築古の在庫が一気に増えた月 | 東京都板橋区 中古マンション 中古相場分析【2026年7月版】— 2583件集計
板橋区の中古マンション、当月データを開けて最初に目が留まったのは、「2010〜2019年築の掲載件数が前月から2倍以上に増えている」という数字だ。単月の集計ノイズか、それとも売り手がまとまって動き出した合図か——。当サービスが13サイトから集めた2,583件の掲載データを、価格・築年・立地の3軸で丁寧に解きほぐしていく。板橋区らしい「築古の厚み」と、上板橋・大山で進む再開発の圧力が、同じ月の相場のなかで奇妙に共存している。
📝 本稿の読み方
- 分析対象: 13サイト(athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)の掲載データ2,583件、期間 2026-06-02 〜 2026-07-02
- 集計方法: 期間中に各サイトに掲載されていた物件を集計しています。価格変更などで同じ物件が再掲載された場合は、URLでまとめて1件として扱っています。
- 注意点: 表示価格は売出時点の価格で、実際に成約した価格ではありません。同じ物件が複数サイトに掲載されている場合は、それぞれを1件として数えています。
- 週次レポートとは数字が一致しません: 本月次レポートは直近30日間に掲載が確認できた物件を期間全体で集計します(複数サイトに掲載された物件は各サイトで1件ずつ、同一サイト内の再掲載はURLでまとめて1件)。週次レポートは週末時点に掲載中だった物件だけを切り取る断面集計のため、重複の数え方・集計窓・時点の取り方が異なり、件数や中央値は月次と週次で一致しないのが正常です
市場サマリー
東京都板橋区 中古マンションの新着を見逃さない
今月の注目: 新耐震RC・駅徒歩5分以内, 築古2,000万円台のリノベ素材, 上板橋・大山の再開発隣接3LDK
13サイトを15分間隔で自動チェック。新着が出たらLINEに即通知します。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
TL;DR / 今月の要点
- 当サービス集計2,583件の価格中央値は4,299万円、平均は4,860万円、㎡単価中央値は79.9万円/㎡。
- 価格レンジは最小670万円〜最大1億6,500万円、下位5%ラインは1,480万円、上位5%ラインは9,280万円と、上下に極端に長い分布。
- 旧耐震(1981年5月以前)が全体の29.8%を占め、23区でも最厚クラスの「築古在庫」。中央価格2,830万円で下位ゾーンを形成。
- 前月比の最大インパクトは構造別の変動。RC造+210.8%、SRC造+214.3%と、大型物件の掲載データが一斉に厚くなった(収集範囲の変動を含む可能性あり)。
- 2010〜2019年築の掲載が91→207件へ+127.5%の急増。中央値は7,080万円で据え置きだが、供給側の顔ぶれが入れ替わった月と読める。
- 掲載終了までの日数は中央値12日(下位25%は4日、上位25%は21日)。良条件は月内に消える速度感。
- 駅徒歩1〜5分の中央値は4,780万円、11〜15分は4,399万円。徒歩差は「額」より「㎡単価」(86.5万円 vs 73.8万円)に強く出る。
今月のトップ3変化(前月比)
前月版(2026-05-05〜2026-06-04)との差分で、当サービスの集計に目立った動きが3つあった。なお、件数の急変は当サービスの収集範囲の変動(監視URLの追加・掲載構造の変更・取得タイミング)を含む可能性があり、市場実需の変化だけを根拠に断定はしない。あくまで「今月のデータ上で何が動いたか」の記述として読んでほしい。
構造別「RC造」「SRC造」の掲載が3倍規模に
構造タグ付きのRC造は前月37件→当月115件(+210.8%)、SRC造は14件→44件(+214.3%)と、そろって3倍規模の伸び。中央価格はRC造が5,470万円→6,480万円(+18.5%)、SRC造は6,030万円→4,990万円(−17.2%)と、方向が逆に出ているのが興味深い。仮説として、RC造は築浅・大型の駅近物件が新しく流入し、SRC造は逆に築古の中規模マンションが吐き出された——という「顔ぶれ入れ替え」が起きた月と解釈できるかもしれない。ただし前月の母数が小さく(暫定的圏)、次月以降の継続確認が必要な参考値だ。
