築40年で800万円、築10年で3,699万円——横須賀戸建て785件の断層 | 神奈川県横須賀市 中古戸建て 中古相場分析【2026年8月版】— 785件集計
同じ市内の戸建てで、片や125万円、片や4億5,000万円。横須賀市の中古戸建てはこれほどまでに幅が広い。当サービスが12サイトから自動収集した785件(対象期間2026年7月30日〜8月29日)を集計すると、価格中央値は2,790万円、㎡単価中央値は24.1万円/㎡。だがこの「真ん中」の数字だけを見ていると、横須賀の本質は掴めない。築年、地区、そして谷戸地形が生む徒歩分数の意味——数字が語る4つの断層を追った。
市場サマリー
神奈川県横須賀市 中古戸建ての新着を見逃さない
今月の注目: 新耐震以降 3LDK, 駅徒歩6〜15分, 予算2,500〜3,500万円
12サイトを15分間隔で自動チェック。新着が出たらLINEに即通知します。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
📝 本稿の読み方
- 分析対象: 12サイト(athome, センチュリー21, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)の掲載データ 785件、期間 2026-07-30 〜 2026-08-29
- 集計方法: 期間中に各サイトに掲載されていた物件を集計しています。価格変更などで同じ物件が再掲載された場合は、URLでまとめて1件として扱っています。
- 観測期間が短いため、新着・掲載終了の件数比較は参考程度にご覧ください
- 表示価格は売出時点の価格で、実際に成約した価格ではありません
- 同じ物件が複数サイトに掲載されている場合は、それぞれを1件として数えています
- 週次レポートとは数字が一致しません: 本月次レポートは直近30日間に掲載が確認できた物件を期間全体で集計します(複数サイトに掲載された物件は各サイトで1件ずつ、同一サイト内の再掲載はURLでまとめて1件)。週次レポートは週末時点に掲載中だった物件だけを切り取る断面集計のため、重複の数え方・集計窓・時点の取り方が異なり、件数や中央値は月次と週次で一致しないのが正常です
TL;DR / 今月の要点
- 当サービスが12サイトから収集した横須賀市の中古戸建て785件の集計で、価格中央値は2,790万円、平均は3,001万円。平均が中央値を上回るのは高値の裾を引いた分布のため
- 築年帯別の中央値は1980年以前(旧耐震)が800万円、2010〜2019年が3,699万円。同じ市内で4.6倍の開きがあり、これが最大の断層
- ㎡単価中央値は24.1万円/㎡。ただし旧耐震層に限れば9.71万円/㎡で、建物価値がほぼ評価されていない価格帯が厚く存在する
- 本集計での旧耐震(1981年6月以前)比率は126件・16.1%。再建築不可は1件(0.1%)、借地権1件(0.1%)と、権利上の難物件は今回のデータでは限定的
- 駅徒歩6〜10分の中央値3,490万円に対し、徒歩16〜20分は2,298万円。約1,200万円の差が徒歩10分の壁に集中している
- 地区別では公郷町(37件)が中央値3,690万円で最上位、鴨居(26件)が1,680万円。ハイランド47件は3,580万円と安定帯
- 下位10%層(760万円以下・68件)の中央築年は1974年、上位10%層(4,780万円以上・68件)は2012年築・面積156.69㎡。二極化の輪郭がはっきり出ている
📊 今月の主要数値(当サービス集計)
- 価格中央値: 2,790万円
- ㎡単価中央値: 24.1万円/㎡
- 集計件数: 785件(12サイト)
神奈川県横須賀市 中古戸建ての中古市場の輪郭(当サービス集計)
横須賀の中古戸建ては「一つの相場」で語れない。当サービスが12サイトから収集した785件を並べると、そのことが数字で分かる。
785件はどこから集まったか
