1K/1DKが前月比+70%増、中央値は1億3,300万円へ | 東京都中央区 中古マンション 中古相場分析【2026年8月版】— 4087件集計
東京都中央区の中古マンションで、いま最も動いているのは億超えの3LDKではなく「28㎡の1K」かもしれない。当サービスが13サイトから収集した4,087件(2026年7月4日〜8月3日)を集計すると、価格中央値は1億3,300万円と前月から下がった一方、1K/1DKの掲載件数は71件から121件へ増加した。数字の裏側で何が起きているのか。掲載データだけが語れる中央区の今を読み解いていく。
市場サマリー
東京都中央区 中古マンションの新着を見逃さない
今月の注目: 1K/1DK 5,000万円以下, 新耐震以降 RC造, 日本橋浜町・新川エリア
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📝 本稿の読み方
- 分析対象: 13サイト(athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)の掲載データ 4087件、期間 2026-07-04 〜 2026-08-03
- 集計方法: 期間中に各サイトに掲載されていた物件を集計しています。価格変更などで同じ物件が再掲載された場合は、URLでまとめて1件として扱っています。
- 表示価格は売出時点の価格で、実際に成約した価格ではありません
- 同じ物件が複数サイトに掲載されている場合は、それぞれを1件として数えています
- 週次レポートとは数字が一致しません: 本月次レポートは直近30日間に掲載が確認できた物件を期間全体で集計します(複数サイトに掲載された物件は各サイトで1件ずつ、同一サイト内の再掲載はURLでまとめて1件)。週次レポートは週末時点に掲載中だった物件だけを切り取る断面集計のため、重複の数え方・集計窓・時点の取り方が異なり、件数や中央値は月次と週次で一致しないのが正常です
TL;DR / 今月の要点
- 当サービスが13サイトから収集した4,087件の価格中央値は1億3,300万円、㎡単価中央値は215.3万円/㎡
- 前月比で最も目立つのは間取り別「1K/1DK」の件数増加。71件→121件(+70.4%の増加)で中央値は4,600万円
- 構造別でもSRC造109件→169件(+55.0%の増加)、RC造281件→398件(+41.6%の増加)と掲載の裾野が広がった
- 価格中央値は前月1億4,180万円→今月1億3,300万円へ。安め側の下位の目安が9,780万円まで下がり、分布の下半分が厚くなった
- 築年帯の断層は明確で、旧耐震(1980年以前)5,790万円と2020年以降1億8,800万円の差は1億3,010万円
- 地区別では豊海町が中央値2億800万円で最高、日本橋浜町が7,999万円で最も手が届きやすい
- 掲載終了までの日数は中央値28日。安め側の4分の1は7日で消えている
📊 今月の主要数値(当サービス集計)
- 価格中央値: 1.33億円
- ㎡単価中央値: 215.3万円/㎡
- 中央値の前月比: -6.2%
- 集計件数: 4087件(13サイト)
- 掲載期間の中央値: 28日
今月のトップ3変化(前月比)
単身向け1K/1DKの掲載が71件→121件に急増
間取り別で最も動いたのが1K/1DK。前月71件だったものが今月は121件(+70.4%の増加)。中央値は3,980万円→4,600万円で、中央面積は28.3㎡。当サービス集計の全体中央値1億3,300万円とは別世界の価格帯だ。推測だが、投資用コンパクト住戸の出し手が増えた可能性がある(確証なし)。単身向けの選択肢が一時的に厚くなった月と読める。
4LDK以上が14件→23件、中央値は2億2,990万円
広めのファミリー住戸も増えた。4LDK以上は前月14件→今月23件(+64.3%の増加)、中央値は2億1,240万円→2億2,990万円へ。中央面積95.9㎡、中央築年2019年という顔ぶれで、サンプルは少なめなので傾向として見る程度にとどめたいが、上位5%ラインが2億7,987万円まで上がったことと方向は一致している。