築年帯「2010〜2019年」が91→207件、+127.5%の急増
築11〜16年帯の掲載が2倍以上に膨らんだ。中央価格は7,080万円で据え置き、値動きなく「量だけ増えた」形。この帯は品確法(住宅の品質確保促進法、2000年施行)と長期優良住宅認定制度(2009年施行)の後の世代で、実需の一等地。推測だが、竣工後10〜15年で最初の大規模修繕を迎える世代が、修繕積立金の値上げ議論を機に売却検討に回った可能性がある——という仮説は立つ。ただし、2026年4月に施行された改正区分所有法(総会決議要件の緩和、共用部変更の3分の2決議への引き下げ)への対応で、管理組合の動きが活発化した副次効果とも読めるため、単一の因果には帰結させにくい。
掲載件数全体が1,610→2,583件(+60.4%)
総件数自体が6割増と、これは築年別・構造別の伸びの合計として整合する動き。ただし冒頭に注記したとおり、当サービスの収集範囲(サイト側の掲載構造変更やURLの取得漏れの復旧など)の影響を含む可能性を排除できない。中央値は4,490万円→4,299万円(−4.3%)と小幅な下振れだが、これは下位ボリューム(下位25%が3,190万円→2,950万円、−7.5%)が広がった影響で、上位ライン(上位25%)は6,580万円→6,480万円とほぼ動いていない。「安めの弾が増えた月」と読める。
🗞️ 今月のトピック
上板橋駅南口ツインタワー、イーストが2026年3月に第1期販売スタート. 東武東上線上板橋駅南口の再開発(上板橋駅南口駅前東地区第一種市街地再開発事業、2031年3月末事業完了予定)で建設が進む「シティタワーズ上板橋イースト」は、 地上26階・高さ97.46m・総戸数313戸で2028年5月中旬竣工、2029年4月下旬の入居開始予定 となっている。 イーストは2026年3月上旬から第1期の販売開始予定で、予定販売住戸247戸の間取りは2LDK〜3LDK、専有面積は55.32㎡〜105.66㎡ (出典: 超高層マンション・超高層ビル bluestyle.livedoor.biz / SUUMO)。近隣の中古マンション売主の価格設定に上方圧力が働いている可能性は高く、本サービス集計の上板橋周辺で駅徒歩5分以内の中央値がやや強含みなのと整合する。
大山駅前は連続立体交差事業が進行中. ハッピーロード大山商店街のある大山駅周辺は、 駅周辺の連続立体交差事業が2030年代に完了する予定 (出典: オークラヤ住宅 コラム 2026-01-24)。加えて竣工済みの「シティタワーズ板橋大山」ツインタワーとピッコロ・スクエア周辺地区の再開発が控えており、大山町・板橋町周辺の中古㎡単価が他の坂下・高島平エリアより1.5倍以上高い当集計の分布と重なる。
東京都板橋区 中古マンションの中古市場の輪郭(当サービス集計)
板橋区の中古マンションを「一枚の絵」として眺めると、まず気になるのは分布の裾の長さだ。670万円から1億6,500万円まで、価格帯の幅は約25倍。同じ「区内・中古マンション」というカテゴリに、それだけ異質なものが混在している。
集めた2,583件の内訳
当サービスが期間中に13サイトから収集した2,583件のうち、掲載サイト別の内訳はSUUMOが665件、LIFULL HOMESが603件、athomeが560件で、この主要3サイトで全体の約7割を占める。次いでノムコム169件、東急リバブル134件、三井のリハウス122件、センチュリー21が111件と、大手仲介のシェアも厚い。サイトごとに中央価格に差があり、athomeは2,880万円・築1984年中央値と築古寄り、大京穴吹不動産は6,180万円・2000年築、長谷工の仲介は6,340万円・2002年築と築浅寄り。「どのサイトを見るか」で、目に入る板橋区の顔がここまで違うという事実は、実需の買い手が意識しておいたほうがいい。
価格はどこに集中しているか
