SRC造の掲載が前月比+156%増、荒川区の中古マンションに何が起きたか | 東京都荒川区 中古マンション 中古相場分析【2026年8月版】— 1392件集計
「築年が新しいほど高い」——荒川区の中古マンションでは、この常識が途中で崩れる。当サービスが13サイトから収集した2026年7月5日〜8月4日の掲載データ1392件を集計すると、価格中央値は6,498万円、㎡単価中央値は103.5万円/㎡。ところが築年帯別に並べると、2000〜2009年築が8,090万円で最高値をつけ、2020年以降の築浅は7,390万円と下回る。掲載終了までの中央値はわずか12日。この1か月に何が起きていたのか、数字で追う。
市場サマリー
東京都荒川区 中古マンションの新着を見逃さない
今月の注目: 品確法以降のRC造 70㎡以上, 駅徒歩10分以内 5,000万円以下, 南千住・町屋の2LDK
13サイトを15分間隔で自動チェック。新着が出たらLINEに即通知します。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
📝 本稿の読み方
- 分析対象: 13サイト(athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)の掲載データ 1392件、期間 2026-07-05 〜 2026-08-04
- 集計方法: 期間中に各サイトに掲載されていた物件を集計しています。価格変更などで同じ物件が再掲載された場合は、URLでまとめて1件として扱っています。
- 表示価格は売出時点の価格で、実際に成約した価格ではありません
- 同じ物件が複数サイトに掲載されている場合は、それぞれを1件として数えています
- 週次レポートとは数字が一致しません: 本月次レポートは直近30日間に掲載が確認できた物件を期間全体で集計します(複数サイトに掲載された物件は各サイトで1件ずつ、同一サイト内の再掲載はURLでまとめて1件)。週次レポートは週末時点に掲載中だった物件だけを切り取る断面集計のため、重複の数え方・集計窓・時点の取り方が異なり、件数や中央値は月次と週次で一致しないのが正常です
TL;DR / 今月の要点
- 当サービスが13サイトから収集した1392件(2026年7月5日〜8月4日)の価格中央値は6,498万円、平均は6,773万円、㎡単価中央値は103.5万円/㎡。前月比では中央値+308万円(+5.0%の上昇)
- 前月比で最も目を引く変化は構造別「SRC造」の掲載件数が25件→64件(+156%の増加)。次いで間取り別「4LDK以上」が32件→62件(+93.8%の増加)
- 築年帯の断層が明確。1980年以前(旧耐震)3,140万円 → 1981〜1999年(新耐震)4,999万円 → 2000〜2009年(品確法)8,090万円と、節目ごとに大きく段差がつく
- ㎡単価は逆に築浅ほど高く、2020年以降が154.17万円/㎡でトップ。価格の頭打ちは面積の縮小(中央値52.13㎡)で説明できる
- 地区別では西日暮里が中央値8,580万円・㎡単価150万円/㎡で最高、西尾久が4,680万円・70.98万円/㎡で最安。同じ区内で㎡単価は約2.1倍の開き
- 旧耐震に該当する掲載は140件・全体の10.1%。再建築不可の表示は0件、借地権は3件(0.2%)
- 掲載終了までの日数は中央値12日(下位は6日、高めで30日)。1か月で976件の新規掲載と932件の掲載終了が観測された
📊 今月の主要数値(当サービス集計)
- 価格中央値: 6,498万円
- ㎡単価中央値: 103.5万円/㎡
- 中央値の前月比: +5.0%
- 集計件数: 1392件(13サイト)
- 掲載期間の中央値: 12日
今月のトップ3変化(前月比)
SRC造の掲載が25件→64件、前月比+156%の急増