内訳の中心はSUUMO374件とLIFULL HOMES284件で、この主要2サイトで全体の8割超を占める。以下、athome30件、センチュリー21が25件、三井のリハウス20件、住友ステップ14件、HOME4U11件、東急リバブル10件と続く。興味深いのはサイトごとの中央値の違いだ。athomeの中央値は480万円、三井のリハウスは5,130万円。同じ市内の同じカテゴリでありながら10倍以上の差が出る。これは市場が分裂しているのではなく、各サイトが得意とする価格帯・物件タイプが異なることの反映と読める(推測を含む)。相場を1サイトだけで測るのがいかに危ういか、この数字が物語っている。
価格はどこに集中しているか
価格情報のある684件で見ると、中央値は2,790万円、平均は3,001万円。最安層である下位5%ラインは498万円、上位5%ラインは5,599万円。安めの4分の1のラインが1,580万円、高めの4分の1が3,699万円だ。最小値は125万円、最大値は4億5,000万円と、レンジは実に360倍。分布の歪みを示す数値は8.08と極めて大きく、ごく少数の高額物件が平均を押し上げる「高値の裾を引いた分布」になっている。㎡単価中央値は24.1万円/㎡。500万円刻みのヒストグラムでは3,500〜4,000万円帯が97件で最多、次いで2,500〜3,000万円帯と3,000〜3,500万円帯がともに82件。つまり「2,500〜4,000万円のゾーンに約4割が密集する一方、1,000万円未満も105件ある」という二層構造だ。
掲載の動き
観測期間中の掲載終了は10件。ただし当サービスのスキャン周期の影響で週次の新規掲載数に大きな偏りが出ており、掲載開始・終了の件数比較は参考扱いに留めたい。観測期間が30日と短い点も含め、フローの数字は今回は判断材料にしない。
築年帯別の相場と価格の断層
横須賀市の中古戸建てには、驚くほどはっきりとした築年の断層がある。当サービスの集計では、築年帯がひとつ上がるごとに中央値が階段状に跳ね上がるのだ。
築年帯ごとの中央価格
| 築年帯 | 件数 | 中央値 | 中央築年 | 中央面積 | ㎡単価中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1980年以前(旧耐震) | 126件 | 800万円 | 1972年 | 101.28㎡ | 9.71万円/㎡ |
| 1981〜1999年(新耐震) | 174件 | 1,784万円 | 1990年 | 115.69㎡ | 16.44万円/㎡ |
| 2000〜2009年(品確法) | 71件 | 2,298万円 | 2004年 | 100.04㎡ | 25.49万円/㎡ |
| 2010〜2019年 | 63件 | 3,699万円 | 2014年 | 107.22㎡ | 34.5万円/㎡ |
| 2020年以降(新省エネ基準) | 47件 | 3,480万円 | 2024年 | 101.68㎡ | 30.03万円/㎡ |
最も安い帯と最も高い帯で2,899万円、倍率にして4.6倍。しかも中央面積はどの帯も100〜116㎡とほぼ揃っている。つまり広さの差ではなく、純粋に「建物が何年に建ったか」で価格が決まっている構図だ。
境界線で何が起きているか
新耐震基準(1981年6月施行)の前後を比べると、中央値は800万円→1,784万円で984万円の跳ね上がり。㎡単価では9.71万円/㎡から16.44万円/㎡へと大きく上昇している。この壁は制度上の必然でもある。旧耐震物件は住宅ローンの審査や融資年数で不利になりやすく、買える人が限られる分だけ価格が押し下げられる。
次の節目は品確法(住宅の品質確保促進法、2000年4月施行、10年瑕疵保証の義務化)。1981〜1999年帯の1,784万円から2000〜2009年帯の2,298万円へ、514万円の差。さらに2010年代に入ると3,699万円へと一気に1,401万円上がる。長期優良住宅認定制度(2009年6月施行)以降の世代が本格的に流通し始めた帯であり、断熱・省エネ性能の底上げが価格に織り込まれていると読める。
面白いのは2020年以降の帯が3,480万円と、2010年代よりむしろ219万円低い点だ。中央築年は2024年、中央面積は101.68㎡で2010年代より5.5㎡ほど小さい。仮説として、直近の新築系は敷地区画がコンパクト化しており、それが総額を抑えていると解釈できるかもしれない(確証なし)。