SRC造が109件→169件、旧耐震比率も5.6%→7.6%へ
構造別ではSRC造が前月109件→169件(+55.0%の増加)、RC造が281件→398件(+41.6%の増加)。SRC造の中央築年は1999年、中央値は1億480万円→1億円へ小幅に下がった。同時にリスク要素としての旧耐震比率が5.6%から7.6%へ2ポイント上昇。本集計では、築古側の掲載が増えたことが全体中央値を押し下げた一因と読める。
🗞️ 今月のトピック
直近で押さえておきたい外部の動きが3つある。ひとつは2026年7月に発表された令和8年分の路線価で、中央区銀座エリアの平均は2,398万円/㎡(坪7,929万円)、前年比+9.9%の上昇となった(出典: totinokati.com)。相続税評価額の上昇は、資産の組み替えや売却検討のきっかけになりやすい。ふたつめは2026年7月2日に更新された中古マンション相場データで、直近1年で約4.6%、直近3年で約77.6%の価格上昇が確認されている(出典: クラモア)。3つめは2026年7月18日に公開された2025年10-12月期の取引データで、平均取引価格1億1,143万円、平均㎡単価186万円、取引393件、前年同期比+9%の上昇(出典: sumnara.jp)。成約ベースの1億1,143万円に対し、当サービスが集めた掲載価格の中央値は1億3,300万円。売り出しと成約の間には構造的な差があることを、購入検討時の前提に置いておきたい。
東京都中央区 中古マンションの中古市場の輪郭(当サービス集計)
4,087件はどこから集まったか
当サービスが13サイトを巡回して集めた東京都中央区 中古マンションの掲載は、2026年7月4日〜8月3日の期間で4,087件。内訳を見るとSUUMOが840件、LIFULL HOMESが753件、三井のリハウス586件、ノムコム507件、東急リバブル439件、athome350件と続く。同じ物件が複数サイトに出ていればそれぞれ1件として数えているため、サイトごとの顔つきの違いがそのまま集計に出る。たとえば三井のリハウスの中央値は1億6,690万円(中央面積71.0㎡、中央築年2016年)、athomeは7,800万円(41.3㎡、2002年)。同じ区を扱っていても、扱う物件の性格がまったく違うことが数字から見える。
価格はどこに集中しているか
全体の価格中央値は1億3,300万円。平均は1億4,537万円で、中央値より高い。これは高値の裾を長く引いた分布であることを示す。最小値は980万円、最大値は14億9,000万円。安め側の4分の1のラインである下位の目安(第1四分位)は9,780万円、高め側の上位の目安(第3四分位)は1億8,480万円。最安層である下位5%ラインは4,580万円、最上層の上位5%ラインは2億7,987万円だった。面積で割った㎡単価中央値は215.3万円/㎡。価格帯の分布では1億〜1億500万円のゾーンに221件が集まり、ここが最も厚い層になっている。つまり中央区で「中古マンションを探す」という行為は、多くの場合1億円の壁の前に立つことを意味する。
掲載の出入り
期間中に新しく掲載された物件は2,680件、掲載が終了したのは1,941件。週次で見ると7月11日週は新規748件に対し掲載終了890件と終了が上回り、7月25日週は新規724件・終了373件と逆転した。総件数は前月4,549件から4,087件へ(−462件)。在庫が細り、同時に価格中央値も前月1億4,180万円から1億3,300万円へ動いた月だった。
築年帯別の相場と価格の断層
東京都中央区 中古マンションには、はっきりとした築年の断層がある。旧耐震(1980年以前)の中央値5,790万円と、2020年以降の1億8,800万円。差額は1億3,010万円。同じ区、同じ「中古マンション」というカテゴリの中で、築年だけで3倍以上の価格差がつく。
築年帯ごとの中央価格
当サービス集計の築年帯別中央値は以下のとおり。
| 築年帯 | 件数 | 中央価格 | 中央面積 | ㎡単価中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 1980年以前 (旧耐震) | 311件 | 5,790万円 | 43.7㎡ | 130.3万円/㎡ |