当サービス集計で最も大きく動いたのが構造別の内訳だ。SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は前月25件から今月64件へ、+156%の増加。中央値は6,190万円→5,999万円と−3.1%の微下落。SRC造の築年中央値は1992年で、RC造の2008年より16年古い。推測だが、1990年代前半に建った中規模SRC造マンションの掲載が同時期にまとまって出た結果と読める(確証なし)。同時にRC造も57件→100件へ+75.4%の増加で、構造情報が取れた掲載自体が厚みを増した月だった。
4LDK以上が32件→62件、ほぼ倍増しながら中央値は下落
間取り別で目を引くのは4LDK以上の動き。前月32件が今月62件へ、+93.8%の増加。ところが中央値は8,480万円→8,090万円と−390万円(−4.6%)下がった。4LDK以上の面積中央値は86.96㎡だが、㎡単価中央値は82.87万円/㎡で全間取り中の最安。つまり広い部屋ほど単価が緩む構図で、そこに供給が増えたぶん価格帯の中心が下に引っ張られた形だ。ファミリー向けに面積優先で探す読者にとっては、選択肢が増えた月と言える。
駅徒歩16〜20分帯の中央値が5,490万円→7,280万円へ
立地軸では駅徒歩16〜20分帯の中央値が前月比+1,790万円(+32.6%の上昇)と大きく跳ねた。ただし件数は52件→58件で、母数は58件と限られる。この帯の面積中央値は75.34㎡で全帯中最大、築年中央値2004年も最も新しい。仮説として、広めで築浅の物件が数件加わったことで中央値が引き上げられた構成変化と解釈できる(推測)。徒歩帯そのものの値上がりと断定できる根拠は本集計内には無い。
🗞️ 今月のトピック
直近の外部トピックとして押さえておきたいのが、2026年6月時点の売出価格データだ。エリアプロフィールによれば、荒川区の中古マンション平均売買(新規登録)価格は6,769万円・97万円/㎡、新規登録107件・平均築年数27年とされる(出典: マンションナビ)。一方で成約ベースの参照値は2025年10-12月期で平均5,090万円・92万円/㎡(出典: スムナラ)。売出と成約の間に相応の開きがあることは、エリアプロフィール自身が「売主の強気姿勢が続く可能性を示唆」と指摘している。当サービスが集めた1392件も掲載=売出時点の価格であり、性質としては前者に近い。今回の中央値6,498万円をそのまま「成約できる価格」と読まないこと。ここが本記事を読むうえでの最重要の前提だ。
東京都荒川区 中古マンションの中古市場の輪郭(当サービス集計)
集めた1392件の顔ぶれ
当サービスが13サイトから収集した東京都荒川区の中古マンション掲載は、2026年7月5日〜8月4日の30日間で1392件。内訳はSUUMOが493件、LIFULL HOMESが248件、athomeが225件と、この主要3サイトで全体の約7割を占める。以下、ノムコム97件、センチュリー21が56件、三井のリハウス52件、ピタットハウス51件、東急リバブル46件、大京穴吹不動産40件、長谷工の仲介39件と続く。同一物件が複数サイトに載っている場合はそれぞれ1件として数えているため、実在の物件数はこれより少ない点は先に断っておきたい。
興味深いのは、サイトごとに価格中央値が大きく違うことだ。athomeは4,100万円(面積中央値50.22㎡・築年中央値1991年)、対して長谷工の仲介は7,880万円(68.57㎡・2007年)。3,780万円もの差だが、これは相場観の違いではなく扱う物件層の違い。築年・面積の中央値を見れば一目で説明がつく。
価格はどこに集中しているか
本集計の価格中央値は6,498万円、平均は6,773万円。平均が中央値を上回るのは高値側に裾を引いた分布のためで、最小値は700万円、最大値は1億7,250万円と幅は24倍を超える。最安層(下位5%)は2,296万円、最上層(上位5%)は1億4,064万円。安めの4分の1のラインは4,380万円、高めの4分の1は8,380万円で、実質的な主戦場はこの4,380万〜8,380万円のレンジだ。㎡単価中央値は103.5万円/㎡。
500万円刻みの分布を見ると、最も件数が多いのは4,500〜5,000万円の136件、次いで7,500〜8,000万円の122件、6,500〜7,000万円の96件。単峰ではなく複数のこぶがある形で、旧耐震・新耐震の中古層と、2000年以降のファミリー物件層が別々のかたまりを作っていると読める。
