駅徒歩21分以上の中央値が2,870→980万円、南区の土地は「距離より区画」で決まる | 京都府京都市南区 土地 中古相場分析【2026年8月版】— 240件集計
駅から遠いほど安い——それは南区の土地では半分しか当たっていません。当サービスが9サイトから収集した京都市南区・土地240件(2026年7月6日〜8月5日)を集計すると、価格中央値は3,096万円、㎡単価中央値は38万円/㎡。ところが駅徒歩11〜15分帯の中央値3,200万円が、徒歩6〜10分帯の2,998万円を上回っています。距離より「区画の広さと形」が値段を決めている構図です。注文住宅の用地としてどこを見るべきか、数字から読み解きます。
市場サマリー
京都府京都市南区 土地の新着を見逃さない
今月の注目: 敷地90㎡以上 3,500万円以下, 駅徒歩15分以内, 建築条件なし
9サイトを15分間隔で自動チェック。新着が出たらLINEに即通知します。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
📝 本稿の読み方
- 分析対象: 9サイト(athome, センチュリー21, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)の掲載データ 240件、期間 2026-07-06 〜 2026-08-05
- 集計方法: 期間中に各サイトに掲載されていた物件を集計しています。価格変更などで同じ物件が再掲載された場合は、URLでまとめて1件として扱っています。
- 表示価格は売出時点の価格で、実際に成約した価格ではありません
- 同じ物件が複数サイトに掲載されている場合は、それぞれを1件として数えています
- 週次レポートとは数字が一致しません: 本月次レポートは直近30日間に掲載が確認できた物件を期間全体で集計します(複数サイトに掲載された物件は各サイトで1件ずつ、同一サイト内の再掲載はURLでまとめて1件)。週次レポートは週末時点に掲載中だった物件だけを切り取る断面集計のため、重複の数え方・集計窓・時点の取り方が異なり、件数や中央値は月次と週次で一致しないのが正常です
TL;DR / 今月の要点
- 当サービスが収集した240件(うち価格判明237件)の価格中央値は3,096万円、下位の目安2,280万円、上位の目安5,000万円、㎡単価中央値は38万円/㎡
- 前月比で最も動いたのは駅徒歩21分以上帯。中央値2,870万円→980万円(−65.9%)だが件数7件の少数参考値であり、断定は避けたい
- 駅徒歩6〜10分帯の件数が55→84件に増加(前月比+52.7%の増加)。ただし当サービスの収集範囲の変動を含む可能性があります
- 徒歩11〜15分の中央値3,200万円 > 徒歩6〜10分の2,998万円。中央面積が87.74㎡対64.03㎡と広いことが効いており、「駅近=高い」が単純に成立していない
- 上位10%の境界は1億3,880万円(中央面積164.56㎡)、下位10%の境界は1,380万円(中央面積45.05㎡)。同じ「土地」の中に7倍以上のレンジがある
- 再建築不可の表示があるのは240件中1件(0.4%)、告知事項ありも1件(0.4%)。表示上のリスク要素は少ないが、接道の実測確認は別途必要
- 掲載終了までの日数は中央値22.5日、安めの4分の1は7日。動きの速い区画は1週間で消えている
📊 今月の主要数値(当サービス集計)
- 価格中央値: 3,096万円
- ㎡単価中央値: 38.0万円/㎡
- 中央値の前月比: -4.9%
- 集計件数: 240件(9サイト)
- 掲載期間の中央値: 22.5日
今月のトップ3変化(前月比)
駅徒歩21分以上帯の中央値が2,870→980万円へ
当サービス集計で最も大きく動いたのがこの帯。前月は2,870万円、今月は980万円で−65.9%。ただし件数は7件の少数参考値で、中央面積52.2㎡・㎡単価18.77万円/㎡という小ぶりな区画がまとまって出た影響が大きいと読める。推測だが、久世築山町方面の小区画分譲がこの帯の顔ぶれを塗り替えた可能性がある(確証なし)。相場全体が3分の1になったわけではない。