本集計の価格中央値は4,299万円、平均は4,860万円で、中央値より平均が高い(高値の裾を引いた分布)。ヒストグラムを眺めると、4,000〜4,500万円帯に294件と最大の山があり、次いで3,500〜4,000万円帯(234件)、2,500〜3,000万円帯(241件)と、3,000万円台後半〜4,000万円台前半に厚みが集中する。1億円を超える物件も82件あり(1億〜1億6,500万円まで)、大山・上板橋の再開発タワー系が上位を押し上げている印象だ。㎡単価中央値は79.9万円/㎡で、専有面積60㎡なら約4,800万円、70㎡なら約5,600万円が「中央」の目安。エリアプロフィールで示された2025年公示地価(住宅地平均約51万円/㎡)の1.6倍前後——つまりマンションの上物と管理コスト分が上乗せされた妥当な水準に見える。
掲載開始・掲載終了の動き
期間中の新規掲載は2,726件、掲載終了は1,185件で、週次でみると6月16日開始週の新規掲載が736件でピーク。掲載から掲載終了までの日数は中央値12日、下位25%はわずか4日、上位25%でも21日。つまり半分の物件は2週間以内にサイトから消える計算になる。ここでの「消える」は必ずしも成約を意味せず、価格改定・情報整理・売り止めなどを含むため、成約速度そのものではないが、「良さそうな物件をブックマークしていたら数日で消えていた」現象が起きやすい環境であることは確かだ。
築年ごとの相場と「価格の断層」
東京都板橋区 中古マンションには、はっきりとした築年の断層がある。旧耐震帯(1980年以前)の中央値2,830万円と、品確法以降(2000〜2009年)の7,190万円は、額にして4,360万円、率にして2.5倍。同じ区内・同じカテゴリでも、築年をひとつまたぐと別世界に見える。
築年帯ごとの中央価格
| 築年帯 | 件数 | 価格中央値 | ㎡単価中央値 | 面積中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 1980年以前(旧耐震) | 770 | 2,830万円 | 58.9万円/㎡ | 50.4㎡ |
| 1981〜1999年(新耐震) | 1,045 | 4,300万円 | 79.9万円/㎡ | 55.8㎡ |
| 2000〜2009年(品確法) | 437 | 7,190万円 | 98.7万円/㎡ | 70.8㎡ |
| 2010〜2019年 | 207 | 7,080万円 | 112.5万円/㎡ | 67.4㎡ |
| 2020年以降(新省エネ基準) | 100 | 7,980万円 | 130.1万円/㎡ | 62.7㎡ |
価格中央値だけを見ると2000〜2009年帯と2010〜2019年帯はほぼ同水準(7,190万円 vs 7,080万円)だが、㎡単価では112.5万円 vs 98.7万円と2010年代のほうが14%高い。つまり同じ総額でも面積が狭くなっている——ここに新築マンションの高騰の影響が滲む。2020年以降になると㎡単価130.1万円と一気に跳ね上がり、面積は62.7㎡に絞られる。専有面積のトレードオフが、築年帯の境界で明確に切り替わる。
新耐震基準・品確法・長期優良の境界で何が起きているか
「新耐震基準」(1981年6月施行、それ以前は旧耐震)の前後で、中央価格は2,830万円→4,300万円、差にして+1,470万円。「品確法」(住宅の品質確保促進法、2000年施行、10年瑕疵保証義務化)を境に4,300万円→7,190万円で+2,890万円の跳ね上がり。品確法の断層のほうが金額として大きい。
築年×間取りを重ね合わせて見ると、旧耐震の3LDKは中央3,980万円、1981〜1999年の3LDKは5,790万円、2000〜2009年は7,798万円、2020年以降は1億1,580万円と、3LDKだけで見ると築年帯を1つ超えるごとに1,800〜3,700万円のジャンプが続く。同じ「3LDK・70㎡クラス」でも、築年が10年違えば予算計画が根本から変わることになる。
旧耐震物件の比率と影響
板橋区の際立った特徴は、旧耐震(1980年以前)が770件・29.8%と、当集計の約3割を占めることだ。前月比では28.3%→29.8%と1.5ポイントの上昇。全国平均や23区平均と比べても厚い比率で、これは築40〜45年帯が区内のマンション売出しで最多クラスタというエリアプロフィールとも一致する。
旧耐震は住宅ローン審査で融資年数が短く設定されやすい、火災保険料が割高、住宅ローン控除の適用に一定の条件(耐震基準適合証明書など)がつく、といった実務的な差が出る。中央価格2,830万円は「板橋区で最も広い実需レンジ」であり、リノベーション費用500〜1,000万円を上乗せしても新耐震の同面積帯より安く仕上がるケースが多い。一方で、2026年4月施行の改正区分所有法により管理組合の意思決定要件が緩和され、築古マンションの建替え・大規模修繕合意形成が進みやすくなった影響は、今後じわじわと築古の「終わり方」を分岐させていくはずだ(推測込み)。