掲載開始と掲載終了の動き
30日間で新規掲載976件、掲載終了932件。差し引きでは掲載在庫がやや積み上がった計算になり、総件数も前月1217件から1392件へ+175件(+14.4%の増加)。週別では7月19日週の新規278件が最多で、同じ週に282件が掲載を終えている。出入りが激しい月だったと言っていい。掲載終了までの日数は中央値12日。ここは後半で詳しく触れる。
築年帯別の相場と価格の断層
荒川区の中古マンションには、はっきりとした築年の断層がある。しかもその段差は一方向ではない。価格は途中で頭打ちになり、㎡単価だけが上がり続けるのだ。
築年帯ごとの中央価格
当サービス集計の築年帯別中央値は以下のとおり。
| 築年帯 | 件数 | 価格中央値 | 面積中央値 | ㎡単価中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 1980年以前(旧耐震) | 140件 | 3,140万円 | 50.22㎡ | 60.92万円/㎡ |
| 1981〜1999年(新耐震) | 549件 | 4,999万円 | 58.11㎡ | 87.42万円/㎡ |
| 2000〜2009年(品確法) | 376件 | 8,090万円 | 70.73㎡ | 122.33万円/㎡ |
| 2010〜2019年 | 215件 | 7,800万円 | 57.71㎡ | 125.43万円/㎡ |
| 2020年以降(新省エネ基準) | 100件 | 7,390万円 | 52.13㎡ | 154.17万円/㎡ |
価格のピークは2000〜2009年の8,090万円。以降は7,800万円、7,390万円と下がるが、㎡単価は122.33→125.43→154.17万円/㎡と上がり続ける。つまり築浅ほど「高いが狭い」。面積中央値が70.73㎡→52.13㎡へ18.6㎡縮んでいるのが答えだ。総額で比べると築浅が安く見えるが、同じ広さを買おうとすれば話はまるで違う。
節目の前後で何が起きているか
新耐震基準(1981年6月施行、それ以前は旧耐震と呼ばれる)の境界では、中央値3,140万円→4,999万円で+1,859万円の段差。㎡単価では60.92万円/㎡と87.42万円/㎡の差で、比率にすると約1.4倍だ。次の節目、品確法(住宅の品質確保促進法、2000年施行。10年の瑕疵保証が義務化された)の前後はさらに大きく、4,999万円→8,090万円で+3,091万円。旧耐震から品確法世代までの落差は約4,950万円になる。
築年と間取りを重ね合わせるとこの段差の正体が見えてくる。3LDKの中央値は1981〜1999年築が6,980万円に対し、2000〜2009年築は9,699万円。同じ3LDKで+2,719万円だ。2DK/2LDKでも4,890万円→7,998万円と大きく開く。2020年以降の3LDKは19件で中央値1億1,980万円と最も高いが、1LDKは16件で5,480万円。築浅帯は間取りの振れ幅が大きく、単純な平均比較が効きにくい層だと言える。
構造を重ねると別の顔も見える。1981〜1999年築のSRC造は43件で5,498万円、同じ時期のRC造は18件で5,494万円とほぼ同水準。一方2000〜2009年築ではSRC造13件が8,550万円、RC造35件が7,998万円。少数サンプルを含むため断定はしないが、この年代帯ではSRC造がやや上に出ている。
旧耐震の比率とその重み
本集計で旧耐震に該当する掲載は140件、全体の10.1%。1割という数字は「珍しくないが主流でもない」水準だ。この層の面積中央値は50.22㎡、価格中央値3,140万円で、下位10%層(境界価格2,799万円)の築年中央値1981年とほぼ重なる。安い物件を探せば自然に旧耐震に行き着く構造になっている。
注意すべきは価格以外のコストだ。旧耐震は住宅ローンの審査や融資期間で不利になりやすく、地震保険料の区分でも新耐震と扱いが変わる。フルローンが組みにくければ自己資金の要求額が上がり、月々の返済が軽くても総支出では逆転しうる。エリアプロフィールでも、荒川区の中古マンション平均築年数は27年(2026年6月時点)とされ、竣工年と耐震基準の確認は必須と指摘されている(出典: マンションナビ)。築年数だけで旧耐震かどうかを判断しないこと。1985年築なら新耐震である。