| 1981〜1999年 (新耐震) | 537件 | 1億480万円 | 60.4㎡ | 178.44万円/㎡ |
| 2000〜2009年 (品確法) | 1,022件 | 1億1,780万円 | 57.2㎡ | 209.57万円/㎡ |
| 2010〜2019年 | 1,273件 | 1億5,380万円 | 67.9㎡ | 242.925万円/㎡ |
| 2020年以降 (新省エネ基準) | 833件 | 1億8,800万円 | 74.3㎡ | 267.44万円/㎡ |
件数の重心は2010〜2019年の1,273件。次に2000〜2009年の1,022件。中央区の掲載は築10〜25年あたりが最も層が厚い。
境界線の前後で何が起きているか
新耐震基準(1981年6月施行)の境界をまたぐと、中央値は5,790万円から1億480万円へ、4,690万円のジャンプ。㎡単価でも130.3万円/㎡から178.44万円/㎡へ上がり、その差は約48.1万円/㎡に相当する。1981年を境に価格の景色が変わることは、この集計からは疑いようがない。ただし注意したいのは、旧耐震帯の中央面積が43.7㎡と小さいこと。価格差のすべてが耐震性能ではなく、面積構成の違いも効いている。
品確法(住宅の品質確保促進法、2000年施行で10年瑕疵保証が義務化)の境界では、1億480万円→1億1,780万円で1,300万円差。ここは意外にも段差が小さい。むしろ大きいのは2010年の手前、つまり2000年代物件と2010年代物件の間で、1億1,780万円→1億5,380万円と3,600万円開く。長期優良住宅認定制度(2009年施行)の時期と重なるが、中央区の場合は湾岸タワーの大量供給時期とも重なるため、制度単独の効果とは切り分けられない(推測を含む)。
築年帯と間取りを重ね合わせると、断層はさらに立体的になる。2010〜2019年の3LDKは369件で中央値1億8,900万円、2020年以降の3LDKは347件で1億9,990万円。一方、旧耐震の3LDKは8件しかなく中央値1億290万円。旧耐震帯で件数が多いのは2DK/2LDK(78件、7,789万円)と1LDK(50件、5,630万円)で、築古=コンパクトという構図がはっきりしている。
旧耐震物件の比率と影響
本集計4,087件のうち旧耐震は311件、比率は7.6%。前月の5.6%から2ポイント上がった。中央区の中古取引の約半数が築10年以内とされるエリア特性(出典: くらし・e)を踏まえれば、7.6%という比率は都心他区より低めの水準と見られる。ただし旧耐震は住宅ローンの融資年数や審査で不利になりやすく、地震保険料の面でも新耐震より条件が悪くなる。5,790万円という中央値は魅力的に見えるが、自己資金比率と出口戦略まで含めて計算しないと、安さは安さのままでは終わらない。
間取り・構造別の相場
3LDKの中央値は1億8,245万円、1LDKは9,980万円。同じ中央区の中古マンションで、間取りが2段階違うだけで8,265万円の差がつく。当サービスが集めた4,087件を間取りで切ると、中央区という区の性格が驚くほど素直に見えてくる。
主要間取りの顔ぶれ
| 間取り | 件数 | 中央価格 | 中央面積 | 中央築年 | ㎡単価中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1R | 14件 | 5,980万円 | 31.9㎡ | 1984年 | 135.85万円/㎡ |
| 1K/1DK | 121件 | 4,600万円 | 28.3㎡ | 2002年 | 165.56万円/㎡ |
| 1LDK | 611件 | 9,980万円 | 43.5㎡ | 2008年 | 212.09万円/㎡ |
| 2DK/2LDK | 1,230件 | 1億4,290万円 | 63.5㎡ | 2013年 | 226.56万円/㎡ |
| 3LDK | 1,042件 | 1億8,245万円 | 77.0㎡ | 2017年 | 233.49万円/㎡ |
