集計では算出できていない点も先に断っておきたい。
築年帯別の相場と価格の断層
横浜市神奈川区の中古マンションには、はっきりとした築年の断層がある。しかもそれは、なだらかな坂ではなく、階段の踊り場が一段抜け落ちたような段差だ。当サービスが収集した725件のうち築年が判別できた712件を5つの帯に分けると、次のようになる。
築年帯ごとの中央価格
| 築年帯 | 件数 | 中央価格 | 中央築年 | 中央面積 |
|---|---|---|---|---|
| 1980年以前(旧耐震) | 78件 | 2,599万円 | 1973年 | 61.93㎡ |
| 1981〜1999年(新耐震) | 297件 | 3,298万円 | 1989年 | 59.56㎡ |
| 2000〜2009年(品確法) | 216件 | 7,490万円 | 2004年 | 76.13㎡ |
| 2010〜2019年 | 38件 | 6,750万円 | 2013年 | 66.73㎡ |
| 2020年以降 | 83件 | 1億280万円 | 2023年 | 55.48㎡ |
目を引くのは2000年の壁だ。1981〜1999年の3,298万円から2000〜2009年の7,490万円へ、中央値は4,192万円上回る。帯の境界をひとつまたぐだけで価格が2倍を超えるのは、他の境界には見られない跳ね方である。
境界線で何が起きているか
1981年6月施行の新耐震基準の前後では、旧耐震2,599万円に対し新耐震世代が3,298万円で、差は699万円にとどまる。意外に小さい。むしろ効いているのは、2000年4月施行の品確法(住宅の品質確保促進法、10年瑕疵保証の義務化)以降の世代だ。ただしこの4,192万円差を全部「法制度のおかげ」と読むのは早計で、2000〜2009年の帯は面積中央値76.13㎡と最も広い。広さの違いが価格差を膨らませている、というのが本集計から見える現実的な説明だろう。
築年と間取りを重ねるとさらに立体的になる。1981〜1999年の3LDK(77件)が3,190万円なのに対し、2000〜2009年の3LDK(94件)は7,290万円。同じ3LDKで4,100万円の開きだ。逆に2000〜2009年の2DK/2LDK(50件)は1億2,890万円と同帯の3LDKを大きく上回っており、仮説として、横浜駅至近の大型・高層物件のコンパクト住戸がこの区分に集まっている可能性がある(確証はない)。
2020年以降の83件は中央値1億280万円。面積中央値55.48㎡と最も小ぶりなのに価格は最上位という、きれいな逆転が起きている。構造が判明した分では、2020年以降のRC造10件が1億580万円、2000〜2009年のRC造31件が7,498万円。築浅ほど高いという素直な序列だ。
旧耐震の78件をどう見るか
旧耐震に該当するのは725件中78件、比率にして10.8%。中央築年は1973年で、中央価格2,599万円、中央面積61.93㎡。価格だけ見れば確かに割安だが、1981年6月より前の建築確認は住宅ローンの融資年数が短く設定されやすく、金融機関によっては審査自体が厳しくなる。地震保険料の区分や、住宅ローン控除・各種税制優遇の要件面でも不利になりやすい。現金比率を上げられる買い手、あるいは管理組合の修繕履歴まで読み込める買い手に向いた領域だ、というのが当サービス集計を眺めた率直な印象である。
間取り・構造別の相場
3LDKの中央値は5,935万円、2DK/2LDKは6,299万円。広いほうが安い——この一見さかさまな関係が、当サービスが収集した725件の間取り分析の出発点になる。
主要間取りの顔ぶれ
| 間取り | 件数 | 中央価格 | 中央面積 | 中央築年 |
|---|---|---|---|---|
| 1R | 7件 | 1,030万円 | 19.57㎡ | 1989年 |
| 1K/1DK | 8件 | 830万円 | 16.87㎡ | 1991年 |
| 1LDK | 47件 | 4,780万円 | 49.02㎡ | 2002年 |
| 2DK/2LDK | 218件 | 6,299万円 | 59.04㎡ | 1997年 |
| 3LDK | 232件 | 5,935万円 | 70.80㎡ | 2001年 |
| 4LDK以上 | 25件 | 7,498万円 | 84.42㎡ | 2004年 |
中核は3LDK232件と2DK/2LDK218件で、この2つで本集計の主要部分を構成する。2DK/2LDKが3LDKを364万円上回る逆転は、2DK/2LDKの価格の散らばりの大きさに由来している。安めの4分の1が3,684万円、高めの4分の1が1億1,785万円と、同じ括りの中に古い2DKと高層物件の広めの2LDKが同居しているからだ。平たく言えば「2LDK」という表示だけで予算感を決められない。