間取り・構造別の相場
3LDK中央値7,998万円、1LDK中央値4,780万円。同じ荒川区の中古マンションでも、間取りの選択だけで3,200万円以上の差が生まれる。
主要間取りの顔ぶれ
当サービスが収集した1392件を間取り別に整理すると次のようになる。
| 間取り | 件数 | 価格中央値 | 面積中央値 | ㎡単価中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 1K/1DK | 44件 | 3,190万円 | 31.35㎡ | 106.02万円/㎡ |
| 1LDK | 122件 | 4,780万円 | 44.6㎡ | 94.91万円/㎡ |
| 2DK/2LDK | 339件 | 6,698万円 | 56.3㎡ | 117.87万円/㎡ |
| 3LDK | 337件 | 7,998万円 | 71.33㎡ | 111.26万円/㎡ |
| 4LDK以上 | 62件 | 8,090万円 | 86.96㎡ | 82.87万円/㎡ |
件数の主役は2DK/2LDKの339件と3LDKの337件で、合わせて全体の約49%。荒川区の中古マンションを探すなら、事実上この2つの層を見ることになる。
面白いのは㎡単価の並び順だ。最高は2DK/2LDKの117.87万円/㎡で、次が3LDKの111.26万円/㎡。最安は4LDK以上の82.87万円/㎡。単身向けの1LDKが94.91万円/㎡と意外に控えめなのは、この層の築年中央値が1994年と古めであることが影響していると読める。エリアプロフィールでは面積帯30〜39㎡が123万円/㎡で最高単価とされており(出典: スムナラ)、コンパクト帯の単価が高い傾向は本集計の1K/1DK(106.02万円/㎡)とも方向性が揃う。
構造別の相場
構造情報が確認できた掲載では、RC造100件が中央値7,180万円・㎡単価125.32万円/㎡、SRC造64件が5,999万円・99.49万円/㎡。RC造のほうが1,181万円高いが、これは築年の差がそのまま出た結果で、RC造の築年中央値2008年に対しSRC造は1992年だ。同じ年代で比べればSRC造が上に出るケースもあり、構造だけで優劣を語るのは早い。鉄骨造は8件のみの少数サンプルで、参考値として中央値2,430万円・面積中央値32.86㎡。件数が少ないため傾向を語るにとどめたい。
構造の実務的な差はどこに出るか。SRC造は鉄骨を芯に持つため大スパン・高層化に向き、揺れの吸収性で有利とされる。RC造は近年の中高層で主流で、断熱・遮音の性能は施工年代と仕様に依存する部分が大きい。中古を検討する読者にとっては、構造記号よりも「いつ・どの仕様で建てられたか」を見るほうが実利がある、というのが本集計から得られる素直な結論だ。
築浅・高額帯の位置づけ
2020年以降の築浅は100件で㎡単価154.17万円/㎡。荒川区で最も高い単価帯だが、面積中央値は52.13㎡と小ぶりだ。エリアプロフィールによれば、区内の新築供給は町工場跡地を活用した形で町屋・南千住・新三河島・西日暮里に集まっており(出典: ダイヤモンド不動産研究所)、具体例としてイニシア町屋ステーションサイト(コスモスイニシア、町屋駅徒歩3分、83戸、4,398万円〜1億1,998万円)、ライオンズ南千住グランプレイス(大京、181戸、56.82〜70.22㎡)が挙げられている(出典: at home)。こうした新築の価格帯が、周辺の築浅中古の値付けの基準として意識されている可能性はある(推測)。
なお管理費・修繕積立金の相場については、エリアプロフィールでも数値が確認できていない。物件ごとに個別確認するしかない領域だ。長期修繕計画と修繕履歴の開示状況は、内見時のチェック項目として外せない。
立地軸でみる相場(駅徒歩・エリア内の偏り)
荒川区の中古マンションで意外なのは、駅から遠いほうが総額で高い帯があることだ。当サービス集計の駅徒歩帯別中央値を並べると、その理由が見えてくる。
