築年ひとつで価格+188%増、江戸川区 中古マンションの断層を2085件で検証

最終更新: | 2,085件・13サイトのデータに基づく

「築古はとにかく安い」——そんな漠然としたイメージを、今回の集計は数字でひっくり返してくる。2020年以降築の中古マンションは中央値1億1,500万円。1980年以前の旧耐震物件は3,999万円。同じ江戸川区の中古マンションなのに、築年帯をまたぐだけで価格は+188%増にまで跳ね上がる。当サービスが13サイトから収集した2085件のデータを使い、2026年6月6日〜7月6日の1ヶ月間に何が起きていたのかを解剖する。

📝 本稿の読み方

市場サマリー

集計件数
2,085件
中央値価格
5,294万円
㎡単価中央値
76.6万/㎡
価格帯 (Q1–Q3)
4,190〜6,885万円

東京都江戸川区 中古マンションの新着を見逃さない

今月の注目: 2020年以降築, 駅徒歩5分以内, 南小岩・平井エリア
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TL;DR / 今月の要点

東京都江戸川区 中古マンションの全体像(当サービス集計)

2085件という数字は、単純な統計サンプルではない。athomeやSUUMOのような総合サイトから、長谷工の仲介や住友ステップのような専門系まで、13サイトを横断して同じ月に「実際に売りに出ていた」物件の集まりだ。ここから東京都江戸川区 中古マンションの現在地を読み解いていく。

収集した2085件の内訳

当サービスが収集した2085件の内訳を見ると、SUUMO(632件)とLIFULL HOMES(394件)、athome(385件)の3サイトだけで全体の過半を占める。一方でセンチュリー21(98件)、ピタットハウス(133件)、ノムコム(122件)、三井のリハウス(89件)、長谷工の仲介(73件)なども一定のボリュームで掲載しており、専門仲介系サイトを含めて横断集計することで、単一サイトだけでは見えない相場の全体像を描けているのが本集計の強みだ。住友ステップ(28件)や大和ハウス(6件)のように件数が少ないサイトの数値は、傾向として参考程度に見るのが妥当だろう。

価格はどこに集中しているか

本集計の価格分布は、中央値5,294万円に対して平均は5,949万円とやや高めに引っ張られている。これは高値の裾を引いた分布になっているためで、最大1億7,580万円という高額物件が全体の平均を押し上げている格好だ。最安値は500万円。下位5%ラインは2,280万円、上位5%ラインは1億2,200万円という開きは、同じ「江戸川区の中古マンション」という括りの中に、単身者向けワンルームから億超えファミリー向けまで幅広い商品群が同居していることを物語る。

掲載開始・掲載終了の動き

週次の推移を見ると、6月13日週に新規掲載1,443件・掲載終了48件という突出した動きがあり、以降6月20日週373件/96件、6月27日週452件/232件、7月4日週(部分集計)252件/59件と続く。新規掲載2,520件に対し掲載終了435件、比率にして約5.8倍という極端な差は、観測期間の集計対象拡大などの技術的要因を含んでいる可能性があり、そのまま「供給が急増した」と読むのは早計だ。推測だが、初週の突出は集計システム側でのデータ取り込みタイミングによる面が大きいとみられ、実勢の需給バランスを測る指標としては参考程度に留めておきたい。

築年ごとの相場と「価格の断層」

東京都江戸川区 中古マンションには、はっきりとした築年の断層がある。1年違いではなく、法改正の節目をまたぐごとに価格帯そのものが入れ替わる——そんな構造が本集計から浮かび上がる。

築年帯ごとの中央価格

築年帯ごとの中央価格
築年帯 件数 中央値 ㎡単価中央値
1980年以前(旧耐震) 411 3,999万円 60.83万円/㎡
1981〜1999年(新耐震) 648 4,925万円 69.92万円/㎡
2000〜2009年(品確法) 502 5,980万円 81.77万円/㎡
2010〜2019年 241 6,980万円 101.97万円/㎡
2020年以降(新省エネ基準) 241 1億1,500万円 163.95万円/㎡

新耐震基準・品確法・長期優良の境界で何が起きているか

新耐震基準(1981年6月施行)の前後では、中央値が3,999万円から4,925万円へと926万円上昇。これ自体も小さくないが、本当の断層はその先にある。品確法(住宅の品質確保促進法、2000年施行、10年瑕疵保証義務化)の節目である2000年前後では、1981〜1999年築の4,925万円から2000〜2009年築の5,980万円へ1,055万円の差。さらに長期優良住宅認定制度(2009年施行)の節目を越えた2010〜2019年築は6,980万円で、2000年代築より1,000万円高い。そして2020年以降築は1億1,500万円と、直前の築年帯から4,520万円もの跳躍だ。

間取り別に重ねてみると、3LDKは2000〜2009年築で5,980万円だったのが2020年以降築では1億2,380万円とほぼ倍増しており、同じ間取りでも築年の違いが価格を支配していることがわかる。2DK/2LDKも2000年代の5,590万円から2020年以降の9,980万円へと大きく上昇しており、築年による価格差は間取りを問わず一貫した傾向として現れている。