1R7件・1K/1DK8件は少数サンプルなので参考値として見るにとどめたいが、中央値1,030万円・830万円という水準は、下位10%層(境界1,790万円、中央面積26㎡)の顔ぶれと整合する。4LDK以上25件は7,498万円で、安めの4分の1でも7,298万円。サンプルは少なめなので傾向として見る程度だが、価格の下方硬直性が強い帯に見える。
構造別の相場
構造が明記されていたのは122件と限定的で、ここは全体像ではなく部分像として扱いたい。内訳はRC造96件が中央値4,930万円(中央築1998年・65.13㎡)、SRC造25件が3,990万円(中央築1985年・56.48㎡)。鉄骨造は1件のみで集計から外している。
SRC造のほうが安く出ているのは構造の優劣ではなく、中央築年が13年古いことの反映と読むのが自然だ。実際、同じ1981〜1999年帯で見るとRC造36件が2,690万円、SRC造21件が3,990万円でSRC造のほうが高い。一般論として、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造は高層・大スパンに向き、鉄筋コンクリート(RC)造は中層以下で主流。遮音性はどちらも木造より優位だが、実際の静けさは構造種別より床スラブ厚や二重床・二重天井の仕様で決まる部分が大きい。内見では構造名より仕様表を見たい。
高額帯の正体とランニングコスト
2020年以降の83件(中央1億280万円・55.48㎡)と、鶴屋町・栄町・橋本町といった横浜駅寄りの町丁の数字が重なることから、本集計の高額帯は横浜駅至近の高層・築浅物件が牽引していると読める。ただし具体的なブランド名や修繕積立金・管理費の典型レンジは、エリア概要側に確認できる公開情報がなく、本記事では未確認とする。高額帯ほど共用施設が充実し、管理費・修繕積立金の月額負担も重くなる傾向があるのは一般論だが、神奈川区固有の水準は当サービスの収集データからは算出していない。購入検討時は物件ごとの長期修繕計画と積立金の値上げ予定を個別に確認してほしい。
立地軸でみる相場(駅徒歩・エリア内の偏り)
駅から5分遠くなるごとに、いくら安くなるのか。当サービスが収集した725件のうち徒歩分数が取れた711件を帯で割ると、その答えは驚くほど整然としている。
徒歩1〜5分が269件で中央値6,180万円(中央築2002年・63.45㎡)。6〜10分が297件で4,980万円(中央築1994年・63.79㎡)。11〜15分が115件で3,680万円(中央築1995年・65.14㎡)。5分刻みで1,200万円、1,300万円と階段状に落ちていく。16〜20分の21件は2,599万円だが、サンプルが少なめなので傾向として見る程度。21分以上の9件(中央値1,390万円・中央築1971年)は少数の参考値だ。
注目したいのは、面積中央値が帯によってほとんど変わらないこと(63〜65㎡でほぼ横ばい)。つまり徒歩帯の価格差は「広さの違い」ではなく、立地と築年の違いがほぼそのまま出ている。徒歩1〜5分帯の中央築年が2002年、6〜10分帯が1994年という8年の差も効いているはずだ。駅近=築浅という組み合わせがこのエリアでは強い、と読める。
町丁で6倍の開き
さらに強烈なのが町丁別だ。本集計で件数の多い順に並べると、鶴屋町57件が中央値1億3,980万円(中央築2023年・55.48㎡)、栄町44件が1億2,480万円(中央築2002年・74.62㎡)で突出する。横浜駅に隣接するこの2つが、区全体の中央値5,199万円を大きく引き上げている構造がはっきり見える。
対極にあるのが神大寺41件の2,280万円(中央築1990年・62.10㎡)と、沢渡18件の2,599万円(中央築1969年・72.62㎡、サンプル少なめのため傾向として)。鶴屋町と神大寺では中央値に約6倍の開きがある。同じ区の中に、1億円超の築浅と2,000万円台の昭和築が並存しているわけだ。
中間帯も厚い。子安通42件が4,298万円、六角橋36件が4,480万円、大口通33件が5,998万円、松見町32件が3,935万円(中央築1981年)、羽沢南32件が6,780万円(中央築2023年)、橋本町26件が9,999万円(サンプルが少なめなので参考に)。羽沢南が築浅中心で6,000万円台後半に位置しているのは、本集計で見た中で最もバランスの取れた帯に映る。
エリア概要によれば、神奈川区は東海道の「神奈川宿」に由来し、横浜駅に隣接する住宅地と臨海部の工業地域が混在する区とされる。駅勢圏ごとの性格差がそのまま価格に出ているのは、この成り立ちと無関係ではないだろう(解釈であり、裏付けデータは未確認)。
リスク要素と注意ポイント
価格の話ばかりしてきたが、買い手にとって本当に効いてくるのは「買えるか」「借りられるか」のほうだ。当サービスが収集した725件について、掲載情報から読み取れるリスク要素の比率を見ていく。