徒歩1〜5分は603件で中央値6,498万円、面積中央値56.42㎡、㎡単価111.26万円/㎡。6〜10分は540件・6,280万円・58.39㎡・102.45万円/㎡。11〜15分は179件・6,089万円・62.82㎡・92.41万円/㎡。そして16〜20分は58件・7,280万円・75.34㎡・89.59万円/㎡だ。総額では16〜20分帯が最高だが、㎡単価は89.59万円/㎡で最安。面積中央値75.34㎡という広さと築年中央値2004年という新しさが総額を押し上げているだけで、単価では駅近から遠ざかるほど素直に下がっている。徒歩1〜5分と16〜20分の単価差は駅近が約21.7万円/㎡上回る計算になる。
件数の分布も注目したい。徒歩10分以内が1143件で全体の約82%。荒川区は日暮里・西日暮里・町屋・南千住・三ノ輪・熊野前・千住大橋・新三河島など駅が密に配置されており(出典: 各種地価資料)、そもそも駅から遠い物件が少ない。裏を返せば、徒歩15分超の58件は希少で、条件に合う物件を待つには継続的な監視が必要になる。
地区別の温度差
本集計を地区別に見ると、区内の格差は駅徒歩以上に鮮明だ。最高値は西日暮里の213件・中央値8,580万円・㎡単価150万円/㎡。築年中央値2008年、面積中央値70.28㎡で、高めの4分の1ラインは1億4,680万円に達する。対して最安は西尾久の163件・4,680万円・70.98万円/㎡。築年中央値1985年と古く、面積は58.19㎡。西日暮里と西尾久の㎡単価は約2.1倍の開きがある。
中間層は東日暮里が356件で6,498万円・123.44万円/㎡と件数最多、南千住は261件で7,180万円・94.49万円/㎡。南千住は面積中央値65.02㎡と広めで、総額の割に単価が抑えられている。荒川が141件・6,698万円・99.91万円/㎡、東尾久が121件・6,180万円・99.94万円/㎡、町屋が113件・4,980万円・85.7万円/㎡。
この並びは公示地価の序列とおおむね整合する。エリアプロフィールでは公示地価が最も高い駅は日暮里駅周辺(1㎡137.4万円、前年比+13.04%の上昇)、最も安いのは南千住駅周辺(1㎡51.7万円)とされ、区内最高値地点は東日暮里5-51-14の262万円/㎡、最安値地点は南千住3-31-5の46.6万円/㎡(出典: STEP・chika.m47.jp・tochi.biz)。日暮里・西日暮里を頂点に、尾久方面・南千住方面へ向かって緩むという構図だ。ただし南千住は地価水準が低い一方で本集計の中央値は7,180万円と高めに出ている。面積の大きい比較的新しい物件が多く含まれる影響と読める(推測)。
リスク要素と注意ポイント
数字の裏側にあるリスクも、集計から見える範囲で押さえておきたい。
当サービスが収集した1392件でリスク要素の表示比率を見ると、旧耐震が140件・10.1%、借地権が3件・0.2%、再建築不可は0件、告知事項の表示も0件。マンションという商品特性上、再建築不可の表示が出ないのは自然だ。借地権の3件は少数だが、該当すれば土地の所有権がなく地代負担と契約期間の制約が伴うため、掲載段件の権利形態の確認は必須になる。
最も実務的な影響が大きいのは旧耐震の10.1%だ。1980年以前の物件は住宅ローンの審査で融資年数が短く設定されやすく、フラット35の技術基準や金融機関の担保評価でも扱いが厳しくなる傾向がある。地震保険の割引区分でも新耐震との差が生じる。本集計で旧耐震層の価格中央値は3,140万円と、新耐震(1981〜1999年)の4,999万円より1,859万円安い。この差額を「割安」と見るか「調達条件のハンデを織り込んだ結果」と見るかで、判断は大きく変わる。仮説だが、自己資金比率が高く長期保有を前提にできる買主にとっては合理的な選択肢になりうる一方、フルローン前提の一次取得層には向きにくい層だと読める。
エリア固有の確認事項