駅徒歩6〜10分帯が55→84件に増加
本集計での件数は前月55件から84件へ、+52.7%の増加。中央値は4,980万円→2,998万円と下がっているが、これは中央面積が小さめの64.03㎡に寄ったことによる総額の低下と読める。㎡単価は38.18万円/㎡で全体中央値と近い水準。なお件数変動は当サービスの収集範囲の変動を含む可能性があり、需給の変化と即断はできない。
上位10%の境界価格が2億4,800万円→1億3,880万円へ
高額帯の顔ぶれが入れ替わった。前月の上位ラインは2億4,800万円、今月は1億3,880万円で−44.0%。上位5%ラインも1億6,504万円まで下がっている。大型の事業用地級の掲載が減り、160㎡台の区画が高額帯の主役になった格好だ。注文住宅の用地を探す読者にとっては、上限側のノイズが減って中央値周辺が読みやすくなった月と言える。
京都府京都市南区 土地の中古市場の輪郭(当サービス集計)
240件の顔ぶれ
当サービスが9サイトから収集した京都市南区・土地は、2026年7月6日〜8月5日の期間で240件。内訳はSUUMO64件、センチュリー21が57件、LIFULL HOMES51件、athome41件、HOME4U19件、住友ステップ4件、三井のリハウス2件、東急リバブルとノムコムが各1件。上位4サイトで全体の8割超を占め、掲載の厚みには明確な偏りがある。逆に言えば、1サイトだけを見ている状態では南区の土地情報の半分も見えていない、ということでもある。
価格はどこに集中しているか
価格が判明した237件の中央値は3,096万円。安めの4分の1のラインが2,280万円、高めの4分の1が5,000万円で、注文住宅の用地を探す層のボリュームゾーンは2,000万円台〜3,000万円台に固まっている。実際、価格帯の分布を見ると2,000〜2,500万円が33件、2,500〜3,000万円が39件、3,000〜3,500万円が43件と、この3つの階層だけで115件——全体のほぼ半分だ。
一方で平均は5,519万円。中央値より2,400万円以上高い。これは1億円超の大型区画が高値の裾を引いているためで、最大値は3億8,000万円、最上層(上位5%)のラインは1億6,504万円に達する。最安層(下位5%)は1,260万円、最小値は499万円。同じ「南区の土地」というくくりの中に、実質的には別の市場が二重三重に重なっている。㎡単価中央値は38万円/㎡で、坪換算すると概ね125万円前後。
掲載開始・終了の動き
本集計期間中の新規掲載は121件、掲載終了は103件。週別では7月27日週に新規55件が集中しており、夏場の掲載更新タイミングが読み取れる。掲載終了までの日数は中央値22.5日、安めの4分の1は7日、高めの4分の1は30.75日。つまり半分の区画は3週間強で掲載一覧から姿を消し、4分の1は1週間で見えなくなる。なお件数の増減には当サービスの収集範囲の変動を含む可能性があるため、これだけで需給の強弱を断定はしない。
価格帯の断層と区画条件(築年ではなく土地条件で読む)
南区の土地には、面積の境界ではっきりとした「価格の断層」がある。しかも段差の位置は50㎡・100㎡・200㎡という、注文住宅の間取り計画とちょうど重なるラインだ。
面積帯ごとの中央価格
当サービス集計では面積帯を直接切り出した集計値を持たないため、駅徒歩帯別・下位上位グループ別の中央面積と㎡単価から輪郭を描く。以下は本集計の各グループの中央値をそのまま並べたもので、面積帯を独立に集計した数字ではない点にご注意いただきたい。
| グループ | 中央面積 | 中央価格 | ㎡単価中央値 |
|---|---|---|---|
| 下位10%層(23件) | 45.05㎡ | 境界価格1,380万円 | ― |
| 徒歩6〜10分(84件) | 64.03㎡ | 2,998万円 | 38.18万円/㎡ |
| 徒歩11〜15分(101件) | 87.74㎡ | 3,200万円 | 37.9万円/㎡ |