最大の論点は旧耐震物件の比率である。1981年6月の新耐震基準より前に建てられたと判定できるのは78件、全体の10.8%。10件に1件強という計算だ。中央築年は1973年で、中央価格2,599万円、中央面積61.93㎡。本集計の中央値5,199万円の半分で、同じくらいの広さが手に入る計算になる。
ただしこの割安には理由がある。旧耐震は住宅ローンの融資期間が短く設定されやすく、金融機関によっては借入可能額そのものが絞られる。フラット35を使う場合は耐震評価基準への適合確認が必要になり、適合証明が取れない物件では住宅ローン控除の要件も満たしにくい。地震保険料の割引区分でも不利だ。結果として、買える層が現金比率の高い層に限られ、出口で買い手を探しにくくなる。価格差の一部は、この「流動性の割引」と読むのが実務的だろう。
一方、再建築不可・借地権・告知事項(事故物件等)に該当する掲載は、本集計では0件だった。これは「このエリアに存在しない」という意味ではなく、収集した11サイトの掲載テキストから該当表示を検出できなかった、という意味である点に注意したい。借地権や告知事項は物件概要の末尾や備考に小さく書かれることが多く、現地確認と重要事項説明で初めて判明するケースもある。ゼロという数字を安心材料にしてはいけない。
ハザードと規制で確認しておきたいこと
エリア概要では、神奈川区は臨海部・低地部を含む区であり、浸水想定区域の確認が重要になりうると整理されている。ただし区内の具体的な浸水深・液状化リスク・用途地域構成・高度地区の指定内容については、参照できる公開情報が未確認のため、本記事では数値を示さない。購入検討にあたっては横浜市のハザードマップと都市計画情報を物件所在地単位で必ず当たってほしい。公示地価・路線価の区内代表値も今回は未確認であり、当サービスの掲載価格集計とは別物として扱っている。
もうひとつ、本集計特有の注意点を。表示価格は掲載時点の売出価格であって、実際に取引が成立した価格ではない。価格改定が入れば数字は動く。同じ物件が複数サイトに載っている場合はそれぞれ1件として数えているため、件数は実在する住戸数そのものではない。この2点を頭に入れたうえで、各帯の中央値を「目安の物差し」として使うのが正しい距離感だと思う。
データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」
安い71件と高い71件。同じ区の同じ月のデータなのに、この2つのグループはまるで別の商品カテゴリに見える。
当サービスが収集した725件のうち、価格の下位10%にあたる71件は境界価格が1,790万円。中央築年1983年、中央面積26㎡、駅徒歩中央値8分。注目すべきは、駅から遠いから安いのではないという点だ。徒歩8分は全体の中位に近い。安さの正体は「狭さ」と「築年」である。26㎡というサイズ感は、実需のファミリー向けというより単身者向け、あるいは賃貸運用を前提とした買い方が合う。本集計では利回りデータを算出できていないため収益性の判断材料は示せないが、取得価格を抑えて現金で入りたい層にとっては、この帯が現実的な入口になる。
対する上位10%の71件は、境界価格が1億2,500万円。中央築年2008年、中央面積69.89㎡、駅徒歩中央値6分。下位層と比べると築年で25年、面積で約44㎡、駅距離で2分の違いしかない。たった2分の差と25年の差で、価格は7倍になる。町丁別で見た鶴屋町(中央1億3,980万円)、栄町(1億2,480万円)、橋本町(9,999万円・参考値)あたりが、この上位層の中身を構成していると読める。
狙い目はどこか
編集部として面白いと思うのは、この両極の「あいだ」だ。4,000〜4,500万円のゾーンは68件で本集計の最多ビン。駅徒歩6〜10分帯の中央値4,980万円、子安通4,298万円、六角橋4,480万円といった数字もここに重なる。1981〜1999年の新耐震世代(297件・中央値3,298万円)で、徒歩10分以内、RC造——この条件の組み合わせは、旧耐震のローン制約を避けつつ、2000年以降の4,192万円上回る価格帯には手を出さない、という現実的な折衷案になる。
ただし、厄介なのはこの帯がいちばん競争が激しいであろうことだ。今回の観測では掲載終了の記録が取れず、1件あたりの掲載継続日数は算出できていない。つまり「どれくらいの速さで消えるか」は本集計からは言えない。言えるのは、11サイトに散らばった725件の中から、価格帯・築年・徒歩分数の3条件を満たす数十件を手作業で毎日拾い直すのは、現実的な作業量ではないということだ。条件を決めたら、あとは差分を機械に見張らせる。それが、この分布を見たあとの合理的な結論だと思う。
よくある質問(当サービス集計での回答)
Q1. 横浜市神奈川区の中古マンションの相場はいくらですか?