エリアプロフィールが挙げる注意点も併記しておく。荒川区は町工場跡地や木造住宅密集地域が随所に残るため、周辺に接道条件の悪い物件が存在する可能性があり、建築基準法上の適合性確認が重要とされる。また平均築年数27年という水準から、竣工年と耐震基準の確認が必須と明記されている(出典: マンションナビ・スムナラ)。内見時のチェックポイントとしては、管理組合の修繕履歴と長期修繕計画の有無、駅までの実測徒歩時間と掲載分数の乖離、周辺の工場・幹線道路からの騒音・振動の有無が挙げられている(出典: スムナラ)。
洪水ハザードや液状化リスクの区分については、エリアプロフィールでも具体的な数値・評価ランクが確認できていない。荒川区が隅田川・荒川に近接する低地部を含むことは地形的事実として触れられているものの、想定浸水深などの詳細は公開情報未確認だ。購入判断に必要なら、区が公開するハザードマップを個別に当たるべき領域である。学区評価や医療機関の配置についても同様に、参照可能なデータは揃っていない。
もう一つ、価格そのものに関わるリスクを挙げておく。本集計の1392件はすべて掲載時点の売出価格で、成約価格ではない。エリアプロフィールでは売出ベース6,769万円(2026年6月)と成約ベース5,090万円(2025年10-12月期)の乖離が指摘され、売主の希望価格と買主の予算感がずれやすい点に注意が必要とされている(出典: マンションナビ・スムナラ)。本集計の中央値6,498万円も、値引き交渉前の「入口の数字」として扱うのが妥当だ。
国交省取引事例で当サービス集計を裏付ける
エリアプロフィールには国交省の個別取引事例が収録されておらず、参照できるのは四半期の集計値のみだ。それでも突き合わせる価値はある。
参照値では2025年10-12月期の荒川区中古マンション成約件数164件、平均価格5,090万円、平均㎡単価92万円/㎡。5年前の2020年10-12月期は3,335万円で、+53%の上昇。ピークは2025年7-9月期の5,322万円とされる(出典: スムナラ)。東京都平均115万円/㎡に対して約0.8倍という位置づけも示されている。
当サービス集計の価格中央値6,498万円、㎡単価中央値103.5万円/㎡と並べると、㎡単価で+11.5万円/㎡ほど売出側が上回る計算になる。半年以上の時間差と、売出/成約という性質の違いの両方が効いているため、この差をそのまま「値引き余地」と読むのは乱暴だ。ただ方向としては、荒川区の中古マンションで売出価格が成約水準の上を走り続けている構図が、当サービスが集めた1392件でも確認できたと言える。
築年帯との整合も見ておきたい。参照値では築5年以内が123万円/㎡で区内最高単価とされる(出典: スムナラ)。本集計の2020年以降が154.17万円/㎡、2010〜2019年が125.43万円/㎡だから、集計時点と定義の違いを踏まえれば無理のない並びだ。取引件数最多が50-59㎡帯(42件)という点も、本集計の2DK/2LDK(面積中央値56.3㎡)が339件で最多層である事実と重なる。売る側と買う側が同じ面積帯を見ている、ということだろう。
データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」
下位10%層——2,799万円のライン
当サービス集計で価格の下から10%にあたる137件は、境界価格2,799万円。この層の顔つきは明快で、築年中央値1981年、面積中央値31.45㎡、駅徒歩中央値6分。つまり「駅から近いコンパクトな旧耐震」だ。1K/1DKの中央値3,190万円、旧耐震帯の中央値3,140万円という数字とほぼ同じ地帯を指している。
この層が向くのは、自己資金を厚く用意できて長期保有を前提にできる買主、あるいは単身・DINKSで面積より立地を優先する層だろう。逆に、住宅ローンの融資年数をフルに使いたい一次取得層には条件面でハードルが立つ。地区で言えば西尾久(中央値4,680万円・㎡単価70.98万円/㎡、築年中央値1985年)や町屋(4,980万円・85.7万円/㎡)が探索の起点になる。
上位10%層——1億1,800万円から上
対する上位10%の137件は境界価格1億1,800万円。築年中央値2008年、面積中央値71.56㎡、駅徒歩中央値2分。品確法世代の3LDK(中央値9,699万円)と、2020年以降の3LDK(1億1,980万円)がこの帯を構成していると読める。地区では西日暮里の高めの4分の1ラインが1億4,680万円に達しており、区内のプレミアム帯はここに集中している。最上層(上位5%)は1億4,064万円、最大値は1億7,250万円だ。