築年帯と間取りを重ね合わせると、さらに輪郭が出る。旧耐震帯の3LDKは中央値789万円、4LDK以上でも1,270万円。一方2010年代の4LDK以上は3,699万円、2020年以降の3LDKは3,780万円。同じ4LDK以上でも築年で2,429万円の差がつく。
旧耐震の比率と、その意味
本集計でのリスク要素の比率を見ると、旧耐震は126件・16.1%。785件のうち6件に1件がこの区分にあたる。エリアプロフィールでも1958年築や1977年築の物件が現役で流通していることが確認されており、築古在庫の厚さは横須賀の構造的な特徴と言ってよい。
実務面では三つ影響が出る。まず住宅ローン——旧耐震は融資期間が短くなったり、そもそも取扱いが限られたりする。次に地震保険——耐震等級による割引が使えず保険料が高止まりしやすい。そして税制——住宅ローン控除など各種特例の適用には耐震基準適合証明などの手当てが必要になる場面がある。逆に言えば、これらのハードルを現金購入やリノベ前提で越えられる買い手にとっては、中央値800万円という水準は他の帯にはない土俵だ。
構造・面積別の相場
横須賀の戸建て中央値は2,790万円。だが間取りをひとつ動かすだけで、この数字は数百万円単位で動く。
構造別の相場
正直に言えば、構造の内訳は今回のデータでは薄い。当サービスが収集した785件のうち構造が明記されていたのはごく一部で、木造1件(3,498万円、113.79㎡)、鉄骨造2件(中央値2,480万円、中央面積207.305㎡)、RC造1件(980万円、1976年築、351.96㎡)。いずれも少数の参考値であり、構造ごとの相場として一般化はできない。
それでも構造の話を飛ばすわけにはいかない。戸建ての大半は木造で、法定耐用年数は22年。これを超えた物件は金融機関の担保評価で建物部分がほぼゼロと見なされやすく、融資年数が土地の評価に引っ張られる。本集計で旧耐震帯の㎡単価中央値が9.71万円/㎡と他帯の半分以下に沈んでいるのは、この「建物が値付けから消える」現象の表れと読める。木造は10〜15年周期の外壁・屋根の再塗装、20〜30年での設備更新が前提になるため、購入価格の安さだけで判断すると総コストで逆転しうる。参考値のRC造が351.96㎡という大型物件で980万円という値付けになっているのも、維持コストの重さが価格に反映された結果と解釈できるかもしれない(確証なし)。
主要面積帯の顔ぶれ
間取り別では4LDK以上が246件で最多、中央値3,280万円、中央面積123.04㎡、㎡単価23.9万円/㎡。次いで3LDKが150件、中央値2,985万円、105.99㎡、27.78万円/㎡。この2区分で全体の大半を占める。
注目したいのは、総額では4LDK以上が295万円高いのに、㎡単価では3LDKのほうが上回っている点だ。広くなるほど1㎡あたりは割安になる——ボリュームディスカウントが効いている。横須賀のように土地に余裕のあるエリアでは、面積を足すコストが都心部ほど高くつかないためと見える。
2DK/2LDKは24件、中央値2,785万円で中央築年2007年。サンプルが少なめなので傾向として見る程度だが、㎡単価28.98万円/㎡と3LDKより高いのは、比較的築浅の物件に偏っているためだろう。1LDKは2件のみで参考にならない。
エリアプロフィールに掲載された土地面積の実例を見ると、約55㎡(新築コンパクト区画)から235.71㎡まで幅があり、坪換算で17坪〜71坪程度(出典: 三井のリハウス)。本集計の中央面積が概ね100〜123㎡(建物)である点と合わせると、「土地50〜70坪・建物30〜37坪」あたりが横須賀の標準的な戸建て像と言える。
リノベ前提か、即入居か
この差が最も露骨に出るのが価格だ。エリアプロフィールでは、1958年築・33.05㎡・未改装とみられる池上5丁目の物件が400万円で流通していた例が確認されている(出典: athome)。一方、2025年3月築の秋谷1丁目の物件は8,900万円(出典: 三井のリハウス)。同じ「横須賀市の中古戸建て」でありながら22倍以上の開きだ。