| 徒歩1〜5分(36件) | 104㎡ | 4,580万円 | 44.04万円/㎡ |
| 上位10%層(23件) | 164.56㎡ | 境界価格1億3,880万円 | ― |
50㎡未満・200㎡以上の帯を単独で切り出すには本集計では十分なサンプルがなく、ここでは数字を作らない。ただし下位10%層の中央面積が45.05㎡、上位10%層が164.56㎡という事実は、価格の上下がほぼ面積で説明できることを示している。
50/100/200㎡の境界で何が起きているか
最も重い断層は50㎡前後だ。徒歩21分以上帯(7件の少数参考値)の中央面積52.2㎡・㎡単価18.77万円/㎡に対し、徒歩1〜5分帯の中央面積104㎡・44.04万円/㎡。㎡単価の差は約25.3万円/㎡と2倍を超える開きになる。狭小地は総額980万円台まで落ちる一方、㎡単価が安いのは「その面積では建てにくい」ことの裏返しでもある。
100㎡の境界は延床計画の分水嶺。仮に建ぺい率60%・容積率200%の敷地で85㎡なら1階の建築面積は51㎡が上限、総2階でも延床102㎡が理屈上の天井だ。3LDK延床100㎡を狙うなら、80㎡台の敷地では庭も駐車場もかなり削る前提になる。徒歩11〜15分帯の中央面積87.74㎡・中央値3,200万円が、まさにこのぎりぎりのゾーンに当たる。
200㎡以上になると顔ぶれが変わる。上位10%層の中央面積164.56㎡、境界価格1億3,880万円。これは注文住宅1棟の用地ではなく、区画分割や事業利用を前提にした土地が混ざっていると読める。なお京都市には景観条例に基づく高さ・意匠の規制があり南区も対象となる(出典: エリアプロフィール)ため、広い土地でも上に伸ばす設計は制約を受ける可能性がある。
建築条件付き vs 自由設計の断層
ここが本集計の弱点でもあり、読者が最も注意すべき点でもある。当サービスが収集した240件では、建築条件付きか自由設計かを機械的に判別できる項目が揃っていない。構成比を出せないので数字は書かない。
ただし価格分布からヒントは読める。2,000〜3,500万円に115件が密集し、しかも近接した価格(たとえば1,624万円や2,888万円といった同一町丁での中央値と四分位が一致するケース)が並ぶのは、同一分譲の複数区画が同時掲載されているパターンで起きやすい。推測だが、こうした区画群には建築条件が付いているものが一定数含まれる可能性がある(確証なし)。
実務上の意味は大きい。土地2,500万円+建物2,000万円で総額4,500万円のつもりが、指定ビルダーの仕様では建物が2,600万円になる、というのはよくある話だ。土地の安さだけで比較すると総額を読み違える。掲載情報の「取引条件」「建築条件」欄と、条件付きの場合の建築請負契約期限(3ヶ月が一般的)は、最初の問い合わせで必ず確認しておきたい。
用途地域・接道条件でみる価格差
京都市南区で家を建てる土地、坪単価で見ると注文住宅向けの現実的なゾーンは坪100万〜130万円あたりに集中している。当サービス集計の㎡単価中央値38万円/㎡がその中心だ。
想定延床から逆算する「買える面積帯」
3LDK・延床100㎡を建てたい家族の場合。総2階で組むなら1階の建築面積は50㎡強。建ぺい率60%なら敷地は85㎡以上、建ぺい率50%なら100㎡以上が必要になる。本集計で徒歩6〜10分帯の中央面積が64.03㎡、徒歩11〜15分帯が87.74㎡という数字を踏まえると、3LDK・100㎡を無理なく収めるには徒歩11〜15分帯の中央値3,200万円クラスが現実的なラインだ。徒歩10分以内の64㎡台では、3階建てや吹き抜けを削る設計判断が入ってくる。
4LDK・延床120㎡になると話が変わる。1階60㎡+2階60㎡と考えれば建ぺい率60%で敷地100㎡、駐車場1台と最低限の外周を確保するなら110㎡前後は見ておきたい。本集計で中央面積104㎡に達するのは徒歩1〜5分帯で、その中央値は4,580万円。つまり「駅近×4LDK用地」は4,500万円台からのスタートと読める。予算を3,000万円台に抑えるなら、徒歩11〜15分帯で90〜110㎡の区画を根気よく待つのが定石になる。この待ち方こそ、新着通知の出番だ。