当サービスが11サイトから収集した2026年9月9日〜10月9日の725件(価格判明712件)では、中央値5,199万円、平均6,351万円です。安めの4分の1が2,798万円以下、高めの4分の1が7,780万円以上、最小440万円〜最大5億2,000万円と幅は非常に広く、㎡単価中央値は82.8万円/㎡でした。町丁や築年で数字が大きく動くため、単一の中央値ではなく条件を絞った帯で見ることをおすすめします。
Q2. いまは買い時ですか?
当サービスの集計は1カ月分の掲載データであり、売出価格の記録です。成約価格の推移や前月比の変化を含まないため、「買い時」の断定はできません。ただし本集計から言えるのは、価格が4,000〜4,500万円(68件)、6,000〜6,500万円(54件)、2,000〜3,000万円台(103件)と複数の山に分かれていること。自分の予算帯にどれだけの選択肢があるかを先に把握し、その帯で新着が出たときに即動ける準備をしておくほうが、時期を読むより実践的です。
Q3. 旧耐震物件はどれくらい流通していますか?
当サービスの集計では、1981年6月の新耐震基準より前に建てられた旧耐震物件は725件中78件、10.8%でした。中央築年1973年、中央価格2,599万円、中央面積61.93㎡で、本集計全体の中央値5,199万円の半額程度。ただし住宅ローンの融資年数が短くなりやすく、フラット35利用時は耐震評価基準への適合確認が必要になるなど、資金計画上のハードルがある点は押さえておきたいところです。
Q4. ㎡単価が高くなる条件は何ですか?
本サービス集計で見るかぎり、効いているのは築年と町丁です。築年帯別の中央価格は2020年以降(83件)が1億280万円で、面積中央値55.48㎡と最も小ぶりなのに最高値。町丁別では鶴屋町(57件・中央築2023年)が1億3,980万円、栄町(44件)が1億2,480万円と横浜駅寄りが突出しています。逆に神大寺(41件)は2,280万円。全体の㎡単価中央値は82.8万円/㎡ですが、築浅×横浜駅至近の組み合わせがこの水準を大きく引き上げている構造です。
Q5. 駅からの距離で価格はどれくらい違いますか?
当サービスが収集した725件のうち徒歩分数が取れた711件では、徒歩1〜5分(269件)が中央値6,180万円、6〜10分(297件)が4,980万円、11〜15分(115件)が3,680万円。5分刻みで1,200〜1,300万円ずつ下がります。各帯の面積中央値は63〜65㎡とほぼ同じなので、この差は広さではなく立地と築年の差です。徒歩16〜20分(21件)は2,599万円ですが、サンプルが少なめなので傾向として見る程度にしてください。
Q6. 鶴屋町や栄町と、神大寺や沢渡でなぜこれほど価格差があるのですか?
本集計の数字で見ると、鶴屋町(57件)の中央築年は2023年、神大寺(41件)は1990年、沢渡(18件・参考値)は1969年。築年の違いがまず大きく、そこに横浜駅への近接性が重なっています。中央値は鶴屋町1億3,980万円に対し神大寺2,280万円で約6倍。エリア概要では神奈川区は横浜駅隣接の住宅地と内陸の住宅地、臨海部の工業地域が混在する区とされており、その構造が価格差に反映されていると解釈できますが、個別の要因分解までは当サービスのデータでは検証していません。
Q7. 狙いの条件で横浜市神奈川区の中古マンション新着を毎日追うには?
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2026年10月のハイライトと注意点
今月の当サービス集計で最も象徴的だったのは、2020年以降の83件が「最も狭くて最も高い」という事実だ。面積中央値55.48㎡は5つの築年帯で最小。にもかかわらず中央値は1億280万円と最高値で、2010〜2019年の6,750万円を3,530万円上回る。広さを削って立地と新しさを買う——横浜駅至近の鶴屋町(57件・中央築2023年・1億3,980万円)がこの帯の中身を代表していると読める。
一方で、同じ725件の中に下位10%層(境界1,790万円・中央26㎡・築1983年)が71件同居している。ひとつの区を語るのに中央値5,199万円という一語では足りない理由がここにある。
最後に2点だけ。本集計の価格は掲載時点の売出価格であって、取引が成立した価格ではない。また同一物件が複数サイトに掲載されている場合は別々に数えているため、725という件数は実在する住戸数とは一致しない。数字は「物差し」として使うのが正しい。
本レポートは、物件ウォッチが 11サイト(センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 住友ステップ, SUUMO)から自動収集した掲載データ 725件(2026-09-09 〜 2026-10-09)を集計した分析です。日本の不動産市場全体の動向を示すものではなく、掲載データからは売買の成約は分かりません。物件の購入判断は必ずご自身の調査と専門家への相談のうえで行ってください。次回の更新は来月初旬を予定しています。
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