当サービスの集計でこれを裏づけるのが、下位10%層と上位10%層の顔ぶれである。下位10%(760万円以下・68件)の中央築年は1974年、中央面積77.73㎡、駅徒歩の中央値15分。上位10%(4,780万円以上・68件)は中央築年2012年、156.69㎡、駅徒歩10分。築38年差、面積は約2倍、駅からは5分近い。
リノベ前提で買うなら、旧耐震帯の中央値800万円に対して耐震補強・断熱改修・設備更新でいくら積むかが勝負になる。逆に即入居を求めるなら2010年代帯の3,699万円がひとつの基準線だ。この2,899万円の差をリフォーム予算で埋められるかどうか——横須賀の中古戸建て選びは、実質この問いに集約される。
立地軸でみる相場(駅徒歩・エリア内の偏り)
意外な数字がある。当サービスが収集した785件を駅徒歩帯で切ると、駅に一番近い層が最も高いわけではないのだ。
徒歩1〜5分(30件)の中央値は2,930万円、㎡単価27.2万円/㎡。ところが徒歩6〜10分(96件)は3,490万円、29.64万円/㎡と、価格でも㎡単価でも徒歩1〜5分を上回っている。さらに徒歩11〜15分(115件)が3,290万円、28.85万円/㎡。三つの帯がほぼ横並びで、むしろ徒歩6〜15分がボリュームゾーンかつ高値帯になっている。
価格が明確に落ちるのは徒歩16分から。徒歩16〜20分(81件)は中央値2,298万円、㎡単価20.31万円/㎡、徒歩21分以上(43件)は2,780万円、19.16万円/㎡。徒歩6〜10分との差は㎡単価で約9万円/㎡下回る水準だ。
なぜ駅前が最高値にならないのか。仮説として、横須賀は谷戸地形(丘陵と入り江が入り組む地形)が特徴で、駅至近には狭小地や斜面地、旧市街の古い区画が多く、逆に徒歩6〜15分の丘陵住宅地に区画の整った戸建てが集中している——という構図が考えられる(確証なし)。実際、徒歩1〜5分帯の中央築年は1999年、徒歩6〜10分帯は1990年と、築年で説明しきれる差でもない。
地区別の偏りはさらに雄弁だ。本集計で件数が多い順に見ると、ハイランド47件が中央値3,580万円・㎡単価33.29万円/㎡、公郷町37件が3,690万円・33.87万円/㎡。この二つが高値帯の双璧だ。一方、長井31件は2,180万円・18.88万円/㎡、太田和29件は1,990万円・17.68万円/㎡(サンプルが少なめなので傾向として見る程度)。鴨居26件は1,680万円・16.44万円/㎡、二葉24件は1,589万円・19.06万円/㎡と、市内でも明確に価格帯が分かれている。
中間層としては森崎29件が3,490万円(中央築年2009年と築浅寄り)、平作28件が3,398万円、浦上台24件が3,680万円、野比28件が2,298万円。浦上台についてはエリアプロフィールでも公示地価の住宅地標準地として浦上台3丁目が10万6,000円/㎡(浦賀駅720m)と記録されている(出典: 住友不動産販売)。
編集者の目で見て興味深いのは、公郷町の四分位が1,997.5万円〜3,880万円と幅広い一方、平作は3,335万円〜3,499万円とほぼ一本値に近いこと。同じ市内でも「地区内の均質性」が大きく違う。均質な地区は相場が読みやすく、幅広い地区は掘り出し物と割高物件が同居している——探す側の戦術が変わるポイントだ。
リスク要素と注意ポイント
数字だけ見れば、横須賀の中古戸建てに「地雷」は少ない。だが安心するのは早い。
当サービスが収集した785件のリスク要素の比率を見ると、再建築不可は1件で0.1%、借地権も1件で0.1%、告知事項は0件。掲載情報上、権利や接道の難がある物件は今回のデータではごく限定的だった。全国的な感覚からすると意外に少ない印象を受けるかもしれない。
ただしこれは「掲載情報に明記されていたもの」の集計である点に注意が要る。横須賀は谷戸地形の街で、エリアプロフィールでも路地状敷地や急な階段アクセスの物件が一般的に多いとされる旨が示されている(ただし定量データは公開情報未確認)。接道条件や高低差は物件ページの文言だけでは判別できないことが多く、現地確認の重みが他エリアより大きいと見ておくべきだ。