| 4LDK以上 | 23件 | 2億2,990万円 | 95.9㎡ | 2019年 | 232.86万円/㎡ |
件数の主役は2DK/2LDK(1,230件)と3LDK(1,042件)で、この2つで全体の半分以上を占める。1Rと4LDK以上はサンプルが少なめなので傾向として見る程度にとどめたい。
注目したいのは㎡単価の伸び方だ。1K/1DKの165.56万円/㎡から3LDKの233.49万円/㎡まで、広くなるほど㎡単価も上がる。狭い住戸のほうが㎡単価が高くなる一般的なパターンとは逆で、中央区では「広い=タワーの上層・築浅」という相関が効いていると読める(解釈)。ただし4LDK以上では232.86万円/㎡と3LDKをわずかに下回り、単価上昇は3LDK付近で頭打ちになっている。
構造別の相場
構造が記録されていた物件では、RC造398件の中央値1億4,800万円(中央築年2016年、241.21万円/㎡)に対し、SRC造169件は1億円(中央築年1999年、189.55万円/㎡)。鉄骨造は12件で1億290万円だが、これは少数の参考値として見ておきたい。
SRC造が安いのは構造の優劣ではなく、単純に築年が古いからだ。SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)は柱を細くしながら高い強度を確保できるため、かつての高層マンションの主力だった。近年は高強度コンクリートの普及でRC造でも超高層が可能になり、新しい物件はRC造中心になっている。実際、2010〜2019年のRC造189件は中央値1億5,180万円、2020年以降のRC造101件は1億7,150万円。一方、旧耐震帯のSRC造31件は5,500万円だ。構造の名前で価格が決まるのではなく、その構造が使われた時代が価格を決めている。
遮音・断熱の観点では、コンクリートスラブの厚みや二重床・二重天井の採用が新しい世代で標準化しており、築年の新しさは体感品質にも直結する。旧耐震帯の物件を検討するなら、内見時にサッシの気密や上階の生活音を確かめておきたい。
タワーマンションという中央区の主役
エリアプロフィールでは、月島・勝どき・晴海の湾岸エリアで大規模タワーの供給が続き、中央区で取引される中古マンションの約半数は築10年以内とされている(出典: くらし・e)。具体的な物件としてパークタワー勝どきミッド/サウス(三井不動産レジデンシャル)、グランドシティタワー月島、セントラルガーデンタワー月島(いずれも住友不動産)などが確認されており、月島駅周辺の大規模タワー計画は今回が最後になる見込みという指摘もある(出典: 1000hands.jp)。仮説として、新規大規模供給が一巡すれば既存タワーの希少性が相対的に高まる可能性はあるが、これは供給側の情報からの推論であり、当サービス集計で裏付けられた事実ではない。
なお管理費・修繕積立金の相場については、エリアプロフィールでも公開情報未確認(unknown)。1,000戸超の大規模タワーが珍しくないエリアであり、修繕積立金の将来値上げ計画は個別に長期修繕計画書で確認するほかない。
立地軸でみる相場(駅徒歩・エリア内の偏り)
意外な数字から入ろう。当サービス集計では、駅徒歩1〜5分の中央値が1億1,580万円、徒歩11〜15分が1億7,000万円。駅から遠いほうが5,420万円高いのだ。
駅徒歩帯の逆転をどう読むか
件数は徒歩1〜5分が2,115件で圧倒的に多く、6〜10分1,043件、11〜15分615件、16〜20分188件、21分以上12件(少数の参考値)。中央値は徒歩1〜5分1億1,580万円 → 6〜10分1億3,700万円 → 11〜15分1億7,000万円 → 16〜20分1億7,000万円と、遠くなるほど上がっていく。
カラクリは面積と築年にある。徒歩1〜5分帯の中央面積は54.7㎡・中央築年2005年、徒歩11〜15分帯は75.95㎡・2019年、徒歩16〜20分帯は79.17㎡・2025年。銀座・日本橋・京橋といった駅至近エリアには古めのコンパクト住戸が多く、湾岸の築浅大型タワーは駅から少し歩く。㎡単価で見れば徒歩1〜5分が217.475万円/㎡、6〜10分が206.965万円/㎡、11〜15分が224.675万円/㎡と差は縮まり、単価ベースでは駅近が不利ではないことがわかる。つまり中央区で「駅徒歩」を単独の指標として使うと判断を誤る。