下位と上位で駅徒歩中央値が6分と2分、面積が31.45㎡と71.56㎡、築年が1981年と2008年。荒川区の中古マンションでは、この3つの軸がほぼ同時に動いていることがよく分かる。
12日で消える掲載をどう捕まえるか
そしてここが本題だ。本集計で掲載終了までの日数は中央値12日。下位の目安は6日、高めでも30日で、掲載の半分は2週間以内に姿を消している。30日間で976件が新たに載り、932件が消えた。月に一度サイトを見に行く習慣では、その間に出入りした物件の大半に触れないまま終わる計算になる。
しかも荒川区の場合、狙い目の条件は往々にして少数派だ。駅徒歩15分超は58件、4LDK以上は62件、SRC造は64件。全体1392件の中では数%の存在で、こうした条件で待つなら「出た瞬間に知る」以外の方法がない。手作業で13サイトを毎日巡回するのは現実的ではない。データの側から見れば、自動追跡の必然性は12日という数字にすでに書かれている。
よくある質問(当サービス集計での回答)
Q1. 東京都荒川区 中古マンションの中古相場はいくら?
当サービスの集計では、13サイトから収集した1392件(2026年7月5日〜8月4日)の価格中央値は6,498万円、平均は6,773万円、㎡単価中央値は103.5万円/㎡です。安めの4分の1のラインが4,380万円、高めの4分の1が8,380万円で、実質的な主戦場はこのレンジ。最小値700万円から最大値1億7,250万円まで幅があります。ただしこれは掲載時点の売出価格で、成約価格ではありません。
Q2. 買い時はいつですか?
当サービスの集計だけで買い時を断定することはできませんが、判断材料は示せます。前月比では価格中央値が6,190万円→6,498万円(+5.0%の上昇)、安めの4分の1のラインも3,900万円→4,380万円(+12.3%の上昇)と、下値のほうが強く動きました。掲載件数も1217件→1392件(+14.4%の増加)で選択肢は増えています。エリアプロフィールでは公示地価が住宅地・商業地とも上昇基調とされており(出典: tochidai.info)、価格が緩む局面を待つ戦略はこの1か月のデータでは支持されにくい状況です。
Q3. 旧耐震物件の流通量はどのくらいですか?
当サービスの集計では、1980年以前の旧耐震に該当する掲載は140件、全体の10.1%です。価格中央値は3,140万円、面積中央値50.22㎡、㎡単価60.92万円/㎡。新耐震(1981〜1999年)の中央値4,999万円より1,859万円安く、価格面の魅力はありますが、住宅ローンの融資年数や地震保険の区分で不利になりやすい点は織り込む必要があります。なお築年数だけで判断せず、竣工年で新耐震(1981年6月施行)かを確認してください。
Q4. ㎡単価が高い条件は何ですか?
本サービス集計で㎡単価中央値が最も高いのは2020年以降の築浅で154.17万円/㎡、次いで2010〜2019年の125.43万円/㎡、2000〜2009年の122.33万円/㎡です。地区別では西日暮里が150万円/㎡でトップ、間取り別では2DK/2LDKが117.87万円/㎡で最高。逆に4LDK以上は82.87万円/㎡と最安で、広い部屋ほど単価は緩みます。全体の㎡単価中央値は103.5万円/㎡です。
Q5. 駅徒歩による価格差はどのくらいありますか?
当サービスが収集した1392件では、㎡単価中央値が徒歩1〜5分111.26万円/㎡、6〜10分102.45万円/㎡、11〜15分92.41万円/㎡、16〜20分89.59万円/㎡と、遠ざかるにつれ素直に下がります。ただし総額中央値では16〜20分帯が7,280万円で最も高く、これは面積中央値75.34㎡という広さと築年中央値2004年の新しさによるもの。総額だけ見ると誤読するので、単価と面積をセットで確認してください。
Q6. 荒川区の中で、同じ予算なら広さを取れる地区はどこですか?