最も比率が高いリスク要素は旧耐震で、126件・16.1%。1981年6月の新耐震基準施行より前に建てられた物件がこれにあたる。ここで念を押しておきたいのは「築40年だから旧耐震」ではないということ。1985年築なら新耐震だ。判定は必ず建築年で行う。
旧耐震が実務に効いてくるのは三つの局面だ。ひとつは融資。金融機関によっては融資期間が短縮されたり、そもそも取扱い対象外になったりする。中央値800万円という水準は魅力的に映るが、現金比率が高くなる分、実質的な購入ハードルは価格ほど低くない。ふたつめは保険。耐震性能に応じた地震保険の割引が使えず、ランニングコストが積み上がる。みっつめは各種税制優遇で、耐震基準適合証明などの取得が前提になるケースがある。
もうひとつ、横須賀固有の確認事項として、米海軍横須賀基地・海上自衛隊基地に近いエリアでは航空機・艦船関連の音の影響を事前に確認しておきたい(エリアプロフィールでも一般的な注意点として挙げられているが、定量データは公開情報未確認)。洪水・高潮ハザードや液状化リスクの具体的な想定区域データは今回のエリア調査では取得できておらず、市の公表資料を各自で確認してほしい。
最後に本集計自体の限界も明記しておく。表示価格は売出時点のものであり、成約価格ではない。また同一物件が複数サイトに掲載されている場合はそれぞれ1件として数えている。観測期間は30日と短く、掲載開始・終了の件数比較は参考程度に留めるべきものだ。数字は羅針盤にはなるが、最終判断は現地と契約書面で——この原則は横須賀では特に重い。
国交省取引事例で当サービス集計を裏付ける
当サービスの集計値は、外部の取引データとどう噛み合うのか。
エリアプロフィールによれば、国土交通省の成約データを集計した2025年の横須賀市の中古戸建て平均取引価格は2,298万円、前年比−9.3%(出典: chukodate.chintaistyle.jp)。最安例は船越町の1957年築(2021年10-12月期)、最高例は秋谷の1993年築で2億5,000万円(2022年1-3月期)と記録されている。
本集計の価格中央値2,790万円はこれを上回るが、これは矛盾ではない。当サービスが集めているのは売出時点の掲載価格であり、成約価格ではないからだ。売主の希望価格が成約価格より上に出るのは自然で、その差が数百万円規模になるのも中古戸建てでは珍しくない。むしろ注目したいのは、成約平均2,298万円という数字が、本集計の2000〜2009年帯の中央値2,298万円とぴたりと重なることだ。偶然の一致だが、横須賀の「実需の中心」がこの2,300万円前後にあることを示唆していると読める(解釈であり、確証はない)。
個別の掲載事例も本集計と整合的だ。追浜駅バス7分の1977年築・建物110.95㎡が2,980万円(出典: 三井のリハウス)は、当サービスの新耐震帯(1981〜1999年)の高めの4分の1ライン2,980万円と一致する水準。湘南国際村1丁目の1996年築・124.93㎡が5,180万円(同)は上位5%ライン5,599万円に迫る価格帯で、海沿い高台の別格ぶりが数字に出ている。
つまり、掲載価格と成約価格には差があるが、価格帯の構造そのものは両者で一貫している。
データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」
785件を価格順に並べたとき、両端に立つ物件像がここまで違うのかと驚かされる。
お得ゾーン——760万円以下の68件
下位10%の境界価格は760万円。この層68件の中央築年は1974年、中央面積77.73㎡、駅徒歩の中央値は15分。分布の最安層である下位5%ラインは498万円、最小値は125万円だ。
この帯を素直に読めば「築50年前後・80㎡弱・駅から徒歩15分」。旧耐震帯の中央値800万円、㎡単価9.71万円/㎡と重なる層でもある。建物価値がほとんど値付けに乗っていないため、実質的には「土地を安く買って建物はおまけ」という買い方になる。向くのは、現金または少額ローンで購入し、リノベーション費用を別枠で確保できる買い手。あるいは長期保有前提で土地を押さえたい層だ。逆に言えば、住宅ローンをフルに使って即入居したい一次取得層には、この帯は入口が狭い。