用途地域構成(建てられる/建てにくいの判定)
南区の用途地域構成について、公開情報として確認できた比率はない。ただしエリアプロフィールでは、南区は工業地域・準工業地域が比較的多く住居系・商業系と混在するとされ、区内でも西部の久世・上鳥羽方面は工業・物流系、東部の東寺・九条周辺は住宅・商業系の性格が強いと整理されている(出典: エリアプロフィール)。具体的な比率は公開情報未確認だ。
注文住宅の用地としての推奨度を整理すると、第一種低層住居専用地域は環境面で理想だが容積率が低く(一般に容積率80〜150%程度)、延床120㎡を狙うなら敷地面積が必要になる。第一種中高層住居専用地域・第一種住居地域は容積率200%前後が多く、100〜120㎡の延床計画と相性が良い。準工業地域・工業地域は住宅の建築自体は可能でも、隣地に工場や倉庫が来る前提を織り込む必要がある。エリアプロフィールでも、隣接地の用途による騒音・振動・臭気の確認、名神高速道路や幹線道路沿いの騒音・排ガスへの注意が挙げられている(出典: エリアプロフィール)。本集計で件数の多い久世中久世町(18件、中央値1,624万円、中央面積42.3㎡)は西部エリアにあたるため、価格の安さの背景として周辺用途の確認は欠かせない。
接道・形状・建築条件(家を建てる現実的観点)
当サービスが収集した240件で、旗竿地・整形地の別を機械的に判定できる項目は揃っていない。構成比は出さない。代わりに使えるのが㎡単価のばらつきだ。同じ徒歩11〜15分帯の中で中央値3,200万円に対し、安めの4分の1が2,431.5万円、高めの4分の1が5,100万円。この開きの一部は形状・接道条件によるものと解釈できる(推測、確証なし)。
表示上のリスクは意外に少ない。本集計で再建築不可の表示があったのは240件中1件(0.4%)、告知事項ありも1件(0.4%)。ただしこれは「表示がない=安心」ではない。接道が幅員4m未満の場合のセットバック、2m接道の実測、私道の持分と通行掘削承諾——このあたりは掲載情報だけでは読み切れない。現地では高低差と擁壁の有無、上下水道・都市ガスの引込み位置も確認したい。前面道路に本管があっても、敷地内に引込みがなければ工事費が別途かかる。地盤についても、南区は桂川・鴨川に近接するため浸水想定区域が一部存在するとされるが、京都市ハザードマップでの具体的な位置づけは公開情報未確認(出典: エリアプロフィール)。地盤改良費が数十万〜百万円単位で乗る可能性は、資金計画の最初から見ておくのが安全だ。
立地軸でみる相場(駅徒歩・エリア内の偏り)
意外なことに、南区では駅に近いほど総額が高いという単純な図式が崩れている。
当サービス集計の駅徒歩帯別中央値は、徒歩1〜5分が4,580万円(36件)、6〜10分が2,998万円(84件)、11〜15分が3,200万円(101件)、16〜20分が2,376.5万円(12件、傾向として見る程度)、21分以上が980万円(7件の少数参考値)。徒歩11〜15分の3,200万円が徒歩6〜10分の2,998万円を上回っている——差は約200万円だ。
カラクリは面積にある。中央面積は徒歩6〜10分が64.03㎡、11〜15分が87.74㎡。23㎡以上広い。㎡単価で見ると徒歩6〜10分が38.18万円/㎡、11〜15分が37.9万円/㎡で、単価はきちんと駅近が上。つまり「徒歩10分以内は狭い区画が多く、総額では逆転する」という構造だ。注文住宅で延床100㎡以上を確保したい読者にとっては、この事実はむしろ好材料と言える。駅から5分歩けば、同じ予算で25㎡広い敷地が視野に入る。
単価が明確に高いのは徒歩1〜5分帯の44.04万円/㎡。全体中央値38万円/㎡を+6.04万円/㎡上回る。逆に21分以上帯は18.77万円/㎡と半分以下だが、こちらは7件の少数参考値なので水準として鵜呑みにはできない。