地区別の色分け
本集計で件数が最も多いのは晴海の1,184件(中央値1億6,490万円、中央築年2019年、224.1万円/㎡)。次が勝どき618件(1億4,950万円、2008年、218.83万円/㎡)、月島233件(1億2,975万円、2015年)。湾岸3地区で2,000件を超え、中央区の掲載の半分近くを占める。
価格の頂点は豊海町の99件で中央値2億800万円、中央築年2026年、282.95万円/㎡。㎡単価では銀座の84件が292.59万円/㎡で最も高く、ただし中央面積は40.74㎡と小さいため中央価格は1億1,999万円にとどまる。「銀座に住む」は面積を諦めれば1億円台前半から可能、という読み方ができる。
逆に手が届きやすいのは日本橋浜町の203件で中央値7,999万円(中央築年2000年、44.39㎡)、新川152件の9,980万円、築地180件の1億480万円、東日本橋126件の1億494.5万円、日本橋蛎殻町99件の1億990万円。日本橋浜町は表面利回りの中央値も6.03%と本集計の地区別で際立って高く、収益性を重視する読者にとっては注目に値する。ただし利回りの高さは築年や住戸規模の構成に引っ張られるため、個別物件の管理状況の確認は欠かせない。
リスク要素と注意ポイント
億を超える価格帯だからといって、リスク要素がないわけではない。むしろ中央区は「見えにくいリスク」が価格に織り込まれにくいエリアだ。
数字で見えるリスク要素
当サービスが収集した4,087件で、リスク要素の比率はこうなっている。旧耐震が311件で7.6%、借地権が6件で0.1%、再建築不可は0件、告知事項の記載があるものも0件。マンションという性格上、再建築不可がゼロなのは自然な結果だ。
注目したいのは旧耐震の比率が前月5.6%から7.6%へ、2ポイント上がったこと。件数では256件→311件(+21.5%の増加)。同時にこの帯の中央値は6,798万円→5,790万円(−14.8%)へ下がった。件数が増え価格が下がる——供給が厚くなったところで価格が緩む、教科書的な動きに見える。推測だが、路線価上昇(2026年分の銀座エリア平均は前年比+9.9%の上昇、出典: totinokati.com)を受けた資産組み替えの動きが築古物件の掲載増につながった可能性はある。ただしこれは掲載データからは検証できない仮説であり、確証はない。
旧耐震物件を検討する際の実務的な壁は3つある。ひとつは融資。金融機関によって借入期間が短縮されたり、そもそも取り扱わないケースがある。ふたつめは地震保険料で、新耐震より不利な条件になりやすい。3つめは出口で、次に売るときも同じ制約を買主が背負う。5,790万円という中央値は全体の1億3,300万円と比べれば魅力的だが、現金比率を高く見積もる必要がある。
立地固有の確認事項
エリアプロフィールでは、月島・勝どき・晴海は埋立地に立地するため、地盤・液状化リスクを個別に確認することが望ましいとされている。同時に、区が公表するハザードマップ上の具体的な浸水想定区分や液状化予測のランク付けは今回のエリア調査では確認できておらず、公開情報未確認(unknown)だ。だからこそ、購入前に区のハザードマップを自分で開くという一手間を省いてはいけない。隅田川・東京湾に面した低地という地形的特徴は、地図を見れば誰でも把握できる事実である。
もうひとつは大規模マンション特有の論点。1,000戸を超える物件が珍しくないエリアで、築18年で1,461戸、築9年で1,420戸といった事例が確認されている(出典: t23m-navi.jp)。戸数が多いほど管理組合の意思決定に時間がかかり、大規模修繕の合意形成も複雑になる。修繕積立金の値上げ計画が長期修繕計画に織り込まれているか、直近の総会議事録で議論が停滞していないか。この2点は内見の前に売主側へ請求しておきたい。管理費・修繕積立金の中央区における相場水準はエリア調査でも確認できておらず、個別確認以外の近道はない。