旧耐震物件の比率と影響

当サービス集計でリスク要素の比率を見ると、旧耐震物件は411件で全体の19.7%を占める。つまり掲載中の中古マンション5件に1件は旧耐震にあたる計算だ。旧耐震物件は住宅ローンの審査で融資期間が短く設定されがちで、地震保険料も相対的に高くなりやすいという一般的な傾向がある。中央値3,999万円という価格の安さだけで判断せず、耐震診断の有無や管理組合の大規模修繕履歴を確認したうえで検討したい。

間取り・構造別の相場

3LDKの中央値は6,280万円。同じ江戸川区の中古マンションでも、1LDK(4,480万円)との差は+1,800万円に達する。間取りという一見シンプルな軸だけで、これだけの価格差が生まれている。

主要間取りの顔ぶれ

主要間取りの顔ぶれ
間取り 件数 中央値 ㎡単価中央値
1R 4(参考値) 5,780万円 125.19万円/㎡
1K/1DK 25(傾向) 1,790万円 73.66万円/㎡
1LDK 73 4,480万円 69.92万円/㎡
2DK/2LDK 316 4,780万円 74.30万円/㎡
3LDK 706 6,280万円 83.12万円/㎡
4LDK以上 135 7,280万円 85.46万円/㎡

3LDKが706件と圧倒的な最多勢力であり、当サービス収集データ全体の3割強を占めるファミリー向け中心の市場構造がうかがえる。1K/1DKは25件と少数派で、中央値1,790万円という価格は築年の古さ(中央築年1976年)を色濃く反映したもので、傾向として参考程度に見るべき数字だ。

構造別の相場(RC・SRC・鉄骨)

構造別に見ると、RC造(鉄筋コンクリート造)は54件で中央値6,698万円、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は34件で中央値4,980万円と、RC造のほうが高い水準にある。これはRC造の中央築年が2009年と比較的新しいのに対し、SRC造は1996年築が中心という築年構成の違いが影響している可能性が高い。鉄骨造は9件・中央値1,790万円と少数サンプルであり、参考値として捉えたい。一般に構造の違いは耐震性・遮音性・断熱性能に関わるとされ、同じ価格帯でも構造次第で住み心地の印象は変わってくる。

修繕積立金・管理費の傾向

エリア特有のブランド系列や修繕積立金の典型値については、今回のエリア調査では具体的な裏付け情報が確認できなかった(公開情報未確認)。内見の際は管理組合の長期修繕計画と積立金残高を必ず確認する、というのが実務上の基本線になる。

立地軸でみる相場

駅徒歩1〜5分の物件と21分以上の物件では、㎡単価に34.76万円/㎡もの差がつく。都心直結路線が複数走る江戸川区らしく、駅近プレミアムがくっきり数字に出ている。

駅徒歩帯ごとの価格感

当サービス集計では、駅徒歩1〜5分が611件・中央値6,480万円・㎡単価94.32万円/㎡。6〜10分は641件・5,480万円・79.86万円/㎡。11〜15分は410件・4,980万円・72.87万円/㎡。16〜20分は191件・4,900万円・63.73万円/㎡。21分以上は109件・4,290万円・59.56万円/㎡と、駅から離れるほど段階的に下がっていく。1〜5分と21分以上を㎡単価で比べると差は+34.76万円/㎡で、駅近が明確に価格を押し上げていることが数字からわかる。ただし1〜5分帯は上位の目安が1億1,500万円と幅も広く、駅近=高額とは限らない一定の割安物件も混在している点は付言しておきたい。

町丁ごとの偏り

町丁別の集計では、南小岩が139件・中央値1億1,900万円・㎡単価158.45万円/㎡と区内で突出して高い。中央築年2025年という新しさが背景にあるとみられる。次いで平井が142件・8,480万円・120.35万円/㎡、西小岩が122件・6,680万円・93.97万円/㎡と続く。一方で西葛西(256件・5,290万円)、中葛西(191件・4,680万円)、南葛西(158件・4,290万円)は東西線沿線の主要エリアながら中央値は控えめで、築年の古さ(いずれも1980年代築が中心)が価格を抑える要因になっていると考えられる。同じ江戸川区内でも、路線・駅・築年の組み合わせ次第で価格帯がまったく異なる複数の市場が併存している、という見方ができる。

リスク要素と注意ポイント

当サービス集計のリスク要素

当サービスの集計でリスク要素の比率を確認すると、旧耐震物件が411件で19.7%。一方で再建築不可・借地権・告知事項ありの物件は、今回の集計期間ではいずれも該当0件だった。これは掲載情報にその属性が明記されていなかったことを示すものであり、絶対に存在しないという意味ではない点に注意したい。

立地に固有のリスク

江戸川区は荒川・江戸川に挟まれた東部低地に位置するエリアで、浸水想定区域や液状化リスクの具体的な公式データは今回のエリア調査では確認できなかった(公開情報未確認)。購入検討時は国土交通省などが公開しているハザードマップを個別に確認することを強くすすめたい。