町丁別に見ると偏りが鮮明だ。本集計で件数が多いのは久世中久世町18件(中央値1,624万円、中央面積42.3㎡、㎡単価36.64万円/㎡)と上鳥羽高畠町10件(中央値1億3,880万円、中央面積164.56㎡、㎡単価84.35万円/㎡)。ともにサンプルが少なめなので傾向として見る程度だが、この2町だけで中央値に8倍以上の差がある。上鳥羽高畠町の10件は四分位が中央値と一致しており、同一の大型区画群が複数掲載されている可能性が高い(推測)。
その他は参考値レベルで、西九条東島町7件(中央値3,480万円、中央面積93.05㎡)、吉祥院春日町6件(2,888万円、91.61㎡)、吉祥院西ノ庄東屋敷町5件(3,298万円、103.48㎡)。少数サンプルながら、延床120㎡を狙える90〜105㎡クラスがこの価格帯で出ている点は覚えておきたい。京都駅方面へのアクセスは近鉄京都線「東寺」「九条」、地下鉄烏丸線「九条」「くいな橋」が担う(出典: エリアプロフィール)が、駅ごとの所要時分は公開情報未確認だ。
リスク要素と注意ポイント
表示上のリスク要素が少ないエリアほど、現地確認の重みが増す。南区の土地はまさにそのパターンだ。
当サービスが収集した240件のうち、再建築不可の表示があったのは1件(0.4%)、告知事項ありも1件(0.4%)。借地権の表示は0件、旧耐震(1981年6月施行の新耐震基準より前の建物)については土地カテゴリのため該当0件。数字だけ見れば、掲載段階でのリスク表示は極めて低い水準にとどまる。
しかしこの低さは安心の根拠にはならない。土地の掲載情報では、接道の幅員や間口の実測値、私道の権利関係が記載されないケースが多い。幅員4m未満の道路に接する敷地はセットバックが必要で、有効敷地が数㎡単位で削られる。間口が2mを僅かに超える程度なら、建築確認は通っても実際には建築機械が入らず工事費が上がる。本集計で下位10%層の中央面積が45.05㎡と小さいことを踏まえると、この層には間口や形状に制約のある区画が含まれる可能性が高い(推測、確証なし)。
ハザードと周辺環境
エリアプロフィールでは、南区は桂川・鴨川に近接するため浸水想定区域が一部存在するとされるが、京都市ハザードマップ上の具体的な位置づけ、液状化リスクの評価はいずれも公開情報未確認とされている(出典: エリアプロフィール)。したがって当記事では浸水深や地域名を挙げられない。裏を返せば、購入検討時にご自身で京都市のハザードマップを町丁単位で確認する作業は省略できない、ということだ。基礎の高さ設定や地盤改良の要否は、ここの判断で数十万〜百万円単位で変わる。
周辺環境については、エリアプロフィールが3点を挙げている。工業地域・準工業地域が混在するため隣接地の用途(工場・倉庫等)による騒音・振動・臭気の影響確認、名神高速道路や幹線道路に近い土地の騒音・排ガス、そして京都市景観条例による高さ制限・意匠規制の対象区域かどうかの事前確認(出典: エリアプロフィール)。3つ目は注文住宅で特に効く。屋根形状や外壁色、高さに制約が入れば、設計の自由度そのものが変わる。名神高速の京都南インターチェンジは区内に所在する(出典: エリアプロフィール)ため、交通利便性と騒音はトレードオフになりやすい。
見落としやすい費用
上下水道・都市ガスの引込み状況、高低差と擁壁の有無は、掲載情報では判別できないことが多い。前面道路に本管があっても敷地内に引込みがなければ別途工事、擁壁が既存なら健全性の確認、高低差があれば階段や土留めの費用が乗る。本集計の価格はすべて売出時点の表示価格であり、こうした付帯費用は含まれていない。土地代の比較だけで予算を組まないことが、南区では特に重要だと言える。
データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」
同じ「南区の土地」の中に、7倍以上の価格差がある。当サービス集計の上下10%を並べると、その落差がはっきりする。