用途地域や容積率の区別データもエリア調査では未確認だが、銀座・日本橋・京橋の中心部は商業地域中心、湾岸部は商業系と住居系が混在するという構造は地価データから推定される範囲にとどまる。
国交省取引事例で当サービス集計を裏付ける
外部の取引情報と当サービス集計を並べてみると、売り出し価格と成約価格のギャップが見えてくる。
国交省データを集計した情報では、2025年通年の中央区中古マンション取引は1,421件、平均1億1,472万円、中央値1億1,000万円、平均㎡単価181.8万円(出典: くらし・e)。2025年10-12月期は393件で平均1億1,143万円、平均㎡単価186万円、前年同期比+9%の上昇(出典: sumnara.jp)。
対して当サービスが13サイトから集めた4,087件の掲載価格中央値は1億3,300万円、㎡単価中央値は215.3万円/㎡。成約ベースの中央値1億1,000万円に対して掲載側が高いのは、掲載価格が売出時点の希望価格である以上、当然の構造だ。ただし成約データは2025年、当集計は2026年7〜8月と時点が1年ほどずれており、この期間に価格が上がっていれば差は縮まる。エリア調査では直近1年で約4.6%の上昇が確認されている(出典: クラモア)。
個別の値動きも参考になる。勝どきの「ザ・東京タワーズ ミッドタワー」は2025年11月4日時点2億5,800万円→2026年4月19日時点2億4,800万円、「パークタワー勝どきミッド」の1LDK(50.01㎡・23階・築2年)は2025年10月25日時点1億4,500万円→2026年4月21日時点1億2,980万円へ改定されている(出典: t23m-navi.jp)。上昇基調のエリアでも、個別住戸レベルでは1,000万円超の値下げが起きる。相場の平均値だけを見て「下がらない」と思い込むのは危険だという実例だ。
データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」
同じ中央区の中古マンションでも、下位10%と上位10%はまったく別の商品だ。当サービス集計の顔ぶれを並べると、その断絶がはっきり見える。
下位10%層:6,499万円以下の396件
境界となる下位10%の境界価格は6,499万円。この層の中央築年は1980年、中央面積33.91㎡、駅徒歩は中央値4分。つまり「駅近・狭い・築古」の三点セットだ。前月の境界は7,980万円だったので、−18.6%下がって6,499万円になった。安め側の選択肢が一気に増えた月といえる。
この層が向くのは、都心での小さな拠点を求める単身者、あるいは表面利回りを重視する投資検討層だろう。旧耐震帯の表面利回り中央値は4.4%で、全体の築年帯の中では最も高い。ただし前述のとおり融資条件と地震保険が重くなる。現金または高い自己資金比率で買える人向けの領域だ。
上位10%層:2億3,800万円以上の396件
境界となる上位10%の境界価格は2億3,800万円で、前月2億2,800万円から+1,000万円の上昇。中央築年2021年、中央面積85.21㎡、駅徒歩は中央値7分。下位10%層と比べると築年で41年、面積で51㎡、そして価格で3.7倍の差がある。駅からはむしろ少し遠い。湾岸の築浅大型タワーの上層階が中心と読める顔つきだ。上位5%ラインは2億7,987万円で、前月から+4.4%の上昇。分布の上側は着実に押し上がっている。
なぜ「毎日見る」必要があるのか
ここで見落とせないのが滞留期間だ。当サービス集計で掲載が終了した1,516件の掲載期間は中央値28日、安め側の4分の1は7日、高め側の4分の1でも35日。半数が1か月以内に消える。しかも今月は新規掲載2,680件に対し掲載終了1,941件で、総件数は前月から462件減った。
条件を絞れば絞るほど、この回転速度は残酷に効いてくる。たとえば「日本橋浜町・2LDK・1億円以下」のような条件は、母数が数十件のオーダーになる。そこで7日で消える物件を、週末だけポータルサイトを開いて追いかけるのは現実的ではない。13サイトを横断して毎日、できれば数時間単位で差分を見る仕組みがなければ、選択肢は目の前を通り過ぎていく。
よくある質問(当サービス集計での回答)
Q1. 東京都中央区 中古マンションの中古相場はいくらですか?