プレミアムゾーン——4,780万円以上の68件
上位10%の境界価格は4,780万円。この層の中央築年は2012年、中央面積156.69㎡、駅徒歩の中央値10分。上位5%ラインは5,599万円で、最上部には1億円超の物件が7件、さらに最大値として4億5,000万円の物件も含まれている。
下位10%層と比べると築年で38年、面積で約79㎡、駅徒歩で5分の差。同じ市内とは思えない属性差だ。エリアプロフィールでは秋谷や湘南国際村といった海沿い高台エリアが高価格帯を形成していることが示されており(出典: 三井のリハウス)、当サービスの集計に現れる高額帯もこの層と重なると見てよい。
追う速度が結果を決める
問題は、この両端がどちらも「数が少ない」ことだ。下位10%も上位10%もそれぞれ68件。785件のうちごく一部でしかない。そして横須賀のように地区ごとの価格差が大きく、公郷町のように地区内の値幅が1,997.5万円〜3,880万円と広いエリアでは、条件に合う一件は突然現れ、いつの間にか消える。当サービスの観測でも期間中に10件の掲載終了が確認されている(観測期間の制約で参考扱い)。
主要2サイトで全体の8割を占める一方、athomeの中央値480万円と三井のリハウス5,130万円のように、サイトごとに扱う価格帯がまるで違う。つまり1サイトだけを毎日眺めていても、自分の狙う帯の新着を取りこぼす確率は決して低くない。複数サイトを横断して、条件に合う物件が出た瞬間に気づく——中古戸建て探しで最後に効くのは、目利きよりもこの追跡速度なのだと、両端の数字が教えてくれる。
よくある質問(当サービス集計での回答)
Q1. 神奈川県横須賀市 中古戸建ての中古相場はいくら?
当サービスが12サイトから収集した785件(2026年7月30日〜8月29日)の集計では、価格中央値は2,790万円、平均は3,001万円です。安めの4分の1のラインが1,580万円、高めの4分の1が3,699万円。最安層である下位5%ラインは498万円、上位5%ラインは5,599万円で、最小値125万円から最大値4億5,000万円まで極端に幅が広い分布です。㎡単価中央値は24.1万円/㎡。なお表示価格は売出時点のもので、成約価格ではありません。
Q2. 横須賀市の中古戸建ては買い時ですか?
当サービスの集計は1か月分の掲載データであり、買い時の断定はできません。参考情報として、エリアプロフィールでは神奈川県全体が令和7年地価公示で住宅地4年連続上昇と発表されており(出典: 神奈川県)、横須賀市平均の路線価は㎡単価14万741円・前年比+2.33%の上昇と記録されています(出典: tochi.biz)。一方で国交省ベースの2025年中古戸建て平均取引価格は2,298万円・前年比−9.3%とされ(出典: chukodate.chintaistyle.jp)、土地評価と実際の戸建て取引価格が必ずしも同方向でない点は留意が必要です。
Q3. 旧耐震物件の流通量はどのくらいですか?
本集計では旧耐震(1981年6月の新耐震基準施行より前の建築)は126件、全785件の16.1%でした。約6件に1件です。この帯の中央値は800万円、中央築年1972年、㎡単価9.71万円/㎡で、建物価値がほぼ値付けに反映されていない水準。住宅ローンの融資期間短縮や地震保険料の割高化といった実務上のハードルがあるため、価格の安さと購入しやすさは別物と考えてください。なお「築40年だから旧耐震」ではなく、判定は建築年で行います。
Q4. ㎡単価が高くなるのはどんな条件ですか?
当サービスの集計で㎡単価中央値が最も高いのは2010〜2019年築の34.5万円/㎡、次いで2020年以降の30.03万円/㎡です。地区別では公郷町33.87万円/㎡、ハイランド33.29万円/㎡、森崎32.575万円/㎡が上位。間取りでは3LDKが27.78万円/㎡と、4LDK以上の23.9万円/㎡を上回ります。広い物件ほど1㎡あたりは割安になる傾向で、㎡単価を押し上げるのは主に築浅であることと、丘陵の住宅地としての人気だと読めます。
Q5. 駅徒歩による価格差はどれくらいありますか?