間取り・構造別の相場
3LDKの中央値は6,480万円、1LDKは3,250万円。同じマンションでも間取り違いで3,000万円以上の差が付くのが板橋区の中古マンションだ。
主要間取りの顔ぶれ
| 間取り | 件数 | 価格中央値 | ㎡単価中央値 | 面積中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 1K/1DK | 67 | 2,540万円 | 92.4万円/㎡ | 27.3㎡ |
| 1LDK | 169 | 3,250万円 | 74.5万円/㎡ | 42.7㎡ |
| 2DK/2LDK | 496 | 4,090万円 | 79.9万円/㎡ | 54.1㎡ |
| 3LDK | 633 | 6,480万円 | 93.6万円/㎡ | 68.9㎡ |
| 4LDK以上 | 85 | 7,480万円 | 88.2万円/㎡ | 83.2㎡ |
3LDKが633件で最大シェア、次いで2DK/2LDKが496件と、ファミリー〜共働きDINKS向けが全体の44%を占める。㎡単価が最も高いのは3LDK(93.6万円/㎡)で、4LDK以上(88.2万円/㎡)より高い——大型物件になると㎡あたりの単価は逆に落ちる、という「ボリュームディスカウント」現象が板橋区でも観測できる。
意外なのは1K/1DKの㎡単価92.4万円/㎡で、これは全間取り中で2番目に高い。単身向け小型区画は㎡あたりの内装・設備コストが割高になりやすいためだが、板橋区が単身若年層の流入エリアという性格とも整合する。
構造別の相場(RC / SRC / 鉄骨造)
構造タグの取得できた169件のうち、RC造115件・中央6,480万円(築2003年)、SRC造44件・中央4,990万円(築1987年)、鉄骨造10件・中央2,880万円(築1981年)。RC造は築浅・駅近寄りに集中し、鉄骨造は旧耐震帯の小規模マンションが多い傾向が読み取れる。
RC造とSRC造は耐震・耐久・遮音性能でともに集合住宅の主流。築年帯とセットで見ると、2000〜2009年のRC造は中央6,699万円、2010〜2019年のRC造は7,780万円、2020年以降のRC造は1億300万円と、構造は同じでも築年の断層で価格が段階的に階段を上る様子がわかる。
タワマン・低層マンションの位置づけ
エリアプロフィールに沿って挙げると、板橋区の分譲タワーは 2024年12月に竣工した「シティタワーズ板橋大山 サウスタワー/ノースタワー」 、そして 建設中の「シティタワーズ上板橋」ツインタワー(イースト313戸・地上26階97.46m、セントラル112戸・地上19階59.87m、施主は住友不動産、イーストは2028年5月中旬竣工予定) が代表格。 竣工前の「シティタワーズ上板橋イースト」は近隣事例に基づく参考価格として売買価格相場13,360万円〜13,760万円が示されており (出典: マンションナビ)、既存の中古マンションの上位ラインを大きく上回る水準となっている。
築古中心の板橋区で、こうしたタワー新築の価格水準は「新築プレミアム」の基準点として中古の価格交渉にも影響する。修繕積立金・管理費は築古で月2.5〜3.5万円/70㎡、築浅分譲で3.0〜4.0万円/70㎡が板橋区の目安(エリアプロフィール、詳細一次データは公開情報未確認)。
立地軸でみる相場
駅徒歩の差は、実は「額」より「㎡単価」に強く出る。総額中央値は徒歩1〜5分(4,780万円)と徒歩11〜15分(4,399万円)で400万円弱しか差がないのに、㎡単価は86.5万円/㎡ vs 73.8万円/㎡と17%開く——同じ予算で徒歩を諦めれば1割強広い部屋が買える、というのが板橋区の立地プレミアムの正体だ。
駅徒歩帯ごとの価格感