当サービスの集計では、13サイトから収集した4,087件(2026年7月4日〜8月3日)の価格中央値は1億3,300万円、平均は1億4,537万円、㎡単価中央値は215.3万円/㎡です。安め側の4分の1のラインが9,780万円、高め側の4分の1が1億8,480万円で、最安層である下位5%ラインは4,580万円、最上層の上位5%ラインは2億7,987万円。価格帯の分布では1億〜1億500万円のゾーンに221件が集中しています。なお国交省データ集計では2025年通年の成約中央値は1億1,000万円とされており(出典: くらし・e)、売出価格と成約価格には差があります。
Q2. いまは買い時ですか?
当サービスの集計では、価格中央値が前月1億4,180万円から今月1億3,300万円へ(−6.2%)、安め側の目安も1億980万円→9,780万円へ下がりました。ただしこれは築古・コンパクト住戸の掲載が増えたことによる構成変化の影響が大きく、2020年以降の築浅帯は1億7,150万円→1億8,800万円(+9.6%の上昇)と逆に上がっています。相場全体が緩んだと解釈するのは早計です。外部データでは直近1年で約4.6%の上昇が確認されており(出典: クラモア)、自分の狙う築年帯・間取りに絞って推移を追うことが判断の前提になります。
Q3. 旧耐震物件の流通量はどれくらいですか?
当サービスの集計では、4,087件のうち旧耐震(1980年以前)は311件で7.6%。前月の5.6%から2ポイント上がりました。この帯の中央値は5,790万円、中央面積43.74㎡、㎡単価中央値130.3万円/㎡、表面利回り中央値4.4%です。中央区は取引の約半数が築10年以内とされるエリア特性があり(出典: くらし・e)、都心他区より旧耐震の流通比率は低めと見られます。なお借地権は6件(0.1%)、再建築不可は0件でした。
Q4. ㎡単価が高くなるのはどんな条件ですか?
当サービスの集計で㎡単価が最も高いのは築年です。1980年以前が130.3万円/㎡、2020年以降が267.44万円/㎡と、築年帯だけで2倍以上の開きがあります。地区別では銀座が292.59万円/㎡、豊海町が282.95万円/㎡と高水準。間取り別では3LDKの233.49万円/㎡が最高で、狭い住戸ほど単価が高くなる一般的なパターンとは逆の傾向が出ています。中央区では「広い=築浅タワーの上層」という相関が効いていると読めます。
Q5. 駅徒歩による価格差はどうなっていますか?
当サービスの集計では、駅徒歩1〜5分の2,115件が中央値1億1,580万円、6〜10分の1,043件が1億3,700万円、11〜15分の615件が1億7,000万円、16〜20分の188件が1億7,000万円。駅から遠いほうが高いという逆転が起きています。理由は面積と築年で、徒歩1〜5分帯は中央面積54.66㎡・中央築年2005年、徒歩16〜20分帯は79.17㎡・2025年。㎡単価では徒歩1〜5分が217.475万円/㎡、11〜15分が224.675万円/㎡と差は縮まります。
Q6. 晴海・勝どき・月島の湾岸3地区は、他の地区と何が違いますか?