規制・条例で抑えるべき点

用途地域の構成比率や容積率の区内典型値、景観条例の詳細についても、今回は確度の高い最新情報を確認できなかった(公開情報未確認)。内見時は管理規約・重要事項調査報告書で用途地域や建ぺい率・容積率を個別に確認する姿勢が欠かせない。

データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」

安い物件、高い物件。それぞれにどんな顔ぶれが並んでいるか、当サービスの集計から輪郭を描いてみる。

下位10%:3,280万円以下に並ぶ物件

下位10%層(203件)の中央値属性は、築年1979年・専有面積43.2㎡・駅徒歩9分。価格の安さは築古・コンパクト・駅からやや距離あり、という組み合わせに支えられている。リノベーション前提の実需層や、単身〜二人暮らし向けのコンパクト住まいを探す層に向いているゾーンといえそうだ。

上位10%:9,980万円以上に並ぶ物件

上位10%層(203件)は、中央値築年2025年・専有面積79.36㎡・駅徒歩3分と対照的な顔ぶれ。新築同様の築浅・広め・駅近という三拍子がそろっており、ファミリー層や資産性重視の購入者が中心的なターゲットになっていると読める。

本稿で描いた分布のどこを狙うかが決まったら、次は条件を絞って監視するフェーズに入る。掲載終了までの中央値は6日、人気物件はそれよりさらに短い期間で市場から姿を消していく。狙うゾーンが下位10%であれ上位10%であれ、毎日の自動追跡なしに好条件を捉え続けるのは容易ではない。

よくある質問(当サービス集計での回答)

Q1. 東京都江戸川区 中古マンションの中古相場はいくらですか? 当サービスの集計では、価格中央値は5,294万円です。下位の目安(4分の1)は4,190万円、上位の目安(4分の1)は6,885万円で、㎡単価の中央値は76.6万円/㎡でした。

Q2. 東京都江戸川区 中古マンションの買い時はいつですか? 当サービスの集計だけから「買い時」を断定することはできませんが、掲載終了までの中央値が6日という短さを踏まえると、条件に合う物件が出た瞬間に動ける準備をしておくことが重要だと考えられます(推測だが、良条件の物件ほど早く決まりやすい)。

Q3. 旧耐震の物件はどれくらい流通していますか? 本集計では旧耐震物件(1980年以前築)が411件で、全体の19.7%を占めていました。5件に1件程度は旧耐震にあたる計算です。

Q4. 東京都江戸川区 中古マンションで㎡単価が高いのはどんな条件ですか? 本サービス集計では、2020年以降築(163.95万円/㎡)、駅徒歩1〜5分(94.32万円/㎡)、南小岩エリア(158.45万円/㎡)が高値ゾーンとして目立ちました。築浅・駅近・特定エリアの組み合わせが価格を押し上げている構図です。

Q5. 駅徒歩の差で価格はどれくらい変わりますか? 当サービスの集計では、駅徒歩1〜5分の㎡単価が94.32万円/㎡、21分以上が59.56万円/㎡で、差は+34.76万円/㎡でした。駅近ほど明確に単価が高くなる傾向が読み取れます。

Q6. 南小岩エリアが今回突出して高いのはなぜですか? 本サービス集計では、南小岩の中央値が1億1,900万円と区内町丁別で最高値でした。中央築年が2025年と非常に新しく、築浅物件の供給が中央値を押し上げているとみられます(推測であり、個別の再開発事情は今回のエリア調査では確認できていません)。

Q7. 狙いの条件で東京都江戸川区 中古マンションの新着を毎日追うには? 当サービス(物件ウォッチ)は、athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMOの13サイトを15分間隔で自動巡回し、条件に合致する新着物件をLINEに即時通知します。「築20年以内×3LDK」のような複合条件も設定可能で、無料プランなら24時間遅延版から試せます。本稿で見た「掲載終了まで中央値6日」という流通速度を考えると、自動追跡は事実上必須といえるでしょう。

2026年7月のハイライトと注意点

今回最も特筆すべきは、2020年以降築が1980年以前築に対して+188%増という価格差をつけている点だ。築年の断層は品確法・長期優良住宅認定制度の節目ごとに段階的に現れており、単一の要因ではなく複数の法改正が積み重なった結果とみられる。一方で、新規掲載2,520件・掲載終了435件という週次データは観測期間の技術的な偏りを含む可能性があり、供給トレンドの結論づけには使わない方が無難だ。表示価格は売出時点のものであり実際の成約価格ではない点、同一物件が複数サイトに重複掲載されている可能性がある点も、継続して意識しておきたい留意事項である。今後も月次で同じ切り口の推移を追い、断層の動き方を継続観測していく。

本レポートは、物件ウォッチが13サイト(athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)から自動収集した2085件の掲載データに基づく集計です。日本の不動産市場全体の動向を示すものではありません。分析対象期間は2026年6月6日〜2026年7月6日。次回更新は月1回を予定しています。

2,085件超の東京都江戸川区 中古マンションから条件に合う1件を

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