駅徒歩帯別に本サービス集計を見ると、徒歩1〜5分が809件で中央4,780万円(㎡単価86.5万円)、6〜10分が1,207件で4,099万円(80.4万円)、11〜15分が529件で4,399万円(73.8万円)、16〜20分は20件と少ないながら4,280万円(71.9万円)。徒歩6〜10分帯が最大ボリュームで、板橋区の「実需の中心地」はここ。徒歩11〜15分になると、中央価格はむしろ徒歩6〜10分より高いという逆転が見える——面積中央値が徒歩6〜10分の54.9㎡から徒歩11〜15分の60.0㎡へ広がるためで、広い部屋を求めると自然に駅から遠くなるという板橋区の建物構成の癖が数字にも出ている。
前月比では徒歩1〜5分が445→809件(+81.8%)と大きく伸び、徒歩6〜10分は767→1,207件(+57.4%)、徒歩11〜15分は363→529件(+45.7%)。全帯で掲載が増えたが、駅近の伸びが特に大きい。ただし冒頭に述べたとおり、収集範囲の変動を含む可能性がある点は留意したい。
町丁/地区での偏り
町丁別の中央値を上位で並べると、加賀8,445万円(㎡単価112.7万円、90件)、前野町6,250万円(90.7万円、109件)、小茂根5,680万円(90.8万円、93件)、成増5,580万円(83.7万円、142件)。逆に高島平は2,550万円(46.97万円/㎡、125件)と区内で最も安いレンジで、板橋区の㎡単価分布の下限を形作っている。板橋町は中央値4,580万円だが㎡単価は106.7万円/㎡と3番目に高く、面積52.6㎡と絞られている——「駅近×コンパクト」の板橋駅前商業エリアの色が明確だ。
加賀・前野町の高さは、板橋駅・板橋区役所前駅近接エリアで再開発マンションが並ぶ地域特性、高島平の安さは団地系・築古ストックの厚みと荒川沿いの水害ハザードエリアの一部を含むことが背景にある(エリアプロフィール参照)。
リスク要素と注意ポイント
板橋区の中古マンションを買うにあたって、当サービス集計と公開情報から見えるリスク要素をまとめておく。
当サービス集計のリスク要素
本集計での特筆すべき比率は、旧耐震(1980年以前)29.8%——2,583件中770件。他の主要リスク(再建築不可、借地権、告知事項)は、明示的なフラグ付きの掲載としてはほぼゼロ〜0.04%と少ない。ただしこれは「掲載時にフラグが明示されているか」の話で、実際の物件個別事情はここに現れないケースも多い点は留意。
旧耐震の3割という比率は、住宅ローン審査で「築年数×返済年数」の制約を受けやすく、フラット35の適合証明取得コストや火災保険の割増、住宅ローン控除の適用条件(耐震基準適合証明書 or 既存住宅売買瑕疵保険付保)にも影響する。「安く見えるが総コストで比べる」姿勢が必須のエリアである。
立地に固有のリスク(ハザード)
エリアプロフィールに整理されているとおり、板橋区の北部——舟渡・新河岸・高島平の一部は荒川氾濫版ハザードマップの浸水想定範囲(出典: 板橋区 洪水ハザードマップ、令和7年12月改訂版)。想定最大規模降雨で浸水するエリアが明示されており、重要事項説明でも水害リスク項目の説明が義務化されている。低層階購入時は特に確認が必要。一方、大山・上板橋・ときわ台・成増などの武蔵野台地上のエリアは、水害・液状化ともにリスクが低い。
土砂災害警戒区域は令和4年1月現在で149か所(うち特別警戒区域117か所)——石神井川沿いの一部で該当地があり、崖近接のマンションは要確認だ(出典: 板橋区)。
規制・条例で抑えるべき点
大山駅周辺西地区は 東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」で不燃化特区に指定されており、道路・補助第26号線(幅員20〜23m、大山町地区中央を375mにわたって通過)の整備がすでに事業認可済み (出典: 結エステート)。 大山商店街の中央約3分の1の区間が補助26号線にかかり、アーケードを取り壊して道路が拡張される 予定で、大山町周辺の中古マンションは工事期間中の生活環境変化を織り込む必要がある。
内見時のチェックポイントとしては、①旧耐震・新耐震の別(1981年6月以前の建築確認かどうか)、②修繕積立金の水準と長期修繕計画、③管理組合の総会開催状況(改正区分所有法に対応した規約改定済みか)、④ハザードマップ上の位置、⑤大山周辺なら連続立体交差事業の影響範囲——このあたりを最低ラインで押さえたい。
国交省取引事例で当サービス集計を裏付ける