当サービスの集計で判断すると、南千住が候補です。261件の価格中央値7,180万円に対し面積中央値65.02㎡、㎡単価94.49万円/㎡。西日暮里(8,580万円・70.28㎡・150万円/㎡)と比べると単価がかなり抑えられています。もっと予算を絞るなら西尾久が中央値4,680万円・面積中央値58.19㎡・70.98万円/㎡で区内最安ですが、築年中央値1985年と古めなので修繕計画の確認が前提になります。
Q7. 狙いの条件で東京都荒川区 中古マンションの新着を毎日追うには?
当サービスの集計データは、LINEで使える新着監視サービス「物件ウォッチ」の実稼働データから生成されています。LINEで友だち追加し「東京都荒川区 マンション」と送るだけで監視が始まり、本記事の集計対象と同じ13サイト(athome、センチュリー21、大京穴吹不動産、大和ハウス、長谷工の仲介、HOME4U、LIFULL HOMES、東急リバブル、ノムコム、ピタットハウス、三井のリハウス、住友ステップ、SUUMO)を15分間隔で巡回し、新着・価格変動・掲載終了を通知します。エリア、カテゴリ、予算、築年、面積などの複合条件で絞り込みが可能。無料プラン(24時間遅延・1監視)から始められ、有料プランは月額980円〜でリアルタイム通知やAI分析に対応します。掲載終了までの日数が中央値12日という環境では、通知の速さがそのまま検討時間に変わります。
2026年8月のハイライトと注意点
今月の最大の発見は、構造別の内訳が大きく塗り替わったことだ。当サービス集計でSRC造は前月25件→今月64件(+156%の増加)、RC造も57件→100件(+75.4%の増加)。SRC造の築年中央値は1992年、RC造は2008年で、この2つが同時に増えたことで築年帯の分布も1981〜1999年が468件→549件(+17.3%の増加)、2000〜2009年が309件→376件(+21.7%の増加)と厚みを増した。掲載在庫が広い年代にわたって膨らんだ月と言える。
価格側では中央値が6,190万円→6,498万円(+5.0%の上昇)、安めの4分の1が3,900万円→4,380万円(+12.3%の上昇)。下値のほうが強く動いたのが特徴だ。
最後に前提を2つ。本集計の価格はすべて掲載時点の売出価格で、実際の成約価格ではありません。また同一物件が複数サイトに載っている場合はそれぞれ1件として数えているため、1392件が実在の物件数と一致するものではない点にご注意ください。
本レポートは、物件ウォッチが 13サイト(athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)から自動収集した掲載データ 1392件(2026-07-05 〜 2026-08-04)を集計した分析です。日本の不動産市場全体の動向を示すものではなく、掲載データからは売買の成約は分かりません。物件の購入判断は必ずご自身の調査と専門家への相談のうえで行ってください。次回の更新は来月初旬を予定しています。
1,392件超の東京都荒川区 中古マンションから条件に合う1件を
特に 品確法以降のRC造 70㎡以上, 駅徒歩10分以内 5,000万円以下, 南千住・町屋の2LDK は早く動きます。13サイトの新着を15分間隔でチェックして、LINEで即通知。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
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過去の東京都荒川区 中古マンションに関する記事
- 2026年8月5日 東京都荒川区 中古マンションの月次相場レポート (この記事)
- 2026年7月 東京都荒川区 中古マンションの月次相場レポート
- 2026年6月 東京都荒川区 中古マンションの月次相場レポート
※ この記事のデータは物件ウォッチがathome・センチュリー21・大京穴吹不動産・大和ハウス・長谷工の仲介・HOME4U・LIFULL HOMES・東急リバブルなど13サイトを横断して収集した2026年8月5日時点の情報です。実際の価格・在庫は各サイトにてご確認ください。現在掲載中の注目物件20件は 東京都荒川区 中古マンションの注目物件一覧 から確認できます。