当サービスが収集した785件では、駅徒歩6〜10分(96件)の中央値3,490万円が最も高く、徒歩11〜15分(115件)3,290万円、徒歩1〜5分(30件)2,930万円と続きます。徒歩16〜20分(81件)は2,298万円、徒歩21分以上(43件)は2,780万円。徒歩6〜10分と徒歩16〜20分では約1,200万円の差があります。駅至近が最高値にならないのは横須賀特有で、谷戸地形により駅前に狭小地や斜面地が多い一方、丘陵部に整った住宅地が広がることが背景にあると推測されます(確証なし)。
Q6. 横須賀市内で地区ごとの価格差はどれくらいありますか?
本集計で件数の多い地区を比べると、公郷町37件が中央値3,690万円、ハイランド47件が3,580万円、浦上台24件が3,680万円と高値帯。対して二葉24件は1,589万円、鴨居26件は1,680万円、太田和29件は1,990万円と、2,000万円前後の帯もあります(後者はサンプルが少なめなので傾向として見る程度)。最上位と最下位で2,100万円ほどの開き。同じ「横須賀市の戸建て」で予算を組む際は、市全体の中央値2,790万円より地区別の数字を軸にしたほうが実態に近づきます。
Q7. 狙いの条件で神奈川県横須賀市 中古戸建ての新着を毎日追うには?
当サービス「物件ウォッチ」は、LINEで友だち追加して「神奈川県横須賀市 戸建て」と送るだけで監視が始まります。このエリア×カテゴリでは本レポートと同じ12サイト(athome、センチュリー21、大和ハウス、長谷工の仲介、HOME4U、LIFULL HOMES、東急リバブル、ノムコム、ピタットハウス、三井のリハウス、住友ステップ、SUUMO)を15分間隔で自動巡回し、新着・価格変動・掲載終了をLINEに通知します。エリア、カテゴリ、予算、築年、面積などの複合条件で絞り込みが可能。無料プラン(24時間遅延・1監視)があり、リアルタイム通知やAI分析を含む有料プランは月額980円からです。本レポートの数字も、この実稼働データから生成されています。
2026年8月のハイライトと注意点
今月のデータで最も目を引くのは、築年帯別中央値の階段だ。1980年以前(旧耐震)800万円 → 1981〜1999年1,784万円 → 2000〜2009年2,298万円 → 2010〜2019年3,699万円。中央面積はどの帯も100〜116㎡でほぼ揃っているにもかかわらず、価格は4.6倍に開く。横須賀の中古戸建てを買うということは、実質「どの築年帯の土俵に立つか」を選ぶことに等しい。
もうひとつ、駅徒歩1〜5分(2,930万円)より6〜10分(3,490万円)のほうが高いという逆転も今月の発見だ。谷戸地形の街ならではの構図と見える。
ただし本集計の性格は明確にしておきたい。当サービスが12サイトから収集した785件は売出時点の掲載価格であり、成約価格ではない。また同一物件が複数サイトに載っている場合はそれぞれ1件として数えているため、実物件数は785件より少ない可能性がある。数字は地図であって、目的地そのものではない。
本レポートは、物件ウォッチが 12サイト(athome, センチュリー21, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)から自動収集した掲載データ 785件(2026-07-30 〜 2026-08-29)を集計した分析です。日本の不動産市場全体の動向を示すものではなく、掲載データからは売買の成約は分かりません。物件の購入判断は必ずご自身の調査と専門家への相談のうえで行ってください。次回の更新は来月初旬を予定しています。
785件超の神奈川県横須賀市 中古戸建てから条件に合う1件を
特に 新耐震以降 3LDK, 駅徒歩6〜15分, 予算2,500〜3,500万円 は早く動きます。12サイトの新着を15分間隔でチェックして、LINEで即通知。
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※ この記事のデータは物件ウォッチがathome・センチュリー21・大和ハウス・長谷工の仲介・HOME4U・LIFULL HOMES・東急リバブル・ノムコムなど12サイトを横断して収集した2026年8月30日時点の情報です。実際の価格・在庫は各サイトにてご確認ください。現在掲載中の注目物件20件は 神奈川県横須賀市 中古戸建ての注目物件一覧 から確認できます。