エリアプロフィールに整理された「板橋区中古マンションの目安:3LDK・築30年前後・駅徒歩7-10分で4,000〜4,500万円帯が中央値レンジ」(出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ)という要約は、本サービス集計の3LDK中央値6,480万円、駅徒歩6〜10分中央値4,099万円と近い位置にある。ただし国交省の要約は成約ベース、本集計は売出ベースで断面が異なるため、単純比較はできない。
板橋区の実取引の四半期件数は例年200〜300件規模(出典: 国交省 不動産情報ライブラリ)とされ、当サービスが期間中に掲載終了となった1,185件のうち一定割合が実際の成約に対応していると推定できる(あくまで推測、正確な突合は公開情報未確認)。外部の公式統計と本サービス集計の中央価格レンジが大きく乖離していないという点は、月次レポートとしての信頼性を担保する材料としてここに記しておく。
データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」
安い物件、高い物件。それぞれにどんな顔ぶれが並んでいるかを、下位10%と上位10%の切り口で覗いてみる。
下位10%: 1,999万円以下に並ぶ物件
下位10%層は256件、境界価格は1,999万円。この層の中央属性は築1979年・専有31.6㎡・駅徒歩7分。「築45年以上・30㎡前後・駅徒歩7〜10分」がお得ゾーンの標準像だ。高島平・坂下・中台といった北部・低地エリアに集中し、旧耐震・小規模マンションが中心。
このゾーンが向いているのは、①リノベ前提の一次取得層(総額1,500万円+リノベ500〜800万円で完結)、②相続や投資用途の実需以外の買い手、③長期保有せず数年で入れ替える前提の若年単身層。フラット35は使えず、都市銀行の住宅ローンでも返済年数が20年以下に絞られやすいため、現金比率を厚く持てる読者向けと言える。
上位10%: 7,999万円以上に並ぶ物件
上位10%層は256件、境界価格は7,999万円。中央属性は築2009年・専有75.2㎡・駅徒歩7分。加賀・大山町・板橋町の再開発隣接エリア、および前野町の築浅3LDK〜4LDK層が中心だ。「シティタワーズ板橋大山」など駅前タワーが上位を押し上げている。
このゾーンは、①池袋・大手町通勤の共働きファミリー(住宅ローン控除・団信フル活用の主力層)、②相続税対策で都心区分所有を選ぶ富裕層、③在宅勤務と教育環境の両立を求める子育て世代——といった顔ぶれ。1億円台後半の物件も82件あり、板橋区が「安いエリア」というイメージを塗り替える上位層が形成されつつある。
本稿で描いた分布のどこを狙うかが決まったら、次は条件を絞って監視するフェーズだ。掲載終了までの中央値がわずか12日、下位25%は4日という当サービスの流通速度データを考えると、サイトを1日1回巡回するだけでは「消えた後」に気づく設計になっている。とくに下位10%層のような「お得ゾーン」は、価格改定なしで初出のまま消えていく個体が多い。毎日の自動追跡が、欲しい一物件への最短ルートになる。
よくある質問(当サービス集計での回答)
Q1: 東京都板橋区 中古マンションの中古相場はいくらですか?
A. 本サービス集計(2026-06-02〜2026-07-02、2,583件)では、価格中央値は4,299万円、平均は4,860万円、㎡単価中央値は79.9万円/㎡。価格レンジは670万円〜1億6,500万円と幅広く、3,500〜4,500万円台に最大の山があります。
Q2: 東京都板橋区 中古マンションの買い時はいつですか?
A. 本集計のみでは「買い時」は断定できません。ただし、掲載から掲載終了までの日数は中央値12日(下位25%は4日)と短く、良条件は月内に動く傾向にあります。当月は下位25%の価格ラインが前月比−7.5%と下振れしており、安めのボリューム帯が一時的に厚くなった月、と読めます(推測)。
Q3: 旧耐震の物件はどれくらい流通していますか?
A. 本サービス集計では、1980年以前(旧耐震)が29.8%(770件)と、当月データの約3割。前月28.3%から1.5ポイント上昇しました。中央価格は2,830万円で、板橋区の「下位ボリューム」の主役です。ただし住宅ローンや保険料の面で新耐震と異なる扱いになりやすい点は要確認。
Q4: 東京都板橋区 中古マンションで㎡単価が高いのはどんな条件ですか?