下位10%層(23件)の境界価格は1,380万円。中央面積45.05㎡、駅徒歩の中央値は10分。前月の下位ライン1,680万円から−17.9%下がっている。注目すべきは「駅徒歩10分で45㎡」という組み合わせだ。安いのは立地ではなく面積の小ささによる。3階建てで延床90㎡前後を確保する設計なら成立の余地はあるが、建ぺい率と斜線制限、駐車場の確保をあらかじめ設計者と詰めておく必要がある。二人暮らしや、庭より通勤利便を優先する層に向くゾーンだ。
上位10%層(23件)の境界価格は1億3,880万円。中央面積164.56㎡、駅徒歩の中央値12分。前月の2億4,800万円から−44.0%と大きく下がったが、これは面積の縮小によるもので値下げではない。165㎡は注文住宅1棟には広すぎる規模で、実際には分割前提の区画や事業用地が混ざっていると読める。個人の用地探しでは、この層は基準にしない方がいい。
注文住宅の読者が本当に見るべきは、その間だ。安めの4分の1が2,280万円、中央値3,096万円、高めの4分の1が5,000万円。この2,280万〜5,000万円のレンジに全体の半分が入る。徒歩11〜15分で90㎡前後、3,000万円台前半——これが南区で延床100㎡クラスの家を建てる標準解と言えそうだ。㎡単価38万円/㎡を基準に、それを大きく下回る区画は形状か周辺用途に理由があると想定して現地を見る。逆に44万円/㎡を超えるなら駅距離か整形度に対価を払っている、と読み分けたい。
問題は、この標準解のゾーンが最も速く動くことだ。本集計で掲載終了までの日数は中央値22.5日、安めの4分の1は7日。新規掲載は期間中121件あり、7月27日週には55件が集中した。週によって出方が3倍以上ばらつく市場で、条件に合う1件を人力で拾い続けるのは現実的ではない。9サイトを毎日横断し、90㎡以上・3,500万円以下という条件で機械的にふるいにかける——探し方の設計こそが、南区での用地探しの実力差になる。
よくある質問(当サービス集計での回答)
Q1. 京都府京都市南区の土地の坪単価はいくらですか?
当サービスの集計では、9サイトから収集した240件の㎡単価中央値は38万円/㎡です。坪換算すると概ね125万円前後になります。ただし駅徒歩1〜5分帯では44.04万円/㎡、11〜15分帯では37.9万円/㎡と幅があり、町丁別では上鳥羽高畠町の84.35万円/㎡(10件、傾向として見る程度)から久世築山町の18.77万円/㎡(4件の少数参考値)まで大きく開きます。総額の中央値は3,096万円です。
Q2. いまは買い時と言えますか?
当サービスの集計では、価格中央値は前月の3,255.5万円から3,096万円へ−4.9%と小幅に下がりました。一方で㎡単価中央値は36.54万円/㎡から38万円/㎡へ上昇しており、総額の低下は面積の小さい区画が増えたことによる見かけの動きと読めます。単価水準は横ばい〜微増で、相場が明確に緩んだとは言えません。むしろ掲載件数が240件と前月198件から増えている点(収集範囲の変動を含む可能性あり)を活かし、選択肢が多い時期に条件を絞って探すのが現実的です。
Q3. 建築条件付き土地はどのくらい流通していますか?
当サービスの集計では、収集した240件について建築条件付きか自由設計かを機械的に判別できる項目が揃っておらず、構成比は算出できません。ただし2,000〜3,500万円の価格帯に115件が集中し、同一町丁で中央値と四分位が一致する掲載群が複数見られることから、同一分譲の複数区画が並んでいるケースは一定数あると推測されます(確証なし)。問い合わせ段階で「取引条件」欄と建築請負契約の期限を確認してください。
Q4. 坪単価が高くなるのはどんな条件ですか?
当サービスの集計では、㎡単価が最も高いのは駅徒歩1〜5分帯の44.04万円/㎡で、全体中央値38万円/㎡を+6.04万円/㎡上回ります。また町丁別では上鳥羽高畠町が84.35万円/㎡(10件、傾向として見る程度)と突出しますが、これは中央面積164.56㎡の大型区画群によるもので、住宅用地の水準とは性格が異なります。一般に整形地・角地・幅員の広い道路に接する区画は単価が上がりますが、本集計では形状の別を判定できないため比率は示せません。
Q5. 用途地域によって価格はどれくらい違いますか?