当サービスの集計では、この3地区で2,035件(晴海1,184件、勝どき618件、月島233件)と、収集した4,087件のおよそ半分を占めます。中央値は晴海1億6,490万円(中央築年2019年)、勝どき1億4,950万円(2008年)、月島1億2,975万円(2015年)。いずれも中央面積が62〜73㎡台で、大型タワーの住戸が主体です。一方、日本橋浜町は中央値7,999万円・中央面積44.39㎡、表面利回り中央値6.03%と、まったく異なる性格を持ちます。同じ中央区でも、湾岸と内陸で探し方を変える必要があります。
Q7. 狙いの条件で東京都中央区 中古マンションの新着を毎日追うには?
当サービスの集計では、掲載が終了した1,516件の掲載期間は中央値28日、安め側の4分の1は7日でした。週末だけの手動チェックでは取りこぼしが出る速度です。物件ウォッチはLINEで友だち追加し「東京都中央区 マンション」と送るだけで監視が始まります。athome、センチュリー21、大京穴吹不動産、大和ハウス、長谷工の仲介、HOME4U、LIFULL HOMES、東急リバブル、ノムコム、ピタットハウス、三井のリハウス、住友ステップ、SUUMOの13サイトを15分間隔で自動巡回し、新着・価格変動・掲載終了をLINEに通知します。エリア、カテゴリ、予算、利回り、築年、面積などの複合条件で絞り込みが可能。無料プラン(24時間遅延・1監視)があり、有料はリアルタイム通知やAI分析付きで月額980円からです。本レポートの数字も同じ収集エンジンから生成されています。
2026年8月のハイライトと注意点
今月最大の発見は、価格中央値の下落(前月1億4,180万円→1億3,300万円)が「相場が下がった」話ではなく「掲載の顔ぶれが変わった」話だという点だ。当サービスが13サイトから集めた4,087件を分解すると、1K/1DKが71件→121件(+70.4%の増加)、SRC造が109件→169件(+55.0%の増加)、旧耐震が256件→311件(+21.5%の増加)。一方で2020年以降の築浅帯は1億7,150万円→1億8,800万円(+9.6%の上昇)、上位10%の境界価格も2億2,800万円→2億3,800万円と上がっている。安い層が増えたことで中央値が下がった、というのが本集計から読める構図だ。
ただし2点、前提を確認しておきたい。ここで扱っている価格は売出時点の掲載価格であり、実際の成約価格ではない。また同じ物件が複数サイトに出ている場合はそれぞれ1件として数えているため、件数は実際の住戸数より多くなる。この2つを頭に置いた上で、月ごとの構成変化を追うのが正しい使い方だ。
本レポートは、物件ウォッチが 13サイト(athome, センチュリー21, 大京穴吹不動産, 大和ハウス, 長谷工の仲介, HOME4U, LIFULL HOMES, 東急リバブル, ノムコム, ピタットハウス, 三井のリハウス, 住友ステップ, SUUMO)から自動収集した掲載データ 4087件(2026-07-04 〜 2026-08-03)を集計した分析です。日本の不動産市場全体の動向を示すものではなく、掲載データからは売買の成約は分かりません。物件の購入判断は必ずご自身の調査と専門家への相談のうえで行ってください。次回の更新は来月初旬を予定しています。
4,087件超の東京都中央区 中古マンションから条件に合う1件を
特に 1K/1DK 5,000万円以下, 新耐震以降 RC造, 日本橋浜町・新川エリア は早く動きます。13サイトの新着を15分間隔でチェックして、LINEで即通知。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
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- 2026年8月4日 東京都中央区 中古マンションの月次相場レポート (この記事)
- 2026年7月 東京都中央区 中古マンションの月次相場レポート
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- 2026年5月 東京都中央区 中古マンションの月次相場レポート
※ この記事のデータは物件ウォッチがathome・センチュリー21・大京穴吹不動産・大和ハウス・長谷工の仲介・HOME4U・LIFULL HOMES・東急リバブルなど13サイトを横断して収集した2026年8月4日時点の情報です。実際の価格・在庫は各サイトにてご確認ください。現在掲載中の注目物件20件は 東京都中央区 中古マンションの注目物件一覧 から確認できます。