A. 本集計では、2020年以降築が130.1万円/㎡、2010〜2019年築が112.5万円/㎡、町丁別では加賀(112.7万円/㎡)と板橋町(106.7万円/㎡)が突出。「築浅×駅近×再開発隣接」の3条件がそろうと㎡単価は集計全体の中央値79.9万円/㎡を4〜6割上回る水準になります。
Q5: 駅徒歩の差で価格はどれくらい変わりますか?
A. 本集計では、駅徒歩1〜5分の中央値4,780万円に対し、6〜10分は4,099万円、11〜15分は4,399万円。金額差は徒歩1〜5分と6〜10分で約680万円ですが、11〜15分になると面積が広がるため総額はむしろ回復します。㎡単価で見ると徒歩1〜5分86.5万円 vs 徒歩11〜15分73.8万円と、こちらのほうが素直に差が出ます。
Q6: 2026年7月時点で、板橋区で「今動いている」注目エリアはどこですか?
A. 本集計と公開情報を組み合わせると、上板橋(住友不動産のツインタワー「シティタワーズ上板橋」が2026年3月にイースト第1期販売開始予定、2028年5月竣工予定・出典: SUUMO / 超高層マンション・超高層ビル)と大山(クロスポイント周辺のツインタワー竣工済み+補助26号線・連続立体交差事業進行中・出典: 板橋区)の2駅が最も動いています。両エリアの中古マンションは、新築の販売価格を天井として値付けが強含む可能性があります(推測)。
Q7: 狙いの条件で東京都板橋区 中古マンションの新着を毎日追うには?
A. 当サービス(物件ウォッチ)は、athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMOなどの13サイトを15分間隔で自動巡回し、条件に合致する新着物件をLINEに即時通知します。「新耐震・3LDK・駅徒歩10分以内・6,500万円以下」のような複合条件も設定可能で、無料プランなら24時間遅延版で試せます。本稿で見た「掲載終了までの中央値12日」という流通速度を考えると、自動追跡は事実上必須と言えます。
2026年7月のハイライトと注意点
当月データで最も特筆すべきは、2010〜2019年築の掲載が91→207件へ+127.5%という築年帯の急変だ。中央価格7,080万円は据え置きで、価格ではなく「量」が動いた月と読める。仮説として、竣工10〜15年目の大規模修繕を控えた管理組合の議論と、2026年4月施行の改正区分所有法対応が重なり、売却検討に回るケースが増えた可能性があるが、これは推測の域を出ない(次月以降の継続観測が必要)。
前月比で見ると、総件数は+60.4%、駅徒歩1〜5分は+81.8%、旧耐震帯は+69.2%——全帯で掲載が厚くなった月だ。ただし冒頭で述べたとおり、この件数変動は当サービスの収集範囲の変動を含む可能性があり、市場実需の急変とは切り分けて読む必要がある。
本レポートの限界として、①表示価格は売出時点であって成約価格ではないこと、②同じ物件が複数サイトに掲載されている場合はそれぞれを1件として数えていること——この2点は特に押さえておいてほしい。継続観測では、上板橋・大山の再開発進捗と、旧耐震比率の推移を主要ウォッチ項目にしていく。
本レポートは、物件ウォッチが13サイト(athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)から自動収集した2,583件の掲載データに基づく集計です。日本の不動産市場全体の動向を示すものではありません。分析対象期間は2026-06-02〜2026-07-02、月1回の更新を予定しています。
2,583件超の東京都板橋区 中古マンションから条件に合う1件を
特に 新耐震RC・駅徒歩5分以内, 築古2,000万円台のリノベ素材, 上板橋・大山の再開発隣接3LDK は早く動きます。13サイトの新着を15分間隔でチェックして、LINEで即通知。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
他のレポート
過去の東京都板橋区 中古マンションに関する記事
- 2026年7月3日 東京都板橋区 中古マンションの月次相場レポート (この記事)
- 2026年6月 東京都板橋区 中古マンションの月次相場レポート
※ この記事のデータは物件ウォッチがathome・センチュリー21・大京穴吹不動産・大和ハウス・長谷工の仲介・HOME4U・LIFULL HOMES・東急リバブルなど13サイトを横断して収集した2026年7月3日時点の情報です。実際の価格・在庫は各サイトにてご確認ください。現在掲載中の注目物件20件は 東京都板橋区 中古マンションの注目物件一覧 から確認できます。