当サービスの集計では、収集した240件に用途地域を横断集計できる項目が揃っておらず、用途地域別の価格差は算出できません。エリアプロフィールでは、南区は工業地域・準工業地域が比較的多く住居系・商業系と混在し、西部の久世・上鳥羽方面は工業・物流系、東部の東寺・九条周辺は住宅・商業系の性格が強いとされています(出典: エリアプロフィール)が、具体的な構成比は公開情報未確認です。本集計で久世中久世町の中央値が1,624万円と低めに出ている点は、周辺用途の確認とあわせて読む必要があります。
Q6. 駅から遠い土地のほうが割安なのに、なぜ徒歩11〜15分の総額が高いのですか?
当サービスの集計では、駅徒歩6〜10分帯の中央値2,998万円に対し、11〜15分帯は3,200万円で約200万円高くなっています。理由は面積です。中央面積が6〜10分帯64.03㎡、11〜15分帯87.74㎡と23㎡以上違い、㎡単価では38.18万円/㎡対37.9万円/㎡で駅近のほうが高い水準を保っています。延床100㎡以上の注文住宅を計画する場合、徒歩11〜15分帯のほうが敷地条件で有利になるケースが多いと読めます。
Q7. 狙いの条件で京都府京都市南区の土地の新着を毎日追うには?
当サービスの集計は、LINEで動く新着監視サービス「物件ウォッチ」の実稼働データから作られています。LINEで友だち追加し「京都府京都市南区 土地」と送るだけで監視が始まり、athome・センチュリー21・HOME4U・LIFULL HOMES・東急リバブル・ノムコム・三井のリハウス・住友ステップ・SUUMOの9サイトを15分間隔で自動巡回し、新着・価格変動・掲載終了を通知します。エリア・カテゴリ・予算・面積などの複合条件で絞り込めます。無料プラン(24時間遅延・1監視)があり、リアルタイム通知やAI分析を含む有料プランは月額980円からです。本集計で掲載終了までの日数は中央値22.5日、安めの4分の1は7日ですので、自動追跡の効果は小さくありません。
2026年8月のハイライトと注意点
今月の最大の発見は、「駅から遠いほど安い」が南区では成立していないことだ。当サービスが9サイトから収集した240件では、駅徒歩11〜15分帯の中央値3,200万円が徒歩6〜10分帯の2,998万円を上回った。中央面積が87.74㎡対64.03㎡と23㎡以上違うためで、㎡単価では38.18万円/㎡対37.9万円/㎡と駅近が上。延床100㎡を確保したい注文住宅の用地探しでは、5分の徒歩時間が広さに変換できるという読み方ができる。前月比では駅徒歩21分以上帯が2,870万円→980万円(−65.9%)と動いたが、7件の少数参考値であり水準として扱うべきではない。なお本集計の価格はすべて売出時点の表示価格で、実際の成約価格ではありません。また同一物件が複数サイトに掲載されている場合はそれぞれ1件として数えているため、件数は実在する区画数より多くなります。
本レポートは、物件ウォッチが 9サイト(athome, センチュリー21, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)から自動収集した掲載データ 240件(2026-07-06 〜 2026-08-05)を集計した分析です。日本の不動産市場全体の動向を示すものではなく、掲載データからは売買の成約は分かりません。物件の購入判断は必ずご自身の調査と専門家への相談のうえで行ってください。次回の更新は来月初旬を予定しています。
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- 2026年8月5日 京都府京都市南区 土地の月次相場レポート (この記事)
- 2026年6月 京都府京都市南区 土地の月次相場レポート
※ この記事のデータは物件ウォッチがathome・センチュリー21・HOME4U・LIFULL HOMES・東急リバブル・ノムコム・三井のリハウス・住友ステップなど9サイトを横断して収集した2026年8月5日時点の情報です。実際の価格・在庫は各サイトにてご確認ください。現在掲載中の注目物件20件は 京都府京都市南区 土地の注目物件一覧 